生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
東日本大震災ブログ

「待ったなし」の現実は続く [木村雅子のブログ]

[ 2012.5.22 ]

魚市場の一角にしつらえたテントづくりの仮番屋で、3人の漁師さんにお話を伺いました。一人は漁師歴20年の大ベテラン。隣に座るのは先代を継いで3年目の漁師さん。共に、故郷の海でホタテの養殖やウニ、アワビの漁を行っておられました。今回の震災では船も漁具も養殖施設も、これまでそれぞれに培ってきた足場の全てを海に持っていかれました。もう一人は漁師初心者。岩手を離れてデスクワークに就いておられましたが、震災を機に故郷に戻り、父親の跡を継ごうと、30代での思い切った転身です。
3人は昨年の秋からグループを組んで、漁の再興に向けた動きを開始されています。

「これまで1年、ほぼ無収入で頑張ってきた。」
養殖用のホタテを吊るすビニールロープをところどころライターで炙り、補修しながら、一人の漁師さんがおっしゃいました。ロープは津波が引いた跡から、まだ使えそうなものを拾ってきたものだと聞きました。公的支援が漁師個々人の手元まで届くには時間を要します。漁期を逸さず動き出すためには、必要なものをとにかく一つづつでも自己資金で何とか揃えていくしかありません。単独ではとても担いきれない大きさです。CAREでは今年に入ってから、中期復興支援フェーズの取り組みの一つとして水産業や被災事業者の支援に着手していますが、支援の情報を聞きつけて、朝一番にCAREの事務所まで駆けつけて来られたのがこの3人でした。背景に待ったなしの状況が感じられました。
ホタテの最初の収穫は1年後です。出荷に適う具合に成長するかどうかは海の状態次第。蓋を開けてみるまで判りません。ホタテの収穫の前に、今月頭からはウニ漁が開始されました。例年より収穫量は落ちているため、市場価格が睨まれています。
「ウニがダメだったら終わりだな。」
ふと漏らされた言葉に、ぎりぎりのところで現実と対峙し続けてきたハードさが痛烈に伝わってきて、迂闊に言葉を返せませんでした。

厳しい現実を前に、3人の漁師さんが住む地域で漁の再興を決意された方は半数に満たないと聞きました。震災から1年2か月。大きなリスクを負いながら、沿岸被災地の漁師の皆さんの勝負時は変わらず続いています。


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