生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
東日本大震災ブログ

復興の主役 [木村雅子のブログ]

[ 2011.10.25 ]

午前9時過ぎ、上閉伊郡大槌町にある旧パチンコ店の駐車場に、軽トラックやワゴン車が集まり始めます。トラックの荷台には地元で穫れた野菜や魚などの生鮮食料品、手作りのお菓子や豆腐、味噌など、バラエティに富んだ商品がいっぱい。月に2回ほど開催される、「大槌復興軽トラ市」の開始です。

CAREではこのイベントを、シェードやテーブル、椅子の提供や、会場の設営・整理などを行うことで支援しています。10月第1週目の日曜日。この日は地元で人気の柏崎製麺所が操業再開のあいさつを兼ね、ラーメン300食を振る舞うという企画もあって、一番乗りのお客さんは市が開く前から既に、会場で待ち構えていました。

農家など生産者の人々や商店主が、各々軽トラック一台で乗り付け、荷台を店先にして商売を行う即席市場、通称「軽トラ市」。津波で店を失った被災者や作物を卸す場所が無くなった生産者と買い出しの場所を求める町の住民を繋ぐ、"売る方も買う方も元気になれる場所"を造ろうと、地元で海産物卸・小売業を営む六串正悦(むくし しょうえつ)さん、恵子(けいこ)さんご夫妻が声を上げて、震災から4か月後の7月半ばに始まりました。

集い

「いつかここで集った人たちと、"あん時は軽トラ市で会ったよね"って話すようになりたいです」。軽トラ商店の前で語る、六串恵子さん。

六串さんも震災で被害を受けた被災者の一人です。幸い、釜石市内の海鮮市場内にある商店は無事だったものの、大槌町内にあったご自宅は半壊、所有していた車2台も流失、漁業関係者の操業も停滞して、震災当時は途方に暮れる思いだったそうです。

それでも生きていかなければならない。

六串さんは、6月に入って義弟さんからの支援で1台の軽トラックを入手できました。しかし大槌には店も商店街もありません。周囲を見回せば、同じような境遇でなかなか商売再建に乗り出せない人や、収穫した作物の持って行き場に困っている人たちが居ました。そして食料品を一度に買い出しできる場所を求めるお客さんたちも大勢居ました。そこで、商店主や生産者が一堂に集まり、お客さんにまとめて来てもらえるような場所を自分たちで作っていこうと思いたったのだそうです。

「"何かをしてもらう"という時期はもう過ぎたんですよ。支援を待つのではなく、自分たちの手で工夫して、働いて、お金を得る、そんな風にしていきたいなと思うんです。」「何売ってもいいんですよ。被害受けてても受けてなくても、どっからでも軽トラ一台でやって来て、自分たちで食べていけるようになってもらう。軽トラ市を復興の第一歩にしてもらえれば。」六串恵子さんは、そうおっしゃいます。

震災以来の再会に思わず抱き合う。

震災以来の再会に思わず抱き合う。

被災地で、私たちはこうした、力強く前を向いて頑張っていこうとされている被災者の方に多く出会います。「被災地に行って、逆に元気をもらった。」という声をよく耳にしますが、こうした方々の活動や姿勢を見ていると本当に、こちらが活力をもらえるような心持ちになります。

そして同時に、この地でこれから根を張って生活していくのは他でもない、この地元の人々であること、復興に向けた基盤つくりの主役は地元の人々であることを、改めて教えられる気がします。私たちの役割は、主役である地元の人々の意向をはかり、地元の人々が主体となって行われる動きを側面からお手伝いすること。その姿勢を常に忘れずにいたいと思います。

「大槌復興軽トラ市」では現在、毎回10店舗ほどの店が並びます。近隣の住民に好評で、午前中であらかたの商品が売り切れになる店も少なくありません。集ってきた人たちのコミュニケーションの場にもなっていて、中には震災以降、初めて再会し互いの無事を確認できたという場面もあります。

甚大な物的・人的被害に遭って失意の底にありながら、地元の仲間に背中を押されることで再スタートへの一歩を踏み出せた、柏崎製麺所のような業者さんもいます。 市場の規模も拡大に向けて動いています。立ち上げ当初は大槌町の関係者だけで開催されていた市でしたが、10月からは岩手県の商工会も主催として加わり、10月初回は近隣の町のみならず、大槌町から70㎞余り離れた譜代村や、遠く奥州平泉からも軽トラックがやって来ました。

復興に向けた個人の想いとエネルギーが周囲の人に、そして広く地域に、着実に伝わり拡がっています。

CAREもそのエネルギーを分けてもらいつつ、これからも地元の人々が主体となって行われる復興への取り組みを、一緒にお手伝いさせてもらいたいと思います。

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