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CARE International Japanの活動

スマトラ沖津波復興事業 学校における子どもの心のケアプロジェクト終了報告

Psychosocial Support for School Communities Affected by the Tsunami

スマトラ沖津波復興事業 学校における子どもの心のケアプロジェクト終了報告
〜被災した子どもが健全な生活を送るために〜

基本情報

期間 2005年4月〜2006年7月(15カ月間)
地域

スリランカ国南部州ハンバントタ県アンバラントタ、ティッサマハラマにある 4つの学校

対象者(数)

8,803人(津波で心理的・精神的な傷を抱える子ども約5,272人と、親3,430人、先生101人)

関係者 スリランカ教育省
ドナー 協賛企業および一般寄付
事業規模 約600万円(2年間)

津波による大惨事

(c) Harsha De Silva

スリランカのなかでも、決して経済的に豊かではないハンバントタ州は、2004年 12月26日に発生した津波で非常に大きな被害を受け、住民は日常生活を送ることも困難な状況に直面しました。津波で3,334世帯が家を失い、州内およそ17,000世帯で90,000人が被害を受けました。住居や財産がなくなったために、彼らは避難所や仮設住宅などに住まいを求めて移動せざるをえませんでした。死者は3,067人に上り、被害を受けた4,047軒のうち3,067軒の家は完全に倒壊しました。これらの命と財産の損失以外に、学校を含めた州内の公共施設も多大な被害を受けました。

津波は学校の生徒、先生、親たちにも大きな衝撃を与えました。320人の子どもと20人の先生が命を失いました。350人の子どもたちは深刻な健康状態にあり、505人の子どもたちは両親とその他の後見人の両方を失いました。学校を再開した後も、生徒、先生、親たちはいくつもの問題にぶつかりました。

災害の学校への影響

津波災害は、教育の現場に大きな被害をもたらしました。まず、避難民となった家庭の子どもたちは、学校に通うことができなくなりました。避難所からもともと通っていた学校に通うための交通手段がなかったからです。また避難所には学ぶ環境は整備されていないため、こういった環境に住む子どもたちは学習することができなくなっていました。一方で、学校に通い続けることができた子どもたちは、津波によって亡くなった親や友人たちの話を学校で聞き、不安や恐怖心を抱えるようになりました。さらには、津波によって学校が破壊されたり、破壊を免れた学校でも一時的な避難所を構内に設けたことにより、学校の備品や設備の損傷を招くことになりました。

災害後の厳しい教育環境のため、多くの子どもたちが学校へ通わなくなっていきました。一部の子どもたちは攻撃的な行動をとるようになり、先生や親たちを悩ませていました。こういった状況下にある先生や親たち、コミュニティのニーズを受け、CARE はこのプロジェクトの実施を決定しました。

活動内容

このプロジェクトでは、子どもたちと保護者への積極的なカウンセリングを通じ、ハンバントタの人々の心の健康の向上を目指しました。活動開始時に、子どもたちの心理的・社会的ニーズを理解し、精神的サポートとなったり適切な対応ができるよう、先生たちや学校開発担当者にトレーニングとワークショップを開催しました。トレーニングやワークショップで学んだ内容をもとに、先生、教育関係者、親や子どもたちが共同で各学校での子どもたちの心のケアにつながる活動を設計していきました。それらの主な活動は以下の通りです。

  • インフラの設備 (飲料水供給設備の修繕、校庭の整備、備品の修理、ごみ分別の啓発活動)
  • 学校訪問 (各学校の相互訪問)
  • 子どもとコミュニティのキャパシティビルディング (自立支援の啓発活動)
  • 教育開発 (子どもたちの学習を困難にする問題の調査、親への啓発活動)
  • 学習および行事用備品の提供 (音楽、ダンス、美術の授業の向上)
  • 課外活動用の備品の提供と協議会の開催支援 (スポーツや演劇活動の活性化)
  • 美術コンテストの実施 (複数校が参加した交流活動の活性化)
  • ハンバントタと日本の学校間での写真タペストリー交換 (国際交流)
  • ワークショップ/啓発活動開発のトレーニング (自立支援)

実績・成果

活動開始と同時に大きな課題となったのが、人々の災害による精神的ショックの大きさです。津波で多くを失った人びとの中には、自らの手によって学校や生活の復興を行うよりも、外部からの金銭的、物質的な利益のみを求める無気力な状況にある人が見受けられました。しかし、そういった苦しい状況の中で、子ども、先生、親、教育関係者が共同で活動を実施していくことにより、コミュニティ全体の心のケアに働きかけ、自立と活性化の面で良い影響が見られるようになりました。

例えば、学校のインフラ整備の活動では、子どもたちの両親が労働力・物資・食料の提供など、多大な支援をしました。学校での芸術活動の活性化では、新たな表現方法を得たことにより、子どもたちの心のリハビリテーションのきっかけのひとつになったようです。また、学校訪問、美術コンテストの実施、スポーツ大会の開催、日本の学校との写真タペストリー交換など、地域外の人々との交流を行ったことにより、子どもたちは災害や芸術・スポーツ活動の経験を共有することができ、また異なる宗教や文化に対する理解を深めました。

これから

このプロジェクトで行った活動の経験を生かし、また効果を持続的なものにするために、コミュニティの人々は、コミュニティでの活動計画のモニタリングや企画のための研修と啓発のワークショップを受けました。津波が子どもたちやコミュニティに与えた影響は大きく、物質的・精神的な復興への道のりはまだ長いのは事実です。しかし、コミュニティの人々自らが多くの活動を共同で実施し始めていることは、コミュニティ全体の心のケアの原動力となっていると期待されます。

CARE では、学校から学校を取り巻くコミュニティに活動の拠点を移し、このプロジェクト実施地域の人々が今なお抱えている精神的な課題への対応を含め、子どもたちを取り巻く環境を改善していくための事業を実施し、今後もハンバントタのコミュニティ支援に携わっていきます。

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