基本情報
| 期間 |
2006年2月〜2008年2月(2年間) |
| 地域 |
ベトナム社会主義共和国 南部カントー市 |
| 対象者 |
建設に関わる出稼ぎ・移動労働者、性産業従事者、コミュニティの人々など |
| 関係者 |
建設に関わる民間企業スタッフ、地方政府関係者など |
| ドナー |
大成・鹿島・新日本製鐵の共同企業体(ジョイント・オペレーション:JO) |
| 事業規模 |
US$150,000(1ドル=115円にて約17,250,000円)(2年間) |
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事業の背景
ベトナムでは、1986年にドイモイ政策(計画経済から市場経済化に向けた新政策)を採択し、民営化、規制緩和、経済・社会インフラ整備などの政策を進めてきました。カントー橋の建設は、2001年に日本政府の円借款契約が締結された事業の一つです。
カントー橋建設現場は、ベトナム南部ホーチミンから南西に160km、メコン河下流のデルタ地帯に位置しています。ここに橋梁を架けることで、南部地域の物流を改善し、社会・経済発展に寄与することが期待されますが、これに付随する問題も発生します。その一つがHIV/AIDSをはじめとする性感染症の拡大の問題です。
ケア・インターナショナル ジャパンは、2002年に国際協力銀行から委託を受け、ケア・インターナショナル ベトナムと連携して、カントー橋建設にかかるHIV/AIDS感染防止に関する基礎調査を実施しています。この実績、外務省やJICAの委託調査の経験、現地での活動実績などが評価され、ベトナム政府よりカントー橋の建設を受注した大成・鹿島・新日本製鐵の企業共同体から、建設によって懸念されるHIV/AIDS感染を防止するための本プログラムの委託を受けました。
問題点
橋梁建設などのインフラ開発を行う際には、各地から多数の出稼ぎ建設労働者や移動労働者が雇われ、建設現場に一時的に滞在しますが、上記の基礎調査では、これらの単身労働者(特に男性が)が、家族と離れた寂しさ、開放感、異郷での疎外感などから、慰めを求めて安易な娯楽に向かう傾向を示すという結果が出ています。一方、建設地域においてはこれらの人々を顧客とする、性産業を含むさまざまなビジネスが繁盛し、性感染症の拡大が懸念されます。建設工事によって生じる環境の変化により感染症が拡大しないよう、労働者、性産業従事者、地域の人々などを対象として、HIV/AIDS等感染防止の活動を行うことは、大規模インフラ開発にともなう負の影響を軽減するために不可欠です。
事業目標
カントー橋建設に関係する移動・出稼ぎ労働者とコミュニティの人々のHIV/AIDSなどの感染リスクを軽減する。
主な活動
| 1) |
企業の健康管理者やクリニックの能力向上
企業で健康管理に従事する担当者やヘルス・クリニックが、出稼ぎ労働者などに対して適切な情報や支援を提供できるよう、能力の向上を目指します。具体的には、建設に従事するコントラクターや業者などの担当者、感染防止に携わっている政府関係者、ヘルス・クリニック関係者などを対象としたオリエンテーションやワークショップを開催し、HIV/AIDSなど感染症についての理解を促進します。また、現地のニーズに基づき、企業担当者やクリニック関係者に、カウンセリングのスキル訓練を行います。そして、地域のクリニックが質の高いHIV/AIDSなど感染症の治療やケアを提供できるよう訓練していきます。
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| 2) |
感染リスクの高い地区における情報提供・普及
現地のHIV/AIDSなど感染リスク状況を把握するために、労働者やコミュニティの人々の知識や行動習慣について調査を行います。それに基づき、建設現場など感染リスクの高い地区でリスク回避のための情報の提供とキャンペーン活動を行います。また、労働者や性産業従事者などのグループから、同業者に対して感染防止を働きかけるピア・エデュケーター(PE)を選び、コンドームの正しい使用方法や安全な性交渉スキルの訓練を実施し、情報の普及につなげます。また、労働者や企業スタッフが容易に、かつ無記名でHIV/AIDSなどに関する情報を入手できるよう、数ヶ所に質問箱を設置します。 |
| 3) |
HIV/AIDSなどのサービスに関する、企業とコミュニティ間の連携の構築
「HIV/AIDSなどの感染防止」「治療」「ケア・サービス」における企業とコミュニティ間の連携体制を築きます。そのために、建設工事に携わる業者、健康に関わる地方政府職員などから構成されるプログラム実施チーム(Programme Implementing Team)の定期的にミーティングを通し、活動方針や内容を共有し、それぞれの現場でHIV/AIDSなどの防止対策の情報が行き渡るようにします。また、HIV/AIDSなどのサービスなどについて、必要な人に適切な情報が提供できるよう、地域の中でレファランス体制を作ります。 |
| 4) |
コンドームの配布
対象地域においてコンドームを配布する場所を増やし、正しい使用方法などについての情報提供を行い、コンドームの使用率を高めます。具体的には、ピア・エデュケーター、ポスター、ヘルス・トークやソーシャル・イベントなどを通した情報提供や配布を行います。 |