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ニュースリリース

CARE とOxfam, 地球規模の飢餓と食料価格高騰への対応における抜本的改革を要求

[ 2008.5. 1 ]

(2008年4月18日、ローマ)
CAREとOxfamは今日、国際的な援助システムが目的に適ったものになっていないとし、食糧価格高騰という難題と東・西アフリカで近々発生が懸念されている食糧危機に取り組むための抜本的改革を求めました。この要求は、4月16日~18日にローマで開催され、30の主要な国連機関および援助機関が出席して世界的飢餓への対応について協議された会議の終わりに発表されました。

「食糧暴動は、世界的飢餓を政治的協議事項へと押し上げてきた。しかし、食糧危機を1回限りの出来事と見なし、その根底にある慢性的貧困に目を向けないというこれまでのやり方に留まっている限り、支援事業はこの課題にうまく対処することはできないだろう。世界は人命を救うために緊急援助チームなど人を送り込む点において大変進歩してきているが、そもそも発生する危機を未然に防ぐために必要なことができていないようだ」とOxfamのチーフエグゼクティブ、Barbara Stockingは話しています。

CARE Internationalの事務総長、Robert Glasserは、「政府が早急に対応しないと、経済と人命の損失という両方の面において、危機に対応するためのコストが大幅に増加する。最近の食糧危機に対する支援物資の配給活動などを映し出すテレビ映像は、思いやりによる活動が成功していることを示すものではなく、十分に早急な対応ができなかったという失敗を表すものなのだ」と述べています。

CAREとOxfamは、食糧価格高騰の影響に加え、東・西アフリカにおいて差し迫る食糧不足の初期兆候があると警告しました。もし世界が迅速に行動を起こせば、こういった災害を回避することが可能なのです。

東アフリカでは、3月から5月の雨季が遅れ、この3年で2回目になる広範囲の人道危機が起こるのではないかと懸念されています。CAREとOxfamは南ソマリアとエチオピアのソマリ地域における最貧困層を襲う飢餓を特に懸念しており、また西アフリカにおいてもモーリタニアとニジェールでますます食糧が不足することが警戒されています。

早期の対応は、より多くの命を救うためだけでなく、経済面においても重要です。2004年と2005年に、西アフリカのニジェールが食糧不足を回避するために支援が必要であるという警告が世界の支援国に対して出されました。しかし、迅速な対応はなされず、テレビカメラが衰弱して瀕死状態の子どもたちを映し出して初めて、世界は動きました。この対応の遅れによる人命と経済面における損失は大きいものでした。国連は、より早期に対応がなされていたら、子どもの栄養失調を防ぐために一人あたり1ドルで済んだと見ています。しかし、対応が遅れると、栄養失調の子ども一人を救うのに80ドルもかかることになるのです。

支援を届ける側の非効率性と自己利益に起因するコストの高さもまた懸念事項の一つです。何千マイルにもわたる余剰食糧支援のための配送は、運輸会社に利益を与えることになりますが、食糧を配送するためのコストは50%から100%も増えることになります。

「食糧支援は命を救うことができるし、実際に命を救っている。しかし勢いに乗る利益団体と時代遅れの政策が原因で、概して食糧支援が届くのが遅れ、コストがかかる。また食糧が脆弱な現地の市場に流れ込むと、地元の農民は市場から追い出され、結果として食糧不足が去った後の復興が遅れることになる」とOxfamのBarbara Stockingは述べています。


CAREとOxfamは、適切なときに、適切な場所で、適切な種類の支援がより多く行われることを求めています。特に必要なこととして、以下を挙げています。

・ニーズに沿って適切な支援を届けること。より適切な対応をするためには、食糧不足の性質と脆弱性についての理解を深める必要がある。

・食糧支援を含む緊急救援に代わるものが適切な時期に届けられるべきである。例えば、仕事をすることで現金収入が得られる「キャッシュ・フォー・ワーク」やその他、人々が現金を入手できるシステムなど。食糧危機の間、食糧が手に入らないないわけではない。問題は、空腹の人々には高過ぎて買えないということである。地元で食糧を買うためのサポートをすることで、現地の経済を活性化でき、農民たちも仕事を失わずに済む。

・慢性的で周期的な問題は、社会保険や社会扶助といった社会的保護の仕組みを通して対処される必要がある。

・貧困国政府の慢性的危機に対応する能力向上の支援が必要である。

・各国政府には、国民の社会的保護に対する投資、飢餓のリスクにさらされている人々に対するセーフティーネット・プログラム(キャッシュ・フォー・ワークや特に影響を受けやすい人々を対象とした支援)の実施、生計が崩れてしまう以前の介入などの対応が必要とされる。

・支援国は、現地の対応やセーフティーネットのメカニズム構築を支援するための資金提供をすべきである。

・NGOと連携して、飢餓に対する国際支援をより効果的に監視し、調整するためのメカニズムが国連のシステムの中に構築される必要がある。

・災害リスクの軽減は、将来の危機を防ぐために重要である。多くの気候に関連した危機は周期的であり、備えとリスク軽減のための戦略により、貴重な農作物の損失を減らすことができる。そのためには、テレビで飢餓状態が放映され、一般からの資金が集まる前に資金を提供するといった、支援国政府側の姿勢に大きな変化が求められる。


最近の食糧価格の危機については、CAREとOxfamは次のことを要求しました。

・途上国、特にサハラ以南のアフリカの小規模農業に対する支援者と政府からの投資を増やすこと。アフリカの国の政府の大半は、国家支出のうち少なくとも10分の1を農業にあてるとした2003年の公約を果たしておらず、現在、その報いを受けている。より大きな国際的支援が必要とされている。また、人道支援団体は、女性が新しい機会にアクセスできるよう保証することが重要である。

・バイオ燃料の大幅な需要の増大が食糧価格を引き上げているが、今のところ全体的な炭素放出量が減少しているという形跡はほとんど見られない。二酸化炭素を吸収する熱帯雨林や草原は、新しいバイオ燃料用の作物の栽培地を作るために破壊され、バイオ燃料用作物が食料生産に取って代わってきている。バイオ燃料の需要をかき立てている国々は、自分たちの政策が世界的な食糧の確保にどのような影響を与えるかを監視し、影響を受ける国に対する財政的支援を提供すべきである。バイオ燃料関連のターゲットは、途上国における炭素放出に与える影響や、食糧価格上昇・土地の争奪・労働者の権利侵害などを含む好ましくない社会的・環境的側面を考慮して、見直されなければならない。途上国は、土地配分や作物の利用などの問題に対処するために、自国のバイオ燃料戦略を食糧の安全保障政策と一体化させて取り組む必要がある。

・貧しい農民たちが保険や信用貸しなどの金融サービスを受けられるよう保証すべきである。

・食糧確保と農村開発を管理し、最貧困層や最も社会的に追いやられている農家が現在の食糧価格の上昇から利益を得られるよう支援することを、国家の通商政策に盛り込むこと。

・気候変動によりこれらの問題は悪化することになるため、気候変動の影響を軽減するための対策、またその影響への対応策が急務となっていることを認識すべきである。

・貿易をゆがめる農業輸出補助金、輸出制限、価格統制を廃止すべきである。これにより、世界市場のゆがみを正し、不安定な食糧価格に対する長期的解決への道が開ける。

「飢餓に立ち向かうために、政府や支援機関がやらなければならないことは数多くある。今回の会議で、人道支援団体や救援機関が新しい解決策に対して熱心であるということが明らかになった。今、私たちに必要なのは、援助機関が責任を持ち、支援国はこれらの変化を支持することである」と、CAREの緊急支援担当ディレクター、Jonathan Mitchellは述べています。

本件に関するお問い合わせ先

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