生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
ニュースリリース

東ティモール駐在員レポート(2年次を終え、最終年に向けて)

[ 2018.3.19 ]

農民グループ、事業チームのメンバーとともに(中央右が山際)

2016年2月、外務省の助成を得て、東ティモールのエルメラ県アッサベ郡で開始した「農村地域の生計向上事業」。事業開始から2年経った活動の進捗を、駐在員の山際薫がレポートします。

東ティモールの農村部の暮らしってどんな感じ?

アジアで一番新しい国である東ティモールは、国民の約4割が1日1.25ドル以下で
暮らすアジア最貧国の一つ。貧困層の85%は農村部に暮らしています。

東ティモールの地形は60%が山岳地帯であり、多くの人々が農業に携わっています。この事業を実施しているエルメラ県アッサベ郡は、首都ディリから悪路の山道を車で4時間走ったところに位置していますが、郡の中心部から対象地区までは、更に車で1時間以上かかります。そのような場所でほとんどの村人は、農業や家畜の世話に携わっており、収穫物の大部分は、食糧を確保するため家庭で消費され、余剰作物のみを販売できるのが現状です。多くの村人たちは、険しい山道を歩いて学校や保健所、農地へ行くので、みな足腰が強いです。決して楽な暮らしではありませんが、村人はいつも明るく、知らない人にも挨拶するなど笑顔がとても印象的です。

この2年間で農村部の人たちの暮らしはどう変わったの?
この2年間で農民の生活が大きく向上したとは言い切れませんが、事業に参加してきた人々、特に女性農民にとっては、新しい経験や発見がありました。通常、農業研修というと、男性が優先されてしまうのですが、この事業は、女性の経済的エンパワメントを重視しているので、女性農民も(参加者の65%は女性)農業技術や会計の研修を受けました。そして、習得した技術やノウハウを活用し、実際に、収穫・販売まで行いました。また、農民たちは、ジェンダー平等研修や男性の行動変容、女性のリーダーシップ研修などを受け、どのように男女が支え合い、女性も経済活動に参加できるのかについて学ぶとともに、少しずつ実践できるようになってきました。このように男女が同じように活動に参加し、実践を繰り返していくことこそが、農村部における生計向上に繋がっていくと考えています。

落花生の収穫を喜ぶ村人たち

研修では、読み書きができない人も多いため、イラストを使うなど
工夫を凝らしてスタッフが対話を重ねています

あと1年で残された課題は?

これまで、農作業や家畜の世話、市場での農産物の売買等において、
女性が重要な役割を担っているにもかかわらず、生活に関わる意思決定の場への
女性の参加が十分に確保されていませんでした

1~2年次には、モチベーションの向上、技術移転、実践における支援に徹底するとともに、市場との繋がりを探ってきました。3年次には、これまでの活動成果を市場と繋げていくことが大きな課題です。山奥にあり、アクセスの悪い農村を市場と繋げていくことは容易ではなく、またインフラ整備の遅れなどこの事業では手に負えない事情も多くあります。そのような環境で、いかにヒントや潜在性を見つけ、市場と繋いでいくのかは、活動を担う事業チーム自体に対する挑戦でもあります。これまで築いてきたネットワークや政府との協調を強化しながら、最終年にこの挑戦に挑みます。また、男性と女性も、農民たちがジェンダー平等に対する理解を更に深め、もっと女性を経済活動に巻き込んでいきたいと思っています。

支援者の皆さまへのメッセージ
東ティモールの農民たちは、恵まれない山奥の環境で懸命に生計を立てようとしています。特に女性は、普段研修に参加する機会がないので、この事業では、研修や活動に積極的に参加し、実践することを促してきました。そのお陰で、みな自信をつけ、モチベーションはますます上がっています。しかし、この自信を更なる生計向上、そして持続性へと繋げるためには、時間がかかるのが現状です。今後も農民たちを陰でサポートしながら、持続的で多様な「生きる手段」を強化していくことができればと心から願っています。皆さま、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

現地スタッフからのメッセージ(Manuel Soares副プロジェクトマネージャー)

私は、事業開始当初から、農民たちや地域の人々と関わってきました。初めは、女性の参加者は人前で発言することを躊躇していたのですが、様々な活動や研修を通して自信をつけ、自分の考えを話すようになったと感じています。また、男性も当初は、女性の活動への参加にあまりいい顔をしていませんでしたが、今では肯定的にとらえています。このような事業における「変化」を自分の目で見て感じとることができることをとてもうれしく感じています。

関連情報

▶1年次の受益者ストーリー(農民リーダー、女性グループなどのお話し)

▶1年次活動報告書

▶農村地域の生計向上事業





本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careint.org

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