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ニュースリリース

フィリピン台風:発生から5年 ーキャッサバのバリューチェーンの開発に取り組むNidaさんのお話

[ 2018.11.26 ]

1126web.jpg CAREフィリピンは、2013年の台風ハイエンによる被害が最も大きかったレイテ島でキャッサバのバリューチェーンの開発に取り組んでいます。キャッサバは、一年中収穫できる作物で、昔から食用と食品用に栽培されてきました。

バリューチェーンには多くの女性が関わっていますが、その殆どが食品の加工をしています。Barugohay Sur農業協同組合(以下、BASUFA)は、女性が主導する組合で、18人中13人が女性で、その半数は役員を務めています。

共同体としてのBASUFAの成功の秘訣は、リーダーのNida Lauronさんにあります。

51歳のNidaさんは、2013年11月に台風ハイエンが襲ってきたとき、長年にわたる海外労働から戻った後、レイテ島でようやく生活を取り戻したところでした。これからは地元で過ごすというNidaさんの望みは、彼女の農地が荒廃し、一生懸命働いて得た全てのものを失うと同時にかき消されました。

望みを失ったNidaさんは、もう一度、長くではなく、海外で働くことを決めました。1年後に帰国し、土を耕し、失ったものを取り戻すことを決意しました。そして、Nidaさんは、BASUFAについて聞き、参加することを決めました。28の農家の組合には、キャッサバ農家も含まれていました。

2015年9月、BASUFAは、Fatima Multi-Purpose Cooperative (FMPC) と共同で、Visayas 州立大学とキャッサバ加工の研修を受ける許可を米国国際開発庁(USAID)から得ました。次の年の2016年1月には、CAREフィリピンを通して、FMPCと台風ハイエン復興支援事業が、農家たちのキャッサバの生産量が上がるように資金援助してくれました。その時、Nidaさんは、BASUFAの秘書に選ばれました。この事業は、カナダのグローバル連携省を通してカナダ政府にサポートされていました。

組合は、CAREの生産と収穫後の加工への支援を活用し、FMPCと積極的に取引し、滑り出しは順調でした。

BASUFAは、農業省から、食品加工において使用するキャッサバのすりおろし器を購入する助成を受けました。しかし、その後、組合には、運営上の問題が発生し、前任の組合長との意見の対立から10人が組合を去りました。2018年1月、残った農民の組合員たちは、指導者の交代を求め、NidaさんがBASUFAの新しい組合長として選ばれました。

「私たちは、本当に組合を愛しており、これまでの努力を無駄にしたくありません。だから私は、全く新しいことではあったけれど、真摯に新しい役割を受け入れることにしました」とNidaさんはいいます。

口座に預金が殆ど残っていない状況にもかかわらず、台風ハイエンから立ち直ったときのように、BASUFAは不屈の精神を持ち続けていました。Nidaさんは、BASUFAの女性と年配のメンバーのために、小さなキャッサバ加工工場を運営するための支援を助成団体に求めました。2018年5月、CAREは、BASUFAの生計計画を支援することとし、組合は再生しました。

  メンバーたちは、加工業のためにコミュニティの小さなエリアを改修しました。毎日、女性と年配のメンバーは、食品加工事業を進めるため、農作業後の時間を割いています。女性たちからなるこの小さなチームは、すりおろし、乾燥、調理、チップスを詰める作業を交代して担っています。

「私は、このコミュニティの女性たちが、前向きに変わっていく姿を見ることがうれしいです。この事業を実施するまで、女性たちは家で家事をするだけでしたが、今は私たちにもこの役割があることに気が付きました」とNidaさんは続けます。

「BASUFAメンバーは、ファイナンシャル・リテラシー、コミュニティに根差した企業開発、価値編成を含むCAREの能力強化研修から学んだことも応用しました。メンバーたちは、事業継続計画と災害リスク削減研修を終了し、リスクの緩和やレジリエンス(回復力)の研修も受けました。CAREは、出資者との会合を通じ、BASUFAが貿易産業省や科学技術省といった零細企業を支援する機関とつながることを支援しました。

実際、BASUFAは立ち直ったのです。メンバーたちは、徐々にケーキやスナック菓子の原材料となるキャッサバのすりおろしの地元加工業者としての知名度をあげていきました。彼女たちは、キャッサバチップス作りの技術を築き上げ、今は子どもにも大人にもヘルシーなスナックとして、学校の食堂でキャッサバチップスを売っています。

「私たちの努力は報われました。そして、私たちは学び続けます。CAREは、NGOや政府だけでなく、様々なサポーターと私たちとつなげてくれました。今、私たちはさらなる研修を受けるため、様々な機関に申請を送り続けています。なぜなら、私たちは、コミュニティのより多くの女性に、収入を上げるためにキャッサバ加工について学んでもらいたいからです」

Nidaさんは、組合のためにもっと働いて、みんなで力を合わせて得た利益を分け合う喜びを共有したいといいます。Nidaさんは、もし、BASUFAが強くて、逆境にも負けず、一致団決したものならば達成できると信じています。Nidaさんは、BASUFAメンバーにこういいました。「CAREは、本当に私たちのことを思ってくれています。私たちは彼らの思いに答えなければなりません」。Nida さんは、また組合に加入してもらうよう、退会したメンバーにも働きかけています。彼女たちには、「貧困から抜け出した生活」という共通の強い望みがあるからです。


【関連情報】
フィリピン台風被災者支援事業:活動報告[概要版](2013年11月~2014年10月)

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