CAREの難民支援に対する取り組み
現在、世界では何十もの紛争が起こっています。紛争によって家族や職を失い、十分な生活用品を持っていく余裕もないまま家を追われています。こうした人々が、難民となっていくのです。
人種、宗教、国籍、思想。「難民」とは、こういった特定のグループの一員であったり、特定の政治的意見を持っているために、迫害を受ける恐れがあり自国を出ざるを得なかった人々、自国から保護を受けられない人々のことを指します。現在、世界には約2千6百万人もの難民がいます。こういった人の多くは、一時的な住まいとして難民キャンプなどで暮らしています。しかし、情勢不安から、何年も自分の国に戻れない人が数多くいます。
CARE は、こういった苦しい生活を強いられている難民の支援に積極的に取り組んでいます。難民の人が、将来、自国に帰還したり、避難国に定住した場合を考慮し、物資の支給に限定しない、長期的な視点に立った支援を行っています。
CARE の難民支援は、大きく2種類の活動に分けられます。人々の生活の基本的ニーズを満たすための物資やインフラの提供と、将来 自国に帰還したり避難国で定住を始めたりする準備を考慮した支援です。CARE の難民コミュニティでの具体的な活動には以下のようなものがあります。
・きれいな水と衛生インフラの支援
・食糧、シェルター、保健サービス支援
・初等、中等、成人、および障害を持つ人々への教育の支援
・コミュニティ活動の支援
・帰還や避難国での定住の準備の支援
難民支援の活動で CARE が重点を置いているのは、難民の人々が自ら CARE の活動の実施、運営、管理に携われるようにすることです。これは、個人やコミュニティの将来的な自立を目標にしているためです。また、難民コミュニティと、難民を受け入れるホスト コミュニティとのコミュニケーションを促進するなど、長期化することの多い難民問題の恒久的な解決に努めています。
CARE の難民支援活動例
CARE は、スーダン、ソマリア、レバノン、東ティモールなど世界各地で紛争などにより難民となった人々の支援を行っています。ここでは、CARE が2つの地域で行っている難民支援活動について紹介します。
スーダン・ダルフール危機 (スーダン、チャドでの難民支援)
ダルフール危機は、180万人もの難民を出し、2007年現在、紛争の状況は過去3年間の中で最も悪化していると言われています。現在、スーダン国内の難民に加えて、20万人が隣国のチャドに避難しています。
CAREは約700人のスタッフをダルフールとチャドに配置し、53万人以上の人々に緊急食糧を届けたり、水や衛生サービスを行うなどの支援活動を実施しています。加えて、ニャーラに設置してある診断所や栄養治療センターにて、何千もの重病の患者への緊急治療を提供しました。また、トレーニング、心理面・精神面での支援、教育支援、そして収入創出のための活動を通して難民の人々の自立を支援しています。
なお、難民の避難先であるチャドは、20%を超える栄養失調と広範囲に及ぶ貧困状態にあり、難民を受け入れることが難しい状況にあります。現地および難民の人びとの両方の力になる為に、CAREは緊急支援活動を強化するとともに、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) などと協力し、スーダンとの国境沿いに4つの難民キャンプを設置し活動を行っています。
ソマリア、エチオピア、スーダン難民 (北東ケニア・ダダーブ難民キャンプでの支援)
北東ケニアのダダーブでは、CARE は14万人以上の難民がいる3つのキャンプを運営しています。現在キャンプにいる難民の97%はソマリア人、残りの3%はエチオピアとスーダンからの難民です。水と環境衛生、食糧配給、教育などの分野で活動を実施する中、難民の人々を食糧配布時等のスタッフとして雇用しています。給料は普通の生活を送るためには足りないのが現状ですが、「少ない額だが、お金が少しでもあれば役に立つ物は買える」と、難民でありCAREスタッフの1人であるモハマドさんは語っています。 |