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HIV/AIDS 〜偏見と差別が命を奪う

(C) 20004 CARE/Josh Estey

HIVに感染した赤ちゃんの多くが、生後1年以内にエイズを発症します。頻繁な下痢やその他の日和見感染症に見舞われ、2人に1人が2歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。たとえ生き延びることができても、「偏見」と「差別」が子どもたちを待ち構えています。

●ラニ、10歳(インド)
ラニは、母親からエイズウイルスを受け継いで生まれてきました。両親がエイズで亡くなると、親戚はHIV陽性の母親を持つラニにミルクを飲ませたりすることはおろか、触れることさえも嫌がり、80歳の祖母のみが引き取ってくれました。インドの身分制度で低い身分にある2人は、月400ルピー(約1,100円)と支援組織が支給する食糧で命をつなぎました。ラニは6歳になると、牧師さんの支援で学校に通えるようになりました。しかし先生は、彼女がHIV陽性であることを知ると、他の子どもたちから引き離しました。「誰もお昼を一緒に食べてくれません。先生は他の子たちに、私と話をしてはいけないと言っています。だからいつも一人ぼっちです。それでも私は学校が好き。タミル語と算数と図画の時間が好きです」。ラニは、そう話しました。小学校3年生の時、免疫力が低下している彼女を重い結核が襲いました。大きくなったらお母さんになりたいと言っていたラニは、2003年1月、息を引き取りました。

●ビック 、26歳(ベトナム)
ビックは、夫にHIV陽性だと知られ、2人の小さな子どもたちと共に家から追い出され、市場の露店で寝泊りを始めました。後に妊娠していることがわかり、病院に行きましたが、病院は彼女のHIV感染を知ると診療を拒みました。そのため、ビックは自力で三男、ホアンを生みました。その後、わずかなお金を借りてケーキを仕入れ、それを販売して生計を立てようとしましたが、その収入では3人の子どもを養うことはできず、上の2人の子どもを養護施設に預けざるを得ませんでした。「私は、明日死ぬかもしれません。子どもたちがどうなるのか不安でたまりません」。辛さに追い討ちをかけるように、最近新たなショックが彼女を襲いました。ホアンもHIV陽性であることがわかったのです。

・・・適切に処置しなければ、HIV陽性の母親から生まれた赤ちゃんの30〜40%がHIVに感染してしまいます。母親と新生児への薬剤投与、帝王切開による出産、粉ミルクによる授乳などの必要な対策を行えば、HIVに感染した母親から生まれた100人の赤ちゃんのうち98人の感染を防げます。しかし現在、これらの適切な処置を受けているのは、HIV陽性の妊産婦の10%に過ぎません。

年に25万人以上の赤ちゃんが誕生と同時に「余命2年」を宣告される原因の一つが偏見と差別です。病院がHIV陽性の妊産婦の診療や出産介助を拒んだり、母親になる女性自身が差別を恐れて、HIV抗体検査や産前検診を受けないまま出産したりすることがあるのです。

偏見や差別がなくなると、次のことが可能になります。
@母親になる女性が、検査を受け出産前に自らのHIV感染を認識し、母子感染予防処置を受けられる
A母親が適切な授乳方法、栄養の摂取方法、定期的な産後検診の必要性などを学び実行できるようになる
B夫や家族、コミュニティ全体の理解が得られ、生まれてきた赤ちゃんや母親が周囲から差別を受けないことでその子の健康、教育などにプラスの結果を生み出すとともに、エイズで両親が亡くなっても、孤児となった子どもが周囲の支援を得られる可能性が高まる
C地域全体がエイズの正しい知識を得ることで、感染の予防が促進され、地域全体のHIV感染率が下がる

CAREのHIV/エイズに対する取り組み
HIV陽性者の数が最近5年間で2倍に増えたベトナムでは、CAREは、HIV陽性者やエイズ患者の人々のグループの自立を支援しています。「スマイリング・グループ」もその一つです。グループの創設者、ニュエンは言います。「メンバーの大半は貧しい上に家族からの支援はなく、さまざまな差別に直面しています。仲間がいて幸せな気持ちになれることは、時として薬よりも重要です」。メンバーは、互いに心の支えとなって、辛い状況に立ち向かっています。CAREは、グループが感染予防、抗レトロウイルス療法(エイズウイルスの増殖を抑える薬の投与によって、エイズの発症や病気の進行を抑える治療)、苦痛緩和医療、エイズ孤児たちのサポートなどに取り組めるよう、支援しています。

しかし、HIV陽性の人々が互いに支えあうだけでは、HIVに感染して生まれてくる子どもの数を減らすことはできません。自分のHIV感染を知らなかったり、知っていても差別を恐れその事実を夫や妻にまで隠したりすることが、配偶者や周囲に感染が拡大するリスクを高めています

CAREは、HIV陽性者自身がエイズ対策のリーダーシップを取り、周囲の人々に働きかけてエイズに関する正しい知識を広めることで、偏見を取り除こうとしています。また、HIV陽性の人々自身も、地域で重要な役割を果たすことで自分に自信を得て、前向きに生きることができるようになります。CAREは、HIVとともに生きる人々が自らの権利を守るために医療関係者・法曹界・政府機関と話し合えるよう、人権やHIV政策に関する彼らの知識を深めるための活動も行っています。
*HIV感染者であるニジェールの女性が、CAREのプロジェクトに参加し、自らの体験を語ることでHIV/エイズにつきまとう偏見をなくすための活動を行っています。この女性のストーリーは、ニュースレターVol.4に掲載されています。資料をご希望の方はこちらから。通信欄に「Vol.4希望」とお書きください。


偏見と差別をなくすことによって、HIVに感染して生まれてくる子どもたちを一人でも多く減らし、また感染して生まれてきた子どもたちが適切なケアを受けてエイズの発症や病気の進行を遅らせ、希望を持って生活を送ることができるよう、どうかご支援ください。

HIV/エイズのプロジェクトでは、いくらで、例えば何ができる?
3,000円で、HIV陽性の母親4人がHIV/エイズと人権に関する教材を受け取り、HIVの母子感染を防ぐ方法と自分や生まれてくる赤ちゃんの権利を守る方法を学ぶことができます。
5,000円で、HIV陽性の母親1人と生まれてくる赤ちゃん1人が、母子感染を防ぐための抗レトロウイルス療法ならびに適切なケアを1カ月間、受けることができます(母子感染を防ぐためには、この処置を最低9カ月間続ける必要があります)。
10,000円で、医師または看護師1人に対し、患者の個人情報の守秘義務、感染予防策、人権、偏見や差別に関する一連の教育研修を行うことができます。

ご寄付のお振込先

郵便振替
口座番号: 00150-4-49006 (手数料免除)
加入者名: 財団法人ケア・インターナショナルジャパン

※郵便局窓口設置の振替用紙をご利用の際は、通信欄に、必ず「HIV(W)」と明記してください。
※本募金口へのお振込みは振替手数料が免除になりますので、お振込みの際には郵便局窓口でその旨お申し出ください。

■銀行振込をご希望の方は、当財団までお問い合わせください。

<お問合わせ先>
(財)ケア・インターナショナル ジャパン募金担当
〒171- 0032 東京都豊島区雑司ケ谷2-3-2
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
E-mail : bokin@careintjp.org

 

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