生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。

アフガニスタン:コミュニティ運営による初等教育プロジェクト

事業部  草川 町子

期間
2004年7月~2008年6月(4年間)
地域
アフガニスタン 南東部および中央部の遠隔農村地域
対象者
南東部および中央部9州の遠隔農村地域の教員、コミュニティの人々と生徒3,038名および地方教育行政機関
関係者
教員、コミュニティ、地方教育行政機関
ドナー
ケア・フレンズ岡山(山陽放送株式会社)、ECC
事業規模
82万円(1年間)
運営

アフガニスタンでは、1970年代後半から23年間にもわたって内戦が繰り返され、多くの死傷者、難民、避難民を生み出しました。2001年のタリバン政権崩壊と、新政府の樹立後、国の復興が進められていますが、長年の混乱によるつめあとは今なお深く、インフラ、社会システム双方の復興を阻んでいます。

教育は復興の要の一つですが、制度的な回復は不十分なままです。タリバン政権時代、女子は学校教育の機会を与えられませんでした。現在、学校の門戸は再び女子にも開かれ、就学を希望する児童数は急激に増えたにもかかわらず、遠隔農村地域では十分な数の公立学校が整備されていず、また教師不足も深刻です。

このような状況を改善するため、ケア・アフガニスタンは、1998年に「コミュニティ運営による初等教育事業(COPE)」を立ち上げました。この事業では、遠隔農村地域においてコミュニティにより運営される学校を設立し、管理・運営に当たる人々の能力強化と環境整備を行っています。また、事業全体を通して、女子が男子と同等の機会を与えられるよう配慮しています。

活動実績と成果

ケア・インターナショナル ジャパン(以下、CIJ)が実施してきた活動の内容は2つの要素に集約できます。一つは教材や文具の提供です。昨年度は生徒および教師に対して筆記用具を提供しましたが、今年度はカリキュラムの変更に伴い、新しい教科書と教材を対象地区の生徒に配布することができました。もう一つはコミュニティの学校を実際に管理・運営する地域の人々(VECメンバー)や教師に対するサポートを行い、教育の機会と質の改善を側面から支える活動です。VECメンバーに対しては、男女平等や子どもと女性の権利といったアフガニスタンにおいては意識が低い問題についてワークショップを行い、その上で彼らの学校運営スキルの向上を目指しました。一方、教師に対しては、実地研修、再教育、学級運営などの研修ワークショップを行ってきました。これはタリバン時代に教職から離れていた人たちの復職と、現職教師のスキル向上を目的とするものです。これらの支援により、このような研修の機会を得た教師の数は2年間で185人に上ります。研修内容の効果的な活用は、CAREの教員研修スタッフによるモニタリングによって確認されており、その教育の質の高さも、97%の女子、81%の男子が修了試験に合格していることが証明していると言えるでしょう。

教育制度の復興に向けて

初等教育

COPEの学校に通う子どもの数は年々増えており、今年度だけでもCIJの支援対象校で615人、事業全体では9,078人の新入生を迎えましたが、COPE学校の生徒数を増やすことだけがこの事業の目的ではありません。各地域で政府の進めている公立学校運営システムの復旧に伴い、コミュニティの学校を公教育へ統合していくことを最終目標としています。既にこの1年だけでも、41校が教育省地方教育行政機関に委譲されました。さらに、CAREの役目は学校と生徒の委譲では終わりません。同時に政府教育機関の能力向上を支え、彼らが将来的に地方の教育に関する責任を負うことができるようサポートを続けていきます。今後、COPEプロジェクトは、ケア・アフガニスタンによって2010年まで続けられる予定であり、CIJも支援を継続する予定です。

※この事業は、2004年からこの活動を支えてきた山陽放送株式会社による「救え、戦場の子どもたち」キャンペーンでのご寄付を、ケア フレンズ岡山を通していただいたことにより実現しました。この度、第2年度の活動終了にあたり、ご協力いただいた関係者の皆様に心からお礼申し上げます。

対象者

The Story of Rena ~ Renaの場合

アフガニスタンの伝統的習慣の中には、女子が教育を受け続ける際にさまざまな障壁が存在します。CAREスタッフとVEC(村教育委員会)メンバーの協力により、これらを克服したケースをご紹介します。

アフガニスタン東部Khost 州にあるコミュニティによって運営されている学校に通うRenaは12歳の女の子。4歳で父を戦争で亡くした彼女は、今は母と二人の姉と共に住んでいます。4年生の彼女はとても優秀な生徒ですが、昨年、一時退学を余儀なくされる事件がありました。アフガニスタンでは、伝統的に叔父が姪の成長に責任を持ちます。Renaには3人の叔父がいますが、7カ月前、叔父の一人が、思春期に差しかかる女子が家の外に出て男子たちと就学するのは「一家の不名誉」であるとの理由でRena を退学させたのです。CAREのスタッフは、学校によるモニタリングリポートでこの問題を知り、RenaのコミュニティのVECにこの話を持ちかけました。VECのメンバーは、村議会のメンバーとRenaの母親と話し合い、Renaに小学校教育を修了させるよう、叔父を説得しました。こうして彼女は、4年次を再度、履修するために学校に戻ることができました。最近のインタビューでRenaは、教育の重要性と将来の夢についてこう語っています。「教育を受けた女性は、家族を清潔で健康に保つことができます。私は大学に行って、将来は医者か教師になりたいと思います」。

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