生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。

カンボジア:女子教育事業 サマキ クマールⅡ

*「サマキ クマール」とはクメール語で「子どもたちの結束」を意味します。

期間
2004年2月~2006年12月(2年10カ月間)
地域
カンボジア プレイベン州ピムチョア地区
対象者
退学の可能性が高い小学校高学年女子と、就学していない6歳~18歳の女子約1,400名およびコミュニティ住民
関係者
カンボジア国 教育青年スポーツ省、州および地区教育局、コミューン評議会
ドナー
国際協力機構(JICA)、 企業(アートコーポレーション株式会社)
事業規模
約4,999万円(2年10カ月間)
女子教育事業

カンボジアでは、子どもの就学率は改善してきていますが、親や地域の人々の女子教育に対する理解は十分ではありません。特に近年は、若い女性において、首都プノンペン市に建設された縫製工場で働き、現金収入を得る機会が増えています。家庭の収入が低く生活が苦しい家庭に生まれ、労働力として家族を支えることができる年齢の女子は、村で家族を支えるという伝統的な役割に加え、出稼ぎに出て家族を支援するという、二つの要因によって教育を受ける機会をあきらめなくてはならない状況にあります。



3つのアプローチ

このプロジェクトは、就学年齢の女子が教育を受けられる、あるいは、継続できるよう、家庭・学校・地域全体が教育に対する理解を深め、女子教育を支援する環境を築くことを目的としました。また、「生きる力」「コミュニティの参加」「信頼関係の構築」という3つのアプローチを大切にしました。活動を皆で運営していくことで、住民、特に女子は、自分の意見を持ち、人前で発言する力を伸ばしました。また、地域行政が住民からの声を聞き、それに応えられるよう知識と技術を身につけていく過程で、人々のつながりや信頼関係が築かれていきました。

活動の成果

まず一つ目の成果として、女子が学校教育を受ける機会が向上しました。貧しい家庭の482名の女子生徒は、奨学制度によって制服や学用品など学校教育に必要なものを受け取りました。また、単に奨学品という「もの」の支給だけではなく、コミュニティと女子生徒グループが家庭訪問などを通じて奨学生を支える仕組みを作りました。

第二の成果として、質の高い教育の提供がなされました。生活に密着した題材をもとに学ぶ基礎識字教室(6カ月間)、保健知識を取り入れた上級識字教室(4カ月間)、そして識字能力だけでなく、栄養学や有機栽培を学ぶ家庭菜園教室(4カ月間)があり、コミュニティの人々とともに運営されました。1,052名の女子が基礎識字教室で生活に必要な識字能力を身につけ、大半が上級識字教室、家庭菜園教室へと進学しました。終了した学生のうち90%は国家識字試験に合格し、昨年の州の識字能力コンテストでは、上位の1、2位を識字教室の学生が獲得しました。

識字教室の教員24名は、コミュニティに貢献したいという熱意を持った人がコミュニティから採用されました。全員教員の資格を持っていませんでしたが、継続的に学生中心の教授法やクラス運営の方法についての訓練を受けました。その結果、識字教室の教員はコミュニティの重要な人材となり、村や地区のチーフに選ばれたり、事業終了後に公教育の学校教員として働くことになるなど活躍の場を広げました。

第三の成果として、女子教育に対するコミュニティの理解が深まりました。トレーニングを受けたコミュニティの活動グループにより、コミュニティの幅広い人々を対象に多くのワークショップが開かれ、話し合いの場が作られました。その結果、親や村人は女子教育の重要性を理解し、女子に学校を続けるよう促すなど、意識の変化が行動の変化として現れるようになりました。

 

最後に、女子教育支援のための枠組みの基盤が構築されたことが成果として挙げられます。枠組み形成に不可欠なコミュニティの自信、コミュニティと地域行政のネットワークや信頼関係がプロジェクトを通して構築されました。お金やものではなく、新しい情報、人々からの尊敬・理解・信頼といった「目に見えない利益」によって生きていくための力や自信を得た、という声が活動に関わった人々から多く聞かれました。今後のコミュニティの発展に必要な資源を生み出したといえます。

これから

このプロジェクトは、女子教育に対する意識を向上させただけでなく、コミュニティの発展の基盤となる人材育成、意識の改革、ネットワークや信頼関係を成果として生み出し、個人にもコミュニティにも前向きなインパクトを与えました。CAREは、このプロジェクトの経験を生かし、今後もコミュニティにおいて包括的な支援を継続していきます。

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