生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
女性企業家 x CARE事務局長 武田勝彦 リレー対談

第7回対談 黒田幸さん 株式会社KARAFURU 代表

[ 2014.3. 7 ]

CAREは「女性と子ども」に焦点をあてた活動を行っています。
社会で活躍されている女性企業家の方から、彼女らが日常どのように国際協力について考え、また実際に関わっておられるのかを探っていきます。

黒田幸さんのご紹介

第7回 黒田幸さん 株式会社KARAFURU 代表
モノ系情報誌を扱う出版社で編集者として活躍した後、単身イタリアへ。帰国後、映画・歌舞伎の興行関連会社に入社。歌舞伎を通して日本の伝統を継承する職人と出会い、技術の素晴らしさと、それが存続の危機にあることを知る。日本の伝統的な職人技をファッションの中で提案し、日本人として誇れるものを作りたいと「KARAFURU」を立ち上げる。

"日本の伝統文化から着想を得たモノづくり・ブランドづくりを追究する 黒田幸さん

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「古き良き日本の文化と技を結んで、手に取るひとの気持ちを晴れやかに」することを目指し、日本文化の豊かな色彩から着想を得た商品を展開しているブランド「KARAFURU」の代表を務める黒田さん。その経歴は意外なものでした。

PKOからジェンダー平等へ
PKOに関心を抱き進学した先は、男子が大多数を占める全寮制の大学。マイノリティの女子として、圧倒的多数を占める男子への気配りを常に考え、多様性やジェンダーの平等について考えていたといいます。「ジェンダーの平等」といえば、現在、CAREが行っている外務省NGO研究会「ジェンダーとNGO」事業。この事業を説明する中で、ジェンダー平等への効果的なアプローチにつき問われた武田事務局長は、男性の巻き込みの重要性について紹介しました。

例えば、CAREがアフリカで行ったジェンダーに関する事業では、村のリーダーである男性にアプローチし、理解を得て、リーダーから村人に伝えてもらうことによって、村人の意識を変え、時間的にも早い効果が得られるのだと。そして、そのような変革の担い手になってくれる男性を援助機関では、「agents of change」と呼んでいるのだと。

男性社会を抜け出しものづくりの世界へ
男性社会を抜け出し、黒田さんが就職した先は、モノ系雑誌を扱う出版社。編集者としていろいろなものに触れる中で、その背景にある人や歴史に興味を持つようになります。そして、イタリアでの取材をとおし、日本文化の良さを意識し始めるようになるとともに、イタリアの小さなブランドが世界に向けた情報発信をうまくやっていることに気づかされたといいます。


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出版社を退職し、イタリアに2年滞在した後に入った興行関連会社で、歌舞伎と出会います。初めて歌舞伎を見た時、衣裳や道具の斬新な配色、オリジナリティ溢れるデザイン、細やかなつくりに強い衝撃を受けたといいます。

その経験をきっかけに、歌舞伎を含め様々な伝統工芸に携わる職人さんや素材、道具について調べていくと、想像していた以上にものや技術の継承が難しい状況であることが明らかになったそうです。そして、日本の伝統的なものや技術がなくなりつつあることを目の当たりにし、ファッションという切り口で、伝統工芸の技術と今の生活を結びつけることができるのではと「KARAFURU」を立ち上げます。

古き良きものと現代の私たちをつなぐ
蒔絵を例にあげると、30代~40代の独身女性の職人の多くは二束のわらじを履いていましたが、世の中のニーズにあったものを作り出すことによって、蒔絵の仕事一本で生計をたてられるようになりつつあるといいます。日本の職人さんたちは、そのようなものを作る高い技術をもっており、黒田さんがビジネスコンサルタントのような形でかかわっていく中で、日本の「伝統工芸と現在の私たちの生活を結ぶ商品」を作り出し、イタリアの小さなブランドが世界に向けて発信しているように、「KARAFURU」も日本の古き良きものづくりの文化と技術と今の私たちの生活をつなぐ役割を担っています。

「長い年月をかけて継承されてきたものや技術は、日本の宝物です」と黒田さんはいいます。エシカルファッションといえば、フェアトレードやオーガニック素材を使用しているのかどうかという点に関心が集まっていますが、伝統技術の継承もとても重要な課題の一つと考えさせられました。

CAREパッケージ」から始まったCAREの支援。今の支援のあり方は、その当時のCAREパッケージの詰められていた内容とは変わってきていますが、CAREも今の形にあった支援のあり方を追求していきたいと思っています。

女性へのメッセージ
高いハードルが見えると抜け出せないように感じるかもしれませんが、横から見たり、周りから見たり、近づいて見たりすると抜け出す方法が見つかるかもしれません。何かしら道が開くかもしれません。無理をせず、自分らしくいられる方法が必ず見つかるはずです。

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お仕事中の黒田さん



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イタリアで商談中

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国内でも講演活動を行っています



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イタリアの職人さんと

事務局長のコメント

CARE事務局長 武田勝彦

今回は対談の最初から驚かされました。PKOに行きたくて防衛大学校に入学したとは。この独特な大学での学生時代に貴重な体験をされたようで、いまの輝きがあるように思えて仕方ありません。
さて、黒田さんは職人さんとバイヤーさんの間に立って仕事をされていますが、職人さんと一緒になって製品改良をし、バイヤーさんには価値の違いを説明しています。我々で言うと、職人さんは途上国で支援活動を実施する専門性をもったスタッフ、バイヤーさんは寄付や協力をしてくれる日本の支援者と言ったところでしょうか。価値観をわかってもらうのは難しいですが、我々も黒田さんのようにやりがいをもって接していこうと思います。
最後に、黒田さんからのメッセージをもらいました。「高いハードルばかり見てしまうと乗り越えられないが、すぐ隣を見てそこに近づく一歩、できるところから始めていく」。当財団が置かれた状況を見るととても参考になるものでした。価値観を大切にするお仕事、これからもご活躍をお祈りしております。

第14回対談 猪熊真理子さん 株式会社OMOYA 代表取締役社長

第13回対談 母里比呂子さん 株式会社hirondelle 代表取締役

第12回対談 駒崎クララさん 株式会社KoLabo代表取締役社長

第11回対談 神宮司希望さん 株式会社eggcellent取締役最高執行責任者(COO)

第10回対談 古橋あや香さん SHY FLOWER PROJECT 代表

第9回対談 西出博美さん NPO法人 ぱぱとままになるまえに 代表

第8回対談 堀江由香里さん NPO法人Arrow Arrow 代表理事

第7回対談 黒田幸さん 株式会社KARAFURU 代表

第6回対談 渡邉さやかさん 一般社団法人 re:terra 代表

第5回対談 林民子さん ダブルツリー株式会社 代表取締役

第4回対談 新舘祐子さん NPO法人「KIDS CHEER プロダクション」理事

第3回対談 山本麻理子さん プライベートフォトスタジオ「HOME」経営者

第2回対談 田中葉月さん 国際教育関連会社 理事

第1回対談 上野沙也加さん 有限会社ロイヤルガーデン代表取締役

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