生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
女性企業家 x CARE事務局長 武田勝彦 リレー対談

第4回対談 新舘祐子さん NPO法人「KIDS CHEER プロダクション」理事

[ 2013.2.14 ]

CAREは「女性と子ども」に焦点をあてた活動を行っています。
社会で活躍されている女性企業家の方から、彼女らが日常どのように世界で起こっていることや国際協力などについて考えておられるのかを探っていきます。

新舘祐子さんのご紹介

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「最高のことをしてきた
から、現役はすぱっとやめ
られました」

第4回対談 新舘祐子さんNPO法人「KIDS CHEER プロダクション」理事

学生時代にチアリーディングと出会って魅了され、やるからにはトップを目指したいという一心で"体育会漬けの毎日"を送った末に、見事、国内の大会で優勝を勝ち取られました。卒業後は社会人のクラブチームに所属されたものの、日本国内のチア文化普及、サポート体制強化に貢献する側に回りたいと1年で引退し、2人のチア仲間と一緒に NPO法人「KIDS CHEER プロダクション」を設立。NPOの活動以外でもKIDSチアのコーチを務め、チアを通じて「周囲への感謝」や「失敗を恐れない」心を子どもたちに教えていらっしゃいます。

ご実家は東京上野で150年続く老舗のお蕎麦屋さん。3人のお子さんを持つ気風の良いお母さんです。

「"やったこと"に失敗は無い」力強い行動力を持つ  新舘祐子さん

チアを通じて気付いた「周囲のサポートあっての自分」

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「今の活動も周囲のスタッフがいてくれるからこそ
できるものです。」と語る新舘さん。

「体育の分野に進むなら体育の最高学府を目指したい」、「チアをやるからには日本一を取りに行く」。新舘さんのお話からは、常に上を見上げ、全力で物事に取り組んでいくエネルギッシュさが感じられます。ハードな練習に打ち込んだからこそ「絶対の自信を持って臨んだ」大学日本一を決める大会、ジャパン・カップで、3年生の時に見事優勝を勝ち取られました。しかし、ジャパン・カップの優勝チームとして参加したアメリカのエキシビジョンで靭帯を断裂。しばらくは演技する側から見る側に変わりました。その時、初めて自分たちの周囲を固めるサポートの存在に気付き、その有難さと重要性を実感したそうです。「思い切って演技ができるのは全て、周囲のサポートあってこそ」(新舘さん談)。怪我から1年後、舞台に復帰し再び出場できた全日本学生選手権では、初めて「自分のためでなく人のために演技したい」という強い思いで臨み、再度、優勝を手にされました。
現在、新舘さんは日本におけるチアリーディングの普及に貢献すべく、サポート側に回った活動を行っていらっしゃいます。特に力を入れていらっしゃるのは、チア文化の底辺を広げるための、子どもの指導です。

「『事の起こりを忘れるな』、チアを通じた知り合いから言われた言葉です。誰かが居るから、ここに自分が在るということを常に忘れないようにしています。子どもたちにも、バックに応援してくれている人が居ることと、感謝の気持ちを忘れずに、"がんばってます、有難う"という気持ちで演技をしなさいと言っています。」
演技に込めた気持ちは観客に確実に伝わって、反応として返ってくるのだそうです。

東日本大震災を通じて考えた「支援」のあり方

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「チアは町の応援団であり、町を元気にするものです。
現地でのチアリーダーの必要性は大きいと思いました。」

新舘さんが「キッズチア・プロダクション」を通じてサポートしていたチームの一つに、福島県南相馬市原町をベースとするチームがありました。震災が起きたのは、2011年3月下旬に予定されていた初の全国大会出場を目前に、チームが一丸となって練習に取り組んでいた矢先のことでした。幸いチアの関係者は皆さん無事だったそうですが、原発事故という思いがけない事態が勃発し、先が見えない状況の中、メンバーはそれぞれ県外等に避難し分散していったそうです。 物が壊れたわけでもなく、目に見えない被災が広がる中で、どんな支援が必要で有効なのか。支援のあり方について震災以降、深く考えられるそうです。

「町から人が減り子どもがいなくなり、日が経つほど辛さが増していくような状況です。必要なのはモノではなく心のケア。みんなが集まって人の温かみを感じられる場所を作ることが大事だと思います。」(新舘さん談)新舘さんは、ご自身の支援として、チアを通じたネットワークから資金を集め、各地に散らばったメンバーが集まれる機会を作る支援を行っていらっしゃいます。
CAREも「東日本大震災被災者支援事業」の活動項目に"心のケア"を取り入れ、被災地のコミュニティ再生支援を行ってきました。福島と岩手と、場所も状況も異なりますが、現地に人が集まり何かを行う「場所」がいかに大きな役割を果たすかについて話しが展開しました。
「今後、復興までにはまだ相当の長期化が予想されます。自分は一過性の支援ではなく、長期に及ぶ関わりを持ちたいと思います。その流れに賛同者が増えていけば、活動のモチベーションも上がりますよね。」と新舘さんはおっしゃいます。

言葉にすること、行動すること

チアの活動に対しても被災地支援に対しても、思いに向かって力強く行動される新舘さん。最近の若い世代に対して次のような感想をお持ちでした。 「大人しい若い子たちを見ていると、失敗して傷つきたくない症候群のようなものを感じます。私はいつも、まず"言葉"にすることが大事だと思っています。言葉に出せば行動も生まれますが、言葉に出さなければ何も始まりません。失敗があって次につながっていくものですが、やらなきゃ失敗も生まれません。"やったこと"に失敗は有りません。」

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子どもたちにも積極的にボランティアを奨励したいとおっしゃる
新舘さん。そうすることで将来的に、社会の発想もより自由に
広がってくるのでは、とおっしゃいます。

言葉は「言霊」を呼んで確信に繋がる。だから積極的に言葉を発して、それを行動に繋げることが大事、なのだそうです。
そして女性に対しては、次のようなメッセージをいただきました。
「女性は人を守ろうとする存在だと思います。でも人のためだけでなく、自分のためにも何かを発信してもらいたいです。そうすることで世界が開けてくると思います。決して一人じゃないですし、女性の結束力の強さをもってしたらできないことは無いですよ。」 女性のパワーを発揮させる力強い「言霊」が生まれたような気がしました。

お仕事中の新舘さん


 
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演技指導中の新舘さん。チームには3世代で参加
されているメンバーもいらっしゃるそうです。


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    おふたりのお嬢さんと

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事務局長のコメント

CARE事務局長 武田勝彦

チアリーディングと聞き、アメリカ文化の影響を受けたご家庭の方と思いきや、森鴎外の小説にも出てくる上野の超!老舗飲食店がご実家。ちゃきちゃきの江戸っ子。そんな新館さんがチアリーダーの普及を目指してNPOを設立されましたが、その活躍は我々のような団体もとても励みになります。
アメリカでのケガが転機となったそうですが、怪我の功名を体現する新館さんのチカラに感銘を受けました。底辺を広げるに子供を対象にしたり、発足者3名でそれぞれの特性を活かして組織設立に奔走したり、...。新館さんの口からは止めどなく興味深いお話が続きます。正直、対談時間が足りませんでした。
新館さんのたくさんあるお話の中で、まわりの人たちのサポート体制とチカラを発揮する機会の提供を心がけているそうですが、とても大切な視点だと思いました。我々も途上国の女性や女子のために、彼女らを温かくサポートする関係者を増やして、さらに彼女らが自立できるチャンスや場を提供しないと。

新館さん、長時間にわたる対談、ありがとうございました。人々を応援してモチベーションを上げるチアリーダー。元気のない社会には欠かせないサポーターです。日本でのチアリーダー普及、ご健闘を祈っています。

第14回対談 猪熊真理子さん 株式会社OMOYA 代表取締役社長

第13回対談 母里比呂子さん 株式会社hirondelle 代表取締役

第12回対談 駒崎クララさん 株式会社KoLabo代表取締役社長

第11回対談 神宮司希望さん 株式会社eggcellent取締役最高執行責任者(COO)

第10回対談 古橋あや香さん SHY FLOWER PROJECT 代表

第9回対談 西出博美さん NPO法人 ぱぱとままになるまえに 代表

第8回対談 堀江由香里さん NPO法人Arrow Arrow 代表理事

第7回対談 黒田幸さん 株式会社KARAFURU 代表

第6回対談 渡邉さやかさん 一般社団法人 re:terra 代表

第5回対談 林民子さん ダブルツリー株式会社 代表取締役

第4回対談 新舘祐子さん NPO法人「KIDS CHEER プロダクション」理事

第3回対談 山本麻理子さん プライベートフォトスタジオ「HOME」経営者

第2回対談 田中葉月さん 国際教育関連会社 理事

第1回対談 上野沙也加さん 有限会社ロイヤルガーデン代表取締役

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