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壊れるものはもう何もない
Melanie Brooks ケア・インドネシア スタッフ

2006年6月22日 ジョグジャカルタ、インドネシア
ここの夜景は恐ろしいほど美しいです。真っ黒な夜空に突如、炎と溶岩が真っ赤に燃え上がり、山を伝って流れていきます。火山の脅威は、私が約1ヵ月前にCAREの緊急支援チームの一員として到着してから続く毒ガスや溶岩の噴出です。しかし、私たちがすぐに支援を行わない際に感じる被災者の恐怖ほうが、はるかに大きいです。
私は、CAREのスタッフとしてアチェで活動しています。アチェは2004年、津波で最も大きな被害を受けた地域です。二度と同じ惨劇を目にすることはないだろうと思っていました。しかし、不幸にも5月27日の地震以降、ジョグジャカルタはアチェと同じ状況です。

村全体が倒壊し、家が非常に大きく揺れたため、瓦礫や屋根瓦がただあちこちに積み重なりました。私は、瓦礫の中から自分の子どもを掘り起こし、数時間後にただ死んでいくのを目にした親と話しました。また、やっとの思いでコミュニティースクールの建設資金を蓄えましたが、57秒という地震のうちに校舎と子どもたちの希望が砕け散るのを目にした人々もいます。
150万人もの人々が家を失っています。私はここで毎日、路上や倒壊した家の横でプラスチック製防水シートの下で眠る家族や子ども、赤ん坊を目にします。

しかし、ここで暮らす人々は、他人を思う気持ちや自分の生活が困難となった際でも互いに助け合おうとする力を持ち、素晴らしいです。近隣住人や見ず知らずの他人、会社員、家族が地震後、国内のあちこちから助けに集まりました。私は、津波により全てを失ったアチェの住人たちが、被災者への募金活動を始めたことを聞き、涙が溢れそうになりました。

しかし、資金不足では、善意で行えることも限られています。地震から約1カ月が経ち、援助機関や政府、国連は、衛生システムを再構築し、地震で汚染された井戸を清潔にするための資金がすぐに集まらなければ、私たちが危惧するように、恐ろしい病気が急増するであろうと警告しています。

未消毒の傷口から破傷風に感染し、21人が死亡しています。2人の子どもが既に下痢で亡くなり、被災地のあちこちでも発症が見られています。日本では下痢について考えることさえほとんどありません。しかし、被災地の農村では、医療機関や安全な水、薬へのアクセスが不足しているため、下痢により数日で子どもが亡くなります。先日、幼い少女が下痢で亡くなるのを見ました。彼女の小さな体はとても脆弱で、亡くなる前に泣くことさえできませんでした。これは起きてはならないことです。下痢は予防できます。治療できるのです。援助機関や政府による健康サービスは予防に取り組んでいますが、募金が他の災害時の額に達していません。
6月20日現在、$1億300万を求める国連の緊急アピールに対し、集まった額はたった$2200万でした。必要額の20%です。なぜかわかりません。ここで共に活動する人々の顔は、去年会った津波の被災者と同じです。津波の際には世界の人々が心を開き、助けようとしました。

私たちが活動する間も、ムラピ火山は近くでけたたましい音をたて続け、灰や瓦礫、溶岩が火山の高地にある避難村へと降りつけています。しかし、地震の被災地でそれに気づく人はほとんどいません。既に災害が起きているからです。火山が壊すものはもう何もないのです。


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