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ケア ジャパン ニュースレター
**読むだけで国際協力** 2002年9月1日
(http://www.carejapan.org)
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今回のメールマガジンは、「開発と人権」について、売春に携わるセックスワー
カーの現状と、それに対するCAREの取り組みを例にとって考えてみたいと思い
ます。
【コンテンツ】
★買春とセックスツーリズム
★バングラディッシュのセックスワーカー
★CARE バングラディッシュの対応
★「人権」とは何か?
★なぜ「開発」において人権は重要なのか?
★CAREが行っている「人権アプローチ」
【買春とセックスツーリズム】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
日本人の買春ツアーというものがあることを知っていますか?
アジア諸国における買春ツアーのはしりは、日本人を主な「旅行者」とする
60年代の韓国へのキーセン観光(キーセン=韓国の芸者)です。70年代に
ツアー先での非難が高まり、団体での買春ツアー数は減少しましたが、円高で
海外旅行がしやすくなるにつれ、買春目的に個人でアジア諸国を旅行する傾向
も見られるようになりました。
とくに問題となっているのはアジア諸国において、法的にも経済的にも弱い立
場の子どもに買春の対象が移っていることです。現在、観光産業で働く18歳
未満の子どもは世界中でおよそ1300万〜1900万人いるといわれていま
す。そのうちおよそ200万人が東南アジアとラテンアメリカで盛んな「セッ
クスツーリズム」産業で働かされています。
この内の大半の子ども達は、貧しさゆえの人身売買などにより、何も知らない
ままこの産業に従事させられています。また、無知であるがゆえに搾取の対象
になるなど、様々な危険にさらされているのです。
特に深刻なのが、HIV/AIDS感染問題です。
【バングラディッシュのセックスワーカー】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
ここでは、CARE バングラディッシュ事務所における事例を紹介します。
UNAIDSとWHOの推計では、バングラディッシュにおけるHIV/AIDSの感染者数
は13000人余り(そのうち3100人が女性)です。近隣諸国と比較するとまだ感
染者数は少ないものの、上昇傾向にあるという結果が出ています。これは、バ
ングラディッシュでは商業売春が盛んであり、またドラッグの使用者が注射器
を回し打ちしているためです。
【CARE バングラディッシュの対応】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
こうした状況に対して、CARE バングラディッシュは1995年にSHAKTIという
HIV/AIDS予防計画をスタートさせました。
ベンガル語で「力(ちから)」を意味する単語SHAKTI(シャクティ)と、
Stopping HIV/AIDS through Knowledge and Training Initiatives
(知識と訓練によってHIV/AIDSを防止する)の頭文字をとって、SHAKTIとい
うプロジェクト名が付けられました。これまでに、8250人がこのプロジェクト
の対象となりました。
バングラディッシュでは、イスラム教徒が国民の大半を占める事もあり、ジェ
ンダー差別、そしてセックスワーカーとして仕事をしている事に対する差別が
根強く存在しています。そのためセックスワーカーは他に生活手段が無いにも
かかわらず、社会的に追い込まれ、適切な保健衛生の知識やアクセスを得られ
ていない事が分かりました。
そこでSHAKTIでは、セックスワーカーが尊厳を回復し、自助努力できるよう以
下のようなアプローチをとっています。
・他の生活手段があれば、リスクの多いセックスワーカーの仕事を辞めたいと
いう人に対しては、識字教育や、縫い物などの職業訓練を行う。
・セックスワーカーとして働きつづけることを選んだ人に対しては、セックス
ワーカーの間での情報交換や、適切な医療サービスの受診ができる地域セン
ターを設立する
HIV/AIDSとその感染を防ぐ方法、特にコンドームの使用について、セックス
ワーカーの仲間の間で知識を共有できるように訓練を行う
・セックスワーカーの社会的立場を向上させるために、その土地の長がセック
スワーカーの現状を把握し、地域が解決できるような力を身に付ける
セックスワーカーの子どもたちを学校に通えるようにする
このSHAKTIの特徴は、人が幸せに生きようとする権利、つまり「人権」という
概念をベースとして活動しているということです。SHAKTIのアプローチがどの
ように人権と関わっているかは、後ほど詳しく説明するとして、ひとまず「人
権とは何か」について説明したいと思います。
【「人権」とは何か?】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
私達すべての人間は、幸せに生きたいと思っています。また、幸せに生きよう、
人間らしく生きよう、という権利を一人一人持っています。この世に生きるす
べての人は、この幸せに生きようとする権利、幸せな生活を求める権利を持っ
ています。この権利を「人権」といいます。
1948年に国連総会で採択された世界人権宣言では「すべての人間は、生まれな
がらにして自由であり、かつ尊厳と権利について平等である」とうたわれてい
ます。また、皆さんもご存知のように、日本国憲法でも、国民の基本的人権と
してさまざまな権利を定めています。しかし、今日でも、人権とは名ばかりで、
きちんと守られていない国々が世界中にまだまだ存在するのも事実です。
【なぜ「開発」において人権は重要なのか?】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
SHAKTIの特徴は、「人権」という概念をベースとして活動しているということ
は前に述べました。ところで、HIV/AIDSの感染の防止を目的としたこのプロジ
ェクトが、「人権」とどのような関係があるのでしょうか?
SHAKTIでは、一般的な価値・判断基準で、商業売春に対して偏見や差別をする
のではなく、職業選択の自由を認めながら、全ての人が現状よりも安全で尊厳
のある生活を送れることを目的にして活動しているということです。
これらSHAKTIの活動の結果、コンドームを使用するセックスワーカーが増加し、
SHAKTIの実行地域ではHIV/AIDS感染者の増加が止まりました。政府機関や他
のNGO機関からも高く評価されています。
今後も、直接的なアプローチだけではなく、その根にある問題、つまり偏見や
差別を回避し、「人間が人間らしく生きるために、すべての人が生まれながらに
して持っている権利=人権」が保証されるような社会を作るための総合的な開
発が必要とされていくでしょう。
【CAREの人権アプローチ】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
CAREでは、今回SHAKTI事業を通じて見てきた通り、プロジェクトを行なうに
際し、“Rights-Based Approach”(権利に基づいたプロジェクト策案)という考
えを基本にしています。
具体的には、
・人権を否定された人々と連帯し、我々の声を彼らに届け、その言葉に責任を
持つ
・人々が自らの生き方を選び、自らの権利と責任を満たせるよう支援する
・組織の外の人にも、彼らが持つ責任を果たしてもらう
・性、人種、国籍、民族、階級、宗教、年齢、身体的能力、カーストなどに基
づくあらゆる差別に反対する
・貧困と権利が奪われている状態の根本的原因を調べ、公表する
・非暴力を推進し、紛争に対して民主的かつ公正な解決策を提示する
・貧しい人々の権利を促進しようとする人々と共にあゆむ
といった基準を適用することになっています。
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★∞∞★∞∞★国際協力フェスティバルに参加します★∞∞★∞∞★∞∞★∞
開催12回目を迎える「国際協力フェスティバル2002」が10月5日(土)、6日(日)
に東京都日比谷公園で開催されます。このフェスティバルは市民への国際協力
のアピールを目的に、NGOや政府機関、国際機関など約200団体が参加する
日本最大の国際協力イベントです。NGOゾーンでは、約110団体の出展ブー
スを中心に、NGO案内ツアー、エスニック料理屋台、ミニステージ、ワークシ
ョップなど多くのプログラムが行われます。
詳しくは→ http://www1.jca.apc.org/icf/
ケアジャパンからは、活動の紹介のほか、タイの手工芸品を販売する予定です。
会場にお越しの際は、ぜひ!お立ち寄りください。
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