メールマガジン バックナンバー

2003年 4月号(ゴミ問題特集)

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        ケア ジャパン ニュースレター

        **読むだけで国際協力**  2003年4月1日
       < http://www.carejapan.org >
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今月のメールマガジンでは、春の引越しシーズンにちなんで
「ゴミ」について考えてみたいと思います。

  【コンテンツ】
  ★春は引越しシーズン
   ・そのゴミ「何ゴミ」?
   ・「黒」から「透明・半透明」へ
★ドイツのゴミ処理
★タイのゴミ事情
   ・北タイ・ランプーン県の例 (ワークキャンプ参加者の声)
   ・ケア ジャパンによるタイでの環境事業
  ★まとめ〜適正なゴミ処理を〜

【春は引越しシーズン】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
入学・進級・就職…春は新たな生活がスタートする季節です。今日から4月、
これから始まる生活に胸ときめかせていることでしょう。
また、新たに一人暮らしを始めたり、学校や勤務地が変わったり…春は引越し
の多いシーズンでもあります。引越しを終え、新天地での生活を始めた方も多
いかと思います。近所の公園を散策したり、地元情報誌でお気に入りのお店を
見つけたりして、積極的に情報を集めてみるのも楽しいものです。

〈そのゴミ「何ゴミ」?〉
ところで、お住まいの自治体の「ゴミ」に関する情報は、もうキャッチしてい
るでしょうか?例えば、収集日はいつか?どこへ出すのか?etc…
また、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」とくくられているものも、
自治体によって分別方法は大きく違います。例えば、ビニールやプラスチック。
「燃えるゴミ」として収集する自治体と、「燃えない(燃やせない)ゴミ」として
収集する自治体があり、中には「資源ゴミ」として回収する自治体もあります。

なぜ自治体によってゴミ収集の方法は違うのでしょうか?
その背景には、ゴミ収集が自治体レベルで行われている事が挙げられます。
自治体によって焼却場の設備、リサイクルの体制、処分場の容量はまちまちな
ので、ゴミ処理もそれらに応じて自治体ごとに決められているのです。
ダイオキシン対策の進んだ焼却場がある自治体では、ビニールやプラスチック
は「燃えるゴミ」に、そうでない自治体は「燃えないゴミ」に該当し、
リサイクルの体制が整っている自治体では「資源ゴミ」として回収される場合
もあるのです。

〈「黒」から「透明・半透明」へ〉
現在多くの自治体では透明や半透明のゴミ袋が使用されています。
ところが、つい10数年前まで、黒いゴミ袋が主流でした。
黒い袋が透明・半透明に取って代わった理由はいくつかあります。一つは、
収集する作業員の安全確保です。中に何が入っているか判らない黒の袋では、
ガラス片や注射針などでケガをする作業員も多かったようです。もう一つは、
捨てる側のモラル向上です。自分は何を捨てたか、きちんと分別しているかが
明確に判る袋の方が、分別回収に都合が良いと考えられた為です。

ゴミ袋が黒かった頃「ゴミを分別する」という意識は現在に比べて低く、また
「リサイクル」という言葉も、あまりなじみのない言葉でした。透明・半透明
袋の導入によって、ゴミ処理に対する人々の意識は、日本国内においては
かなり向上したと言えるでしょう。ゴミに含まれる有害化学物質に関する危機
意識の高まりも、それを後押ししました。

【ドイツのゴミ処理】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
では他の国のゴミ処理はどうなっているのでしょうか。環境先進国といわれる
ドイツの例を紹介します。

ドイツのゴミ処理における最大の特徴は、分別すべき種類が多いということで
す。日本が燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミと大まかに分類しているのに
対し、ドイツでは生ゴミ、ガラス(空き瓶)、紙類、容器包装廃棄物、その他と
いうように分別が5種類に具体的に分けられています。

ではなぜドイツはこのように厳格な分類を用いるようになったのでしょうか。
その背景には、焼却中心ではなく埋め立て中心であるという、ドイツのゴミ処
理事情があります。埋め立て地には限りがあるので、細かい分類を行い、まだ
使えるモノはできるだけ使う事でゴミを減らそうという意識が浸透したのです。

例えば容器包装材。これらのゴミ処理を支えているのがDuales System
Deutschland(DSD)です。これはドイツ全土で使用されているほとんどの容
器包装廃棄物に対して、分別収集からリサイクルまで責任を持って組織運営し
ている会社です。
分別の対象商品にはGruener Punkt(グリューナープンクト)というマークが付
けられています。このマークは、容器包装会社がライセンス料をDSDに払っ
て獲得するのですが、そのライセンス料はDSDの運営に使われます。容器包
装会社はライセンス料を対象商品の店頭価格に上乗せするので、元をたどれば、
消費者がゴミ処理の費用を前払いする事になります。ちなみに消費者一人あた
りが1年間に支払う平均ライセンス料は約50マルクです(2000年)。ドイツで
はDSD設立以前、約7割が埋め立てと焼却によって処分されていましたが、
DSD設立によって、その半分が資源として再利用されるようになりました。

ドイツでも、全ての人の環境意識が特に高いというわけではありませせん。
それにもかかわらず、ドイツが環境先進国という評価を獲得できたのは、DSD
に代表されるように、ゴミ処理の体制が整っている事が挙げられると思います。
日本でもドイツの政策から見習うべき点が多いのではないでしょうか。

【タイのゴミ事情】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
しかし、現在地球上には様々な有害化学物質が出回っているにも関わらず、
それを適正に処理する方法が確立されていない地域も存在します。ここで、
タイにおけるゴミ処理の現状と、ケアの取り組みを紹介します。

〈北タイ・ランプーン県の例 (ワークキャンプ参加者の声)〉
私達を乗せたピックアップトラックはとある村に入った。そこで待っていたも
のは、放し飼いにされている犬!犬!犬!そして鶏!鶏!鶏!
あっちでワンワン、こっちでワンワン、朝起きたらコケコッコー…犬は犬小屋
で、鶏は鶏舎で飼うものという固定観念に囚われていた私にとって、一見放任
主義的に見えるこのような育て方に、村人たちの心の寛大さを感じた。
放任されていたのは動物達だけではなかった。彼らはゴミも放任主義だ。生ゴ
ミや動物の排泄物、木の燃えカスなどは肥料になる。
しかし!だ。お菓子の包装、ビニール袋の切れ端、そしてペットボトル…
こんなモノまで放っておいて良いわけがないではないか!
生ゴミや木の燃えカスはいずれ土に還る。しかし、ビニールやプラスチックは
土には還らない。なのに、知ってか知らずか、彼らはそれらもポイ捨てしてい
た。タイの小さな農村にまで都市の文明が入ってくる今日、「何を、どのように
して捨てるべきか」について、村人達が関心を持ち、ゴミの適正処理に自ら取
り組む姿勢が必要なのではないだろうか…

〈ケア ジャパンによるタイでの環境事業〉
ケア ジャパンがタイで行っている環境事業は、人を中心とした事業です。環境
の再生と保全―――住民を巻き込んで地域全体で自を回復し、守っていこうと
いう取り組みです。その中心となるのが環境教育です。

●小学校での分別回収(ウボンチャタニ県)
ケア ジャパンが環境活動を行っていたウボンラチャタニ県のコクラート小学
校では、地域の緑化・環境を考えるなかで、自分たちの身の回りから改善して
いこうということで、ゴミの分別回収が始められました。学校の敷地の一角に、
家庭や学校で出たビン、カン、金属類、ダンボールなどが集められ、ある程度
の量になると業者に引き取られます。その販売代金は学校の環境活動に当てら
れています。この学校でも、以前は紙切れなどは床に捨てられ、入口には登校
時の子どもたちの草履が無造作に脱ぎ捨てられていました。

このように、住民自らが考え、活動することこそが、将来を見据えた持続可能
な開発であるとケア ジャパンは考えています。CAREの活動はあくまでもそ
のきっかけ作りなのです。ケアの活動がタイの人々の環境意識の向上のきっか
けとなってほしいものです。

【まとめ〜適正なゴミ処理を〜】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
現在日本のリサイクルは軌道に乗り始め、カン・ビン・ペットボトル等のリサ
イクルが多くの自治体で行われるようになりました。しかし、リサイクルは決
してゴミ問題の救世主ではありません。
その理由の一つは、回収された資源を有効活用する方法が十分に確立されてい
ないという点です。「リサイクルするのだから、どれだけ資源を使っても大丈
夫」という間違った安心感から、かえって多くの資源を無駄にし、リサイクル
に無駄な労力を費やしたのでは本末転倒です。さらに、ゴミを再資源化する事
によって、ゴミに含まれる有害物質が、再資源化の過程を循環し、蓄積され、
人体や地球環境に悪影響を与えるのではないか、という指摘が一部でされてい
ます。

今、私達が出来ること、するべき事は何でしょうか?確信できるのは「ゴミを
適正に処理する事」です。有害なゴミは汚染を防ぐ施設で処分する、燃やして
良いゴミとそうでないゴミを確実に分別する、といった、一見「当たり前」の
ような事が、一番大事なのではないでしょうか。
その第一歩として、「自分の出したゴミの捨て方」を知る事から始めてはどうで
しょう。お住まいの自治体のゴミ収集方法は、役所の窓口やホームページでも
調べる事が出来ます。「実は知らなかった」という方、早速調べてみましょう!

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