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ケア ジャパン ニュースレター
**読むだけで国際協力** 2003年8月1日
< http://www.carejapan.org >
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今月は前号に引き続きアフリカ特集です。今回は母子保健、紛争についてです
が、前回とりあげた人口と食糧問題、砂漠化、難民支援ともつながってきます。
(前号はこちら→
http://www.carejapan.org/comment/MG/MGsample17.htm)
そして、数ある世界遺産の中でも知られていないアフリカのドゴン族の村につ
いて紹介します。
【コンテンツ】
★地域とともに育む母子保健
★紛争と解決への道・CAREソマリアから
★世界遺産・ドゴン族の村へ
【地域とともに育む母子保健】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
★乳幼児死亡の現実★
世界で最も乳幼児死亡率(5歳未満の死亡率)の高い国は、ユニセフの1999年の
調査によると、アフリカのシエラレオネで出生1000人につき316人(以下
316/1000人と表記)となっています。ほかにもアンゴラ、ニジェール、リベリ
ア、マリなど数多くのアフリカ諸国で10人中3人から1人の割合で乳幼児が
死亡しています。反対に世界で最も乳幼児死亡率の低い国の一つに挙げられる
日本の乳幼児死亡率は、4/1000人です。
乳幼児の死因の割合は、周産期死亡(注)20%、呼吸器感染症18%、下痢性の
病気17%、ワクチンで予防できる病気15%、マラリア7%、その他23%となっ
ています。
(注)周産期死亡=妊娠22週目以降から生後7日目までの胎児および新生児
の死亡
★解決に必要なこと★
人々の知識不足、保健医療の不備、紛争、貧困などの原因を考えることができ
ますが、果たしてどんな解決策が考えられるでしょうか。またどのような取り
組みが行われているのでしょうか。
まず、周産期死亡を防ぐためには、妊娠中の女性が十分な栄養をとること、妊
娠・出産に関する知識を持ち安全な出産をすることが大切です。不衛生な環境
での出産は、臍帯(へそのお)を切る際に新生児が細菌に感染し、死んでしま
うことにつながります。保健員がいれば、より安全に出産ができるといえます。
そして、乳幼児期の子どもに対しては、安全な飲み水と十分な食べ物が与えら
れることが重要です。またジフテリア、百日咳、破傷風などのワクチンの接種
や夜盲症を防ぐビタミンAの摂取が必要で、予防可能な知的障害をヨード添加
塩を摂取することで避けられます。エイズに母子感染して生まれる子どもが多
いことも問題です。
★ソマリアにおけるCAREの活動★
それでは、CAREが活動を行っている国の一つであるソマリアをみてみましょ
う。ユニセフによる1999年のソマリアの調査によると、総人口は967万2千
人、年間出生数は50万人、出生時の平均余命が48歳、一人あたりのGNPが
120米ドルです。また、乳幼児死亡率は211/1000人と世界で7番目に高く、
一人の女性が生涯に生む子どもの数は7.1人です。また低体重児出生率は
16%、結核の予防接種を受けた1歳児は39%、3種混合の予防接種を受けた1歳児
は18%となっています。
このような現状を解決するために、CAREはコミュニティレベルで母子保健の
サポートをしています。子どもを産み、育てることに対する知識を女性が身に
つけることや、保健システムや人員を強化するといった活動をコミュニティの
人々と一緒になって行なっています。こうすることでCAREやコミュニティな
どあらゆる組織の関係性を強化することができ、またソマリアの人々自身が自
衛策をとれるようになります。つまりCAREは、直接的な医療行為による母子
保健の改善を目指すのではなく、その地域に母子保健に対する知識が根付くこ
とを目的としているのです。
【紛争と解決への道 CAREソマリアから】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
続いて、ソマリアの紛争を取り上げます。
★ソマリアの氏族(クラン)について★
ソマリアは国民の9割近くがソマリ民族、言語もソマリ語でほぼ統一されてい
ます。宗教は9割を超える人々がイスラム教徒です。アフリカ大陸では珍しく
民族・言語・宗教の同質性が高い国家です。
人口の約7割は遊牧民です。ソマリア共和国として独立を果たした1960年以
前には、明確な中央集権政府を持たず、氏族という父系制を基にした血縁集団
ごとに分かれた小さな自治組織を形成して生活していました。氏族には氏族長、
長老、シェーク(敬虔なイスラム教徒)と呼ばれる指導者がいて、彼らを中心に
相互扶助組織を形成し、共に生活しています。このソマリアの氏族はゆるやか
な結び付きで、集合、離散を繰り返しています。
各氏族は自己防衛や経済活動のために協力し合って、伝統的な秩序を維持して
いました。現在の紛争の背景には、この氏族の違いが、そしてその氏族の中で
も派閥の違いが原因としてあります。
現に、反政府組織の統一ソマリア会議(USC)で派閥争いをしているアイディ
ードとアリ・マハディは共に同じ氏族出身ですが、前者は遊牧民に多いグルー
プ、後者は都市に多いグループに属しています。遊牧をしていると他の家族と
接しないため、氏族意識が強くなると言われています。地方へ行けば行くほど
この伝統的な氏族意識は強くなります。
★紛争の経緯★
1969年軍事クーデターに成功しソマリア民主共和国と改名して元首となって
以来、独裁を続けたバレ大統領は、91年1月、以前からゲリラ活動を続けてい
たUSCについに追放されました。ここで内戦が本格化します。USCはアリ・
マハディを暫定大統領に指名しますが、他の政党からの反発及び内部からも反
発を受けて無政府状態となりました。争いは氏族単位に発展しました。その結
果、ソマリア国内で200万人の餓死者と30万人と言われる難民を出しました。
他の政党のうちソマリ民族運動(SNM)はソマリランド共和国独立を宣言、状
態を更に混乱させます。
1995年アイディード将軍は自ら大統領就任と新政府樹立を宣言しますが今度
はアリ・マハディの反対にあい、内戦はますます激化します。そしてアイディ
ードが翌年死去すると、アイディード派が将軍の三男のフセイン・アイディー
ドを後継者として戦闘を継続し、再三の和平の試みも進展を見出せずにいます。
★CAREソマリアの活動の歴史★
1980年代、ソマリアの隣、エチオピアで起こった大干ばつのために大量に発生
した難民の援助を目的としてCAREのソマリア事務所は設立されました。
この時期の活動形態はCAREが住民に直接指導する形をとっていました。
1991年にバレ体制が崩壊した後、93年から95年までUNOSOMという国連の
機関が入りましたが、現地のNGOの活動に対してお金を出すというこの機関
の活動方針は、お金に魅せられた現地人によって、活動の実態があるなしに関
わらず大量のNGOを発生させてしまい失敗に終わりました。しかしながら、
失敗とは言いながらも、中にはUNOSOM後も地域に根ざし、活動を続けるNGO
もありました。そのような現地NGOと協調して活動するPartnership
Approach の時期へとCAREの活動は入ります。CAREとCivil Society
Organization (CSO、市民社会組織)、そして住民がパートナーシップを結び、
能力開発をしていくのです。この活動は、現地のNGOとCAREが一緒の目標
をもって仕事をしていくことで、NGOも使い方によってはうまくいくという例
となりました。98年には、それまでのCAREの活動が評価され、この
Partnership Approachがソマリア全土にわたり教育や食料援助など様々な場
面で使われるようになりました。
2000年ごろからCivil Society Strengthening(市民社会強化)
という段階に入ります。CSO、住民、Civil Authority(長−おさ)と、この三
つが結びつくことをサポートするCAREが、能力開発だけでなく秩序のある関係
の構築を目指すのです。関係だけでなく、自分の能力を果たすための「役割」を
定義することが、責任を持ってプロジェクトを実行することにつながり、持続
可能な取り組みができると考えています。
★CAREが目指しているもの★
ソマリアでのCAREの活動は、バスに例えると良くわかります。バスの運転手
は、住民やCivil Authorityで、コミュニティーの進む方向を舵取りしていま
す。そこに現地のNGOやCivil Society Organizationが乗り込んで、運転手
には気づきにくい問題にまで目を光らせ、誤った方向に行かないようにサポー
トしています。このバスの行き先はGood Governance(「よい統治」、効率性、
責任性、透明性が確保された共同統治)でありPeace Governance(平和な統
治)です。
そしてCAREの役割はというと、しっかりと目的地にこのバスが行けるように
地ならしすることです。一見地味な作業ですが、外から押し付けられたもので
はなく、相互にコミュニケーションをとりながら統治を進めてなければ、内戦
に終止符を打ち、本当の意味での平和をソマリアの人々が手にすることはでき
ないと考えています。対話を大事にする姿勢を自ら示すためにも、CAREは現
地の人とコミュニケーションをとりながら、ソマリアの人々の活動を縁の下か
ら支え続けています。
【世界遺産・ドゴン族の村へ】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
★世界遺産とアフリカ★
世界遺産とは、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づき「世
界遺産リスト」に登録された文化財・自然環境のことです。世界遺産には文化
遺産、自然遺産、そして文化と自然の両方に該当する複合遺産の三種類があり
ます。
アフリカの世界遺産で有名なものはエジプトのピラミッド、タンザニアのキリ
マンジャロ国立公園、ザンビアとジンバブエの国境にあるヴィクトリアの滝な
どです。
北・西アフリカには文化遺産が多いのが特徴です。地中海に面している国々で
は、ローマ帝国時代に建設された都市の遺跡、中世に繁栄したイスラム王朝の
旧市街といった文化遺産が集中しています。
中央・南アフリカには人類の宝というべき自然遺産がいくつもあります。タン
ザニアのセレンゲティ国立公園は世界的に有名な動物の楽園です。広大なセレ
ンゲティ平原では毎年、ヌーやシマウマなどの野生動物が大移動する光景がみ
られます。
★断崖とドゴン族★
ここで、アフリカにある世界遺産の中からマリ共和国にある「バンディアガラ
の断崖」を紹介します。この断崖はマリ中央部にあるバンディアガラ山地のニ
ジェール川に面した側にあります。断層が走る急な断崖の台地や、その下にあ
る平原で暮らしているのがドゴン族と呼ばれる人々です。ドゴン族は農耕民族
であり、現在その人口は約25万人ほどです。
ドゴン族の集落は独自の天地創造の神話に基づいて築かれ、村全体は人間の形
をしています。村の中心部、胸にあたる場所には長老とその一族が住みます。
村に住む人々の家の中も人間をかたどっています。村の家の外壁には神話をモ
チーフにしたシンボルが彫刻されています。
ドゴン族の神話によるとジャッカルは神と母なる大地の間に生まれ、未来を予
言する力を持つ動物として人々から敬われています。村の占い師はジャッカル
が砂の上に残した足跡から未来を読みとります。
この地域は乾季と雨季との区別が明確で、乾季になるとドゴン族は祭りをしま
す。様々な祭りの中で仮面をつけた踊りが行われます。仮面の種類は豊富で動
物をはじめ人間、神話の登場人物、自然にまでおよびます。これらの仮面は、
日常生活からは不可視の世界と人間の世界とが交流するための媒介となります。
ドゴン族の所領地である「バンディアガラの断崖」は1989年、複合遺産とし
て世界遺産リストに登録されました。近年では、厳かな仮面の踊りを観るため
に訪れる西欧からの観光客が増えています。
★まとめ★
世界遺産を通して見えてくるアフリカの素晴らしさを挙げると、何といっても
他ではみられない野生の動植物が棲息する自然環境ではないでしょうか。注目
したいのは独自の伝統を守り続けている人々です。アフリカにも先進国の生活
様式が広まっていく中で、ドゴン族のようにヨーロッパにもアジアにもない文
化・習慣を守っていくことが望まれています。
今回は母子保健、紛争というアフリカが抱える大きな課題を、CAREの活動
国のひとつであるソマリアを事例として見てきました。「アフリカ」とひとく
くりにしてしまいがちですが、置かれた状況、課題、解決策はそれぞれの国や
地域で異なります。漠然としたイメージだけではなく、現地の実情を知ること
からこそ解決への道は見えてくるのではないでしょうか。
次回は「アフリカを知ろう」シリーズ最終回になります。身近ではない地域だ
からこそ、考えるきっかけをつくっていきたいです。
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【編集後記】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
今回の編集後記は、前号で勝手に★★★★★評価をつけたアフリカツバキ茶の
講評です☆
ツバキ茶を飲みながらいい勉強になりました。(沖)
ツバキ茶は美味。これで痩せられるのなら、最高。でも、もっと効果的に痩せ
られるものはないのかしら?(トリ)
クセのない、まろやかな味のアフリカつばき茶はどんな食べ物にもマッチする
素敵な飲み物☆(ソノ)
これから痩せる予感がする。3ヶ月後が楽しみだ。(さちこ)
おいしいお茶でした☆私も買っちゃおうかな。(ユキコ)
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