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ケア・ジャパン ニュースレター
**読むだけで国際協力** 2003年11月1日
< http://www.carejapan.org >
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【コンテンツ】
★ 国際協力フェスティバル報告
☆「これを機会にもっと国際協力を知りたい」タイプ代表
☆「花より団子」タイプ代表
★ タイの山岳民族について
☆ 山岳民族の抱える課題と支援について
☆ タイの最高峰ドイ・インタノン
前号で紹介した「国際協力フェスティバル」、「通」の歩き方を実践してい
ただけたでしょうか??今回は、実践したメルマガチームのメンバーから
の報告をします。また、タイの山岳民族の抱える問題とその支援について
紹介します。
【国際協力フェスティバル報告】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
☆「これを機会にもっと国際協力を知りたい」タイプ代表
〜国際協力フェスティバルの各ブースを巡って〜
先月の4日、5日に国際協力フェスティバル2003が日比谷公園でありました。
私も実際にフェスティバルに足を運びましたが、私の場合は「通」の歩き方の
中で言う『「これを機会に、国際協力をもっと知りたい」タイプ』に入るかと思
います。
今回は「数多くの団体が一同に会するこの機会を活用して全ての団体の活動概
要を知ろう」と思い立ちブース巡りをしました。しかし、いざ回ってみるとス
タッフの方と話が弾んでしまったり、知り合いに会って立ち話したり、歩き疲
れて休憩したりと、あっという間に時間が過ぎてしまい、結局のところ70ブ
ースが限界でした。その中で特に印象に残ったものを次に紹介します。
★女性の自立支援活動を行う団体★
いくつかある「女性の自立支援活動」を行っている団体は、それぞれの活動地
域は異なるにせよ刺繍や洋裁など活動内容が非常に似通っていると感じました。
これは現地のニーズによるためだと思いますが、活動内容のアピールの仕方が
どこも変わらないために似通っているように感じられたのかと思います。今後
はその辺りの違いを明確に打ち出せると面白みが増してくるのではないかと感
じています。
ただ、そのような中で他とは違う雰囲気で一番印象に残っているブースの方は、
次のように自らの活動に自信を持って語ってくれました。「日本で売れる商品
レベルに達するのに20年かかりました。しかし最初から『貧しい人達が作っ
たので買ってください』的な売り方はしたくなかった」と。そして「刺繍指導
した結果作られた製品を日本でフェアートレードという形で売ることで消費者
の厳しい目に晒されるわけです。そこから出てきた苦情やアイデアをくみ取っ
て次の製品作りに生かすことが技術指導やフェアートレードの利点である」と。
★地道な活動を行う団体★
160以上のブースがあれば展示の仕方も様々ですが、展示にそんなに力をかけ
ていなくても、しっかりと地道に活動しているところはあります。例えばある
ブースでは、中年の男性が2人テーブルの奥で腕を組んで座っていて、確かに
声を掛けづらそうな雰囲気でしたが、話を聴くと現地でしっかりとした基盤を
持つNGOとタイアップして、教育支援や飲み水の確保のために尽力している
そうです。展示の見せ方もフェスティバルでは必要かもしれませんが、まずは
何と言っても活動内容が充実していることが大切であると気づかせてくれまし
た。
★活動の透明性を求める団体★
事業計画や事業報告を非常に重視して活動している団体がありました。スタッ
フの方には「主役はスポンサーと現地の人達なので次の2つは徹底して行いま
す。(1)事業には必ず現地の村人に参加してもらう。(2)現地NGOには事業計画
と報告を必ず提出させる。何故ならスポンサーに対してはアカウンタビリティ
(説明責任)があるので。」と熱く語ってもらいました。
これらのことは恐らくどこの団体も念頭に置いて活動していることだと思うの
ですが、NGOも事業や会計の透明性を求められてきているという動きを垣間
見ることができました。やはり助成金をもらったり、企業とタイアップしたり、
会員やドナーから寄付金をもらうのならば、しっかりとした事業計画、事業報
告、事業評価そしてお金の流れを説明する必要があるでしょう。
★NGOを支援するNGO★
現地で活動するNGOやボランティアへの技術支援を主に行っている団体がい
くつかありました。それらの団体のほとんどは青年海外協力隊経験者がやって
いるようです。現地でプロジェクトを進め職員を派遣する団体にとっては、そ
のようなサポートをしてくれる団体があると助かるのではないでしょうか。今
後ますますこのような団体の活動が活発になることを願っています。
私がお話を聞いた相手は職員の方、インターンの方、アルバイトの方、ボラン
ティアの方と様々であったと思います。もちろんその人の立場や関わり具合に
よって得られる情報は同じ団体であってもバラバラであるかもしれません。で
すから短時間のうちに「活動概要を知る」というのはかなり無理なものでした
が、どのような雰囲気の団体なのかをつかむことはできたと思っています。
このメルマガの読者で『「これを機会に、国際協力をもっと知りたい」タイプ』
の人は、やはり何と言ってもまずは行動を起こしてみてはいかがでしょう。例
えば雰囲気が自分とあっている団体があれば、積極的に連絡を取ってその団体
の活動やMLに参加するとか、活動報告会や勉強会などに参加してみましょう。
積極的な人を各団体は拒まないはずですから。そして実際に参加しながら活動
への理解を深めることで継続したボランティアにつながるかもしれません。
☆「花より団子」タイプ代表
前回メールマガジンで特集をした、国際協力フェスティバル。今回はその事後
報告です。「花より団子」タイプ代表として国際協力フェスティバルのフードコ
ーナーの模様を伝えようと思います。
国際協力フェスティバルの中でも、フードコーナーは特に人気のあるコーナー
です。お昼時ともなると列ができ、整理券が配られることもあるほどです。た
くさんの国の食べ物ブースが出展しているのですが(参考:
http://www1.jca.apc.org/icf/menu/food.html)、私が2日間で食べることができ
たのはネパールカレー・スリランカカレー(ランパ・シナモン・カルダモン・ク
ローブなどのスパイスが特徴)、チャイ、パンケケ(サモアのドーナッツ)、カン
ボジア風春巻き(揚げ春巻きに砕いたピーナッツのトッピング)、ラオス風ホッ
トドックです。こんなにいろいろな国の食べ物を一度に食べられる機会はない
とついつい欲張ってしまいました。晴れわたった青空の下、おいしい料理に舌
鼓を打ちながら、その国の食文化について想いを馳せたり、家に帰った後、簡
単な料理を試してみたりするのも楽しいです。
そこで食文化の融合例としてラオス風ホットドックを、家で試してみたいエス
ニックな飲み物ということでチャイを取り上げてみたいと思います。
ラオス風ホットドックというのはフランスパンに野菜とお肉のパテをのせて、
ナンプラー(魚醤)などで味付けしたものです。ここで注目したいのが、ナンプ
ラ−とフランスパンを使っていること。ラオス料理と聞くとどんな味がするの
だろうと思ってしまいますが、ナンプラ−を使っているということからもわか
るとおり、ラオスに隣接するタイ東北部と味付けが似ているのです。日本人に
も食べやすい味です。また昔、フランスに占領された名残で、今日でもフラン
スパンがラオスでは食べられているのです。このようにラオス風ホットドック
からラオスの位置や歴史が見えてきます。
チャイは煮出し式ミルクティーのことです。お茶の起源である中国の広東語系
の呼び方「チャ」を語源としており、インドをはじめシルクロードを通じて中
国からお茶の伝わった地域全般で飲まれています。家庭でも手軽に楽しめるの
で、ぜひ試してみてください。
《チャイのつくりかた》
1.鍋に適量の水と茶葉、そしてスパイス(シナモン・カルダモン・ジン
ジャー・ナツメグ・クローブなど)を入れ、強火にかける
2.鍋の縁がふつふつと沸いてきてから約1分間煮立たせる
3.1と同量〜1.5倍のミルクを入れる
4.沸騰する直前で火を止め、茶葉をこしながらカップに注ぐ
5.好みの量の砂糖を入れて、できあがり
【タイの山岳民族について】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
☆タイ山岳民族の抱える課題と支援について
「タイの第2の都市はどこですか?」と聞かれて、皆さんは即答できますか?
タイの都市というと首都バンコクがうかぶと思いますが、第2の都市は、タイ
北部に位置するチェンマイ市です。バンコクに比べれば、かなり静かな都市だ
と思います。バンコクではスラムが社会問題となっていますが、タイ北部では
山岳民族が直面する課題が社会問題となっています。
★山岳民族の抱える課題★
この地域には十数部族の人々が生活しています。彼らの多くはここ1〜2世紀
の間に周辺の山岳地帯(現在は国境が引かれたため外国となってしまった地域)
から移住してきた人々で、どの民族も独自の言語と文化をもち、焼畑農業にと
もなう数年〜十数年ごとの集落移動の生活を続けてきました。
しかし、最近彼らの生活や文化が脅かされてきています。タイ政府は山岳民族
が行ってきた焼畑農業が森林減少の理由だとして、森林保護政策を進めていま
す。この政策により彼らが行ってきた森林の伐採や焼畑が禁止され、定住化が
進められてきました。しかし、森林保護政策は山岳民族を定住化させるための
口実ではないかという指摘もあります。森林減少の理由は、焼畑だけでなく材
木会社等の伐採もあります。
現地で活動するNGOスタッフによると、森林保護政策の結果、山岳民族は生
活の基盤を根こそぎ失いつつあるそうです。かつてのように肥沃な土地を求め
て自由に移動することができず、土地のやせた山の傾斜地で連作を繰り返さな
ければならないため、収穫量が極端に低下し、収量を上げるには高価な肥料や
危険な農薬に頼らざるをえなくなるのです。今では主食の米でさえ自給できな
くなっている村も多く、人々は貧困にあえいでいます。現金収入を得るため、
もともとは薬用として育てていたケシ(阿片)を栽培するようになった部族も
ありましたが、近年厳しい取り締まりをうけ、逮捕者も続出しています。しか
し、これが手っ取り早く、元手のかからない現金収入の手段であるため、ケシ
栽培をやめられないのが現状です。
タイ経済の急速な発展と近代化の流れの中で、貨幣経済や物質文明への憧れか
ら、村の若い人々はバンコクやチェンマイといった都会に出稼ぎにでていきま
す。ただ単に憧れだけでなく、村内に労働先がないという理由もあります。し
かし、出稼ぎにでても彼らはタイ語が正しく使えないため、不当な差別や低賃
金で苛酷な労働を強いられます。若い女性たちの中には性産業労働者として働
く者もいます。
★HIVの現状と支援★
村は過疎化が進み、共同体意識は衰退し、農業に期待が持てなくなった男たち
はケシやヘロイン、覚醒剤などに手を出すようになり、村の中でも麻薬中毒者
や覚醒剤の売買による逮捕者が急増しています。親がわずかばかりの借金のか
たに娘を性産業につかせることもあります。また、親のために自発的に性産業
に就職する子どももいます。せっかく娘が帰って来たかと思うと、HIV(AIDS
の原因になるウイルス)に感染して働けなくなってしまったための帰郷という
ことが多いです。男性の場合も、都市に出稼ぎに出てそこで買春を行い、性交
渉を持った相手からHIVに感染することが多いです。既婚者が出稼ぎからHIV
に感染して戻ってきて、妻と性交渉を行うと家族にまで被害が広がってしまい
ます。
山岳民族へのHIV/AIDS支援はNGOなどにより様々な支援事業が行われてい
ます。HIV/AIDSに関する問題を、(1)HIV感染前、(2)HIV感染後からAIDS
発症前、(3)AIDS発症後の3段階に分けて、それぞれの対策の一例を紹介しま
す。
(1)の段階では、一般的な性教育やHIV/AIDS予防への啓蒙活動が行われます。
(2)の段階では、カクテル療法などでAIDSが発症しないようにします。カクテ
ル療法とは、人体内でHIVが増えるのを邪魔する薬を複数使用して、AIDSの
発症を押さえる方法です。(3)の段階では、AIDS患者が安らかな死を迎えるた
めにホスピスなどの施設を運営しています。また、患者の死後残された患者の
子ども(AIDS孤児)たちを集めた寄宿舎を運営している団体もあります。
HIV/AIDS支援に関しては、どの段階でどのような支援をするかをめぐって各
支援団体間でも議論がされています。
★子どもたちや女性への支援★
これら多くの問題を抱えるタイ山岳民族の社会の中でもとくにその犠牲になり
がちなのが子どもたちです。その子どもたちのための教育支援が多くのNGO
で行われています。
近年タイ政府は、タイ国内に定住をはたした山岳民族の人々をタイ国民として
認め、受け入れていく方針をとっており、山奥の村にも小学校を作り、タイ語
による教育を実施しています。しかし予算、人材、交通のアクセスの事情など
により、平地部の子どもたちの教育環境と比較するとまだまだ不十分で、小学
校すらない村、また校舎はあっても教員が不足している村が多数あります。山
の子どもたちにとっても、今後否応なしにタイ社会と関わりながら生活してい
く以上、最低限の学歴と知識は必要になってきます。しかし所得の低い家庭が
ほとんどという山岳民族の人たちにとって、町の学校に子どもを寄宿させて勉
強させるのはとうてい不可能で、義務教育とうたわれているにもかかわらず、
小学校すら満足に卒業できないでいる子どもも多数いるのが現状です。そのた
め、多くのNGOで山岳民族の子どもたちを対象とした寄宿舎や奨学金などの
教育支援事業が行われています。子どもたちが教育へアクセスする権利を得る
ことにより、タイ人と同じ教育を受け、自分たちの置かれている状況を改善す
る取り組みを自身の手で始めることができると思います。
子どもだけでなく女性も犠牲者になりがちです。女性への支援事業として、収
入向上事業が行われています。具体的には、各山岳民族に伝わる伝統的な刺繍
などの民芸品を作ってもらい、それをNGOが仲介して売るというものです。
彼女たちには民芸品をつくる技術があっても、それを販売するノウハウがあり
ません。そのためにNGOが仲介します。日本国内でもクラフトエイドとして
山岳民族の民芸品を買うことができます。先日行われた国際協力フェスティバ
ルでもクラフトエイドの販売を行っていた団体がありました。
それでは、少しここで話題を変えてみましょう。
山岳民族が住む山の中には、観光開発がされて一般人が入れるものもあります。
以下は、その1つの国立公園についてです。
☆タイの最高峰ドイ・インタノン
車と人が多いタイ北部の都市チェンマイから郊外へ車で1〜2時間走ると、豊
かな自然が広がる山岳地域です。チェンマイの南西にはタイの最高峰であるド
イ・インタノン(標高2565m)があります。ヒマラヤ山系の東の端に位置し、
東西約30km、南北約30kmにわたって山地を形成しています。標高1600m
以上には乾期にも青々と葉を茂らせる山地常緑広葉樹林が発達しています。山
頂部付近の森林は雲より上にあり気温が低く多湿なため、木々や岩はコケに覆
われています。このような森林は、雲霧林あるいはコケ林と呼ばれます。ドイ・
インタノンの一帯は国立公園となっていて400種以上の鳥をはじめ、タイでは
他で見られない植物、昆虫等が棲息しています。
山の頂上まで車で簡単に行くことができます。山頂に至るまでには緑豊かな高
原の風景や、いくつもの滝があります。最も大きいワシラタン滝は落差・水量
ともにかなりあるため、滝の下は絶えず霧のような水しぶきがかかります。滝
の近くはマイナスイオンが発生しているためか、すがすがしい気分になれるそ
うです。山の中腹にある見晴台からは、チェンマイの市街や飛行場が一望でき
ます。山頂近くには国王と王妃のための仏塔がそれぞれ建てられています。ま
た、山頂付近の森林の中に木製の自然遊歩道が完備されており、1時間程度で
ほぼ平坦な遊歩道を散策するネイチャーウォークやバードウォッチングが楽し
めます。中腹にも1周するのに約3時間弱かかる自然遊歩道があって森の中に
入っていけます。ただし空気が薄いことに加え、この遊歩道はアップダウンが
きついので無理なく歩きましょう。
山頂まで車で行けるのであまり高いところに来たという意識はありませんが、
気圧が違うのでちょっと激しく動くと呼吸が荒くなります。注意しましょう。
また、かなり冷え込むので、防寒着を用意しましょう。最低限セーター・ジャ
ンパーは必要です。自然遊歩道は景色がきれいですが、雨がふると滑りやすく
なります。きちんと靴底がしっかりした靴を履いていきましょう。
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【編集後記】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「ブース巡り」は楽しいよ〜。皆さん体験してみてね。(小カズ)
まずは知ることから、ですね。(アツシ)
さっそくチャイを作ってみようかな。(さちこ)
エスニック料理はスパイスが決め手!!(ソノ)
本文では触れませんでしたが、山岳民族における文化保全と地位向上のための
発展(変化)のバランスをどうとるかもかなり難しい問題です。この問題につ
いては、現地のNGOスタッフと話し合ってきましたが、結論は出てません。
読者の皆さんからリクエストがあれば、このことは来月号で書きます。(トリ)
トリちゃんは、ドイ・インタノンでこどもを追っかけて走って酸欠になったら
しいよ☆気をつけよぅ。(まい)
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