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ケア・インターナショナル ジャパン メールマガジン
「読むだけで国際協力」 2009年6月号

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       * 読むだけで国際協力 *  2009年6月号
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┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

■ 今月のPick Up!・・・ 感染症
■ コラム・・・国際天然繊維年

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■□■ 今月のPick Up! ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

感染症

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このところ新型インフルエンザの感染が世界的な広がりを見せています。発生
源と言われているメキシコに続いてアメリカや日本でも一時学校が閉鎖され、
経済活動が停滞するなど、人々の日々の営みにも大きな影響が及んでいます。
世界にはこうした新しい感染症以外にも、人々の暮らしを脅かしてきた感染症
が数多く存在します。今回はこれらの感染症について見ていきます。

▼長きにわたる感染症との戦い
人類はこれまでさまざまな感染症と長きにわたって戦ってきました。中世ヨー
ロッパではペストが大流行し、全人口の三割もの人々の命を奪い、社会全体を
恐怖に陥れました。18世紀の終わりごろになると、天然痘ワクチンが開発され
てその後の各種感染症に対するワクチンの製造につなげるとともに、20世紀に
入るとペニシリンを皮切りに抗生物質が臨床治療に用いられるようになり、革
新的な成功を収めました。そうした流れを受けて、過去には科学者の中でさえ、
感染症は近々克服されるという楽観論も聞かれました。しかし、こうした大き
な進歩にもかかわらず、今日に至ってもいまだに微生物感染症は全世界の死因
の約1/4を占めており、依然として人々に脅威を与え続けています。

▼感染症とは
感染症は、寄生虫、細菌、ウイルスなどの病原体が人または動物の体内に侵
入・増殖することによって引き起こされます。大別すると、インフルエンザ、
マラリア、結核といった伝染性のものと、肺炎などの非伝染性のものに分類さ
れます。伝染性の場合、感染源に直接的または間接的に触れることによる接触
感染のほか、唾液などの飛まつやちり・ほこりを通じた空気感染、飲食物の摂
取による経口感染、節足動物を媒介とした経皮感染など、その感染経路は多岐
にわたります。

現在、三大感染症として貧困層を中心に猛威を振るっているのは、HIV/エイズ、
マラリア、結核で、これらによって、毎年400~500万人もの命が奪われていま
す。また、汚染された水や食品を介して広まるコレラも世界各地で繰り返し流
行しており、昨年から今年にかけてジンバブエで4000人以上の死者を出してい
ます。この他、記憶に新しいところでは、SARS、病原性大腸菌O157感染症、鳥
インフルエンザ、そして今回の新型インフルエンザなど、突発的な感染症によ
る被害も頻発しており、今後も被害の拡大が懸念されています。

▼気候変動や移動手段の発達による感染地域の拡大
感染症が世界中でまん延している原因として、感染経路を絶つことの難しさが
挙げられます。飛行機などによる交通手段の高速化とグローバル化の進展によ
り、人々は地球上をたやすく移動できるようになりました。今回の新型インフ
ルエンザの例でも明らかなように、感染は国から国へとほんの数時間で広がる
可能性があります。

人の他にも、感染症を媒介する節足動物が移動することも懸念されています。
節足動物を介した感染症には、マラリア、デング熱、黄熱病などがありますが、
その中でも特に影響が大きいと考えられているのがマラリアです。『World
Malaria Report 2008』による推定値では、2006年のマラリア罹患者数は全世界
で約2.5億人、死者は5歳未満の子どもを中心に約100万人であり、感染の危険性
がある地域に住む人口は実に33億人にのぼります。マラリアは、ハマダラカと
いう種類の蚊に刺されることによって感染します。ハマダラカは最低気温が一
定以上である熱帯・亜熱帯地域に生息していますが、地球温暖化が進むにつれ
て生息可能地域がさらに広がることが懸念されています。

実際に新しい地域への感染症が拡大した例として、1999年にニューヨークで突
然発生し、7人の命を奪ったウエストナイル熱があります。それまで、ウエスト
ナイル熱はアフリカ、アジア、ヨーロッパなどで報告されていましたが、アメ
リカ大陸では発生が確認されていませんでした。この感染症は蚊を媒介とする
ことから、ウイルスを持った蚊が航空機に紛れ込んで上陸した可能性や増幅動
物である野鳥によって持ち込まれた可能性などが疑われています。アメリカで
は2000年以降も継続して患者が報告され、年によっては死者が200人を超えるな
ど、完全に定着した形となっています。

▼封じ込めに向けて
ポリオや麻疹のようにワクチンが開発されているものについては、予防接種に
よって、病原体の感染による影響を防いだり和らげたりすることができます。
ワクチンがない場合は抗菌剤が有効であるものもあります。抗菌剤は使用を続
けると耐性を獲得した病原体が出現することが問題になっていますが、それで
も病原体である細菌を押さえ込むために欠かせない存在となっています。もっ
とも、たとえ有効な治療薬が開発されても、貧しい人々に行き届かなければ被
害の拡大を防ぐことはできません。現在、各種の感染症による死者がとりわけ
貧困層で多いのは、経済的な理由で薬剤の入手や予防措置が事実上困難である
ためであり、そうした点にも目を向ける必要があります。

感染症は、人類全体に対する脅威です。病原体の移動に国境はないため、封じ
込めるうえでは、世界保健機関(WHO)を中心とした各国による国際的な協力関
係が不可欠です。突発的な感染症が発生した場合には、感染症発生地域からの
迅速な情報提供があり、それに対して世界保健機関(WHO)や各国の政府・研究
機関が協力して対策を練ることで被害を最小限に食い止めることが可能になり
ます。実際にSARS発生の際には、世界保健機関(WHO)を中心としたネットワー
クが機能して各国の研究者が協力したことにより、極めて短期間でウイルスの
封じ込めに成功しました。

既に広くまん延している感染症の場合には、長期的視野に立った対策も必要で
す。HIV/エイズのように、正しい知識を身に付けることで高い予防効果が見込
める感染症もあります。そうした感染症に対しては、NGOなどの支援を得ながら
地域住民が中心となって知識を深め、無知による感染を減らす取り組みを続け
ていく必要があります。

最後に、今回の新型インフルエンザでも明らかであったように、たとえ同じ感
染症であっても、それに対する免疫力や抵抗力は人それぞれです。たとえ自分
が感染した後に重症化しなくても、他の人にとっては感染が致命的になる場合
があります。そうした点にも気を配りながら、各人は自身が感染しないように
必要な予防策を実践することが大切です。そうすることで、結果的に家族や周
りの人、そして社会全体を感染症による被害から守ることにつながるのではな
いでしょうか。

【CARE:HIV/エイズ治療および予防プログラム ~モザンビーク】

【CARE:食糧配給時にコレラ感染の拡大を防ぐための緊急措置】

【参考文献】
世界保健機関(WHO)- World Malaria Report 2008
http://www.who.int/malaria/wmr2008/
『よみがえる感染症』竹田 美文(岩波書店)
『感染症ワールド』町田 和彦(早稲田大学出版部)
『グローバル時代の感染症』竹内 勤・中谷 比呂樹 編著(慶應義塾大学出版
会)

(担当:アツシ)
今回のように新しい感染症はいつ発生するかわからないので、マスクの用意や
食糧の備蓄など、普段からできる対策はとっておきたいと思います。


■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

国際天然繊維年

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日に日に暑さをまし、綿や麻などが肌に心地よい季節になりました。天然繊維
は衣類の原料に限らず、寝具や車の部品などにも使用され、私たちの日常生活
のあらゆる場面で活躍しています。国連は国際連合食糧農業機関(FAO)の提案
を受けて、2009年を「国際天然繊維年」と制定しました。コラムでは、国際協
力においても注目されている天然繊維について触れてみたいと思います。

現在、動植物を由来とする天然繊維は世界各地で年間3500万トン生産されてい
ます。天然繊維はバングラデシュや西ベンガル地方で生産される黄麻などの地
域特有のものから、コットン(木綿)などポピュラーなものまで多種にわたり、
カシミアやアルパカ、キャメルなども含まれます。ダニやカビに強いココナッ
ツ繊維はマットレスに使用され、抗菌作用の高い麻繊維は病院の寝具に最も適
切であると言われています。このように様々な性質と用途を持つ天然繊維の歴
史は長く、メキシコやパキスタンでは紀元前5000年頃の綿製品、中国では約紀
元前27世紀のシルクが発掘されています。そして、天然繊維製品、とりわけシ
ルクは何世紀にもわたり国際貿易の発展に貢献してきました。

しかし、近年、低価格で大量生産が可能な化学繊維の普及により天然繊維の需
要は減少傾向にあり、また、現在の天然繊維生産業が及ぼす人の健康と環境へ
の影響も懸念されています。世界で使用される繊維の大半を占めるコットンを
例に挙げてみましょう。

コットンは約80カ国で生産されており、その多くが西及び中央アフリカ諸国、
インド、バングラデシュ、中国、そしてアンデス地方の小規模農園農民によっ
て生産されています。「ナチュラル」なイメージが強いコットンですが、害虫
の被害を受けやすく、害虫駆除や収穫作業効率化のために、除草剤などの強度
の農薬や化学肥料が栽培過程で大量に使用されています。世界で使用される農
薬の11%、そして殺虫剤の24%が綿畑で使用されていると報告されています。

収穫されるコットンに残留する農薬は微量であると言われていますが、農薬や
肥料に含まれる有毒物質は生産者の健康や生命、そして栽培地域の環境や生態
系に多大な被害を及ぼしています。農薬や化学肥料は、使用された土地だけで
なく、その土壌中に生息するミミズなどの微生物や昆虫類、そしてそのミミズ
を食する鳥までを汚染しているのです。そして、約7割の綿栽培は灌漑(かんが
い)用水を使用しており、地下水や飲料水への影響も懸念されています。また、
低所得の農民にとって、高価な石油系農薬は貧困の循環を招く一因ともなって
います。

天然繊維は本来健康的で高性能であり、リサイクルにも適しています。また、
カーボンニュートラルであるため土壌中で分解可能なので、持続的な作物でも
あります。天然繊維産業に関わる人々の生活向上を目標として、世界各地で多
くのNGO団体などが地域住民と繊維の有機栽培方法開発や、オーガニックコット
ンの普及活動、そして繊維製品を適正価格で取引するフェアトレード斡旋(あ
っせん)などに取り組んでいます。有機農法で栽培されたコットンの品質と収
穫高は、一般的な方法で栽培されたコットンのそれらと同等もしくはそれ以上
であると報告されています。そして、有機栽培法は生物特有の健康なエコシス
テムを活性化し、土や水などの環境を整える効果もあります。また、生産者の
健康や環境に配慮するという面から、オーガニックコットン製品を生産し販売
する企業も見受けられるようになりました。有機栽培のコストは割高になりが
ちですが、技術と知識を広めていくことは、需要の増加にもつながるのではな
いでしょうか。地域社会に根ざした安全で持続可能な天然繊維産業を支援する
ことは、地域の雇用と経済の安定、そして貧困の削減と根絶につながると期待
されています。

【参考ウェブサイト】
国際天然繊維年
http://www.naturalfibres2009.org/ja/index.html
日本オーガニックコットン協会
http://www.joca.gr.jp/

(担当:たみこ)
身近に触れている天然繊維ですが、まっさらな自然の状態を見た経験がないの
で、ぜひコットン畑を見学してみたいと思います。


★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
*新しい植物をもらいました。ウンベラータというそうです。ちなみに前のは
枯れました。。(アツシ)
*最近はやりのランニングを始めましたが、梅雨を言い訳に早くも挫折気味で
す。(たみこ)
*最近「仲良きことは美しきかな」を実感する光景を目にしました。(mix)

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