寄付で支援する はじめての方へ
Facebook
Twitter
Instagram

アフガニスタン政変から1年:成果レポートが届きました ―健康、経済的エンパワメント、生計、ジェンダーに基づく暴力からの保護、教育を支援

この20年間、アフガニスタンの女性たちは、それまでの状況を打破し、自立への道筋を示してきました。その一方で、2021年8月に起きた事実上の政権による支配を受け、女性と女子の状況は急速に変化し、その権利と機会、立場、発言、社会活動への参加はますます制限されるようになっています。

このような厳しい状況にもかかわらず、CAREは、女性に焦点をあてた組織として、迅速に資源を動員し、同国の女性と女子のニーズに対応し続けました。CAREは、緊急対応戦略を迅速に文脈化し、女性と女子が対応の中心であり続けることを補強し合う、2つの様式を実行に移しました。それは、女性や女子から直接すくい上げたニーズに対応し、CARE独自のモデルを用いて彼女らの社会的立場を維持し続ける能力を構築することです。現時点でも、CAREは、女性や女子に不利益を与えないように、状況に応じたアプローチを用いながら、彼女らの相談を受け続け、健康、経済的エンパワメント、生計、ジェンダーに基づく暴力(以下、GBV)からの保護、教育といった分野への介入を通じて支援をしています。2021年7月1日から2022年6月30日の間に、CAREは、アフガニスタンにおける人道的対応を通じて、366,472人のアフガニスタンの女性や女子に対して、社会的、経済的、人道的支援を行いました。


1. 評価と登録

CAREは、きわめてジェンダーバランスのとれたチームを編成し、女性が世帯主である世帯や、最も弱い立場にある女性たちを特定して、現金支給および女性が指導的立場に立つことをサポートしました。当初、当局は、 CAREに女性の在宅勤務を認めないよう要請しましたが、CAREは女性従業員とともに業務再開を提唱し、これを認めさせました。CAREの登録チームは、男女の受益者からのデータ収集を最適化するため、男女混合のメンバーで構成されました。また、受益者登録や物資配布には、女性の有給非正規労働者やデータ入力オペレーターが参加しました。


2. 人道的支援-プライマリーヘルスと性と生殖に関する健康(以下SRHR)

アフガニスタンにおけるCAREの長年の活動により、特に緊急事態において、女性や女子が医療を受けにくいという問題に対して、モバイルヘルスチームは、質の高い、効果的な解決策を提供しています。SRHRに特化した医療を受けにくいという課題を克服するために、CAREは、「プライマリーヘルスケア」の独自の保健モデルで対応しました。モバイルヘルスチームのメンバーとの最初の面談で、SRHRに関連する問題が特定され、振り分けが行われます。プライマリーヘルスと、SRHRサービスを通じて、CAREは、合計135,436人の女性と女子に、妊婦のための産前・産後ケアと出産サービス、出産準備と病院出産の促進、家族計画のカウンセリングとサービス(短期型、および長時間作用型避妊法の紹介)、栄養啓発、カウンセリング、生理用品などの尊厳を保つための日用品の配布、GBV対応、栄養失調の女性への支援、合併症患者の上位医療施設への紹介などのサービスを提供しています。

*プライマリーヘルスケアとは、すべての人にとって健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念のこと。


3. GBV への対応(現在、現地では「女性の健康問題」として扱われています)

CAREのGBVへの対応には、ケースの特定、初期評価、GBV被害者への応急医療および心理社会的サポートの提供、より高いレベルの医療施設へのケースの紹介が含まれます。2021年8月以降、CAREは、1,872人のGBV被害者と女性に、生活支援、啓発、生理用品などの尊厳を保つための日用品の配布などの支援を行いました。


4. 人道的支援-緊急時の食料品以外の品物(以下、NFI)と現金ベースの活動:

女性と女子の自立支援と同時に、人道支援における選択肢を増やすため、CAREは、主にNFIと生計対応において現金ベースでの対応にシフトしてきました。これまでCAREが支援を行った27,144世帯(190,008人)のうち、19,000世帯(133,000人、70%)は女性が世帯主の世帯です。


5. 農業/生活

CAREは、独立した女性の草の根組織であるカブール女性協会と協力し、調整体制の構築、指導や技術支援を通じて、現在のような状況の中でも何とか活動を継続することができました。現場レベルでは、農業や生計のための介入など様々な場面で女性たちとともに活動を行っています。体系的なアプローチを通じて、村の貯蓄貸付組合について女性にトレーニングを行ったり、作物や野菜の生産、収入を得るための活動や管理、女性の生産者の組合を設立する方法などを指導したりしています。また、女性世帯主やその家族に、農作物の付加価値化(トマトペースト、ヨーグルトなど)も教えています。農業と生計への介入を通じて、CAREは、35,054人の女性と女子が手に職を得ることを支援しました。


5.	農業/生活

6. 教育

CAREは、カブール州とホースト州で、奨学金プログラムを通じて女性を支援しています。177人の女子学生(ホースト州125人、カブール州52人)に授業料、交通費、文房具、教科書代などを提供しています。また、810名の中等教育を受ける女子と30名の女性教師に対して、遠隔または自宅学習を通して支援しています。CAREは、コミュニティベースの初等教育で37,420人、中等教育で2,774人、幼児教育で864人の女子を支援していますが、これらのプログラムは寄付者の懸念により保留されています。


7. パートナーシップと地域化 - 女性が主導する組織との協働

活動の成果と範囲を拡大するために、CAREは、女性主導の組織や団体を中心にパートナーを増やしてきました。CAREは、最近、4つの女性主導の市民社会団体と新たに手を結びました。これにより、CAREは現在6つの市民社会組織と連携しており、そのうち5つは女性主導の組織になりました。パートナーは、アフガニスタンのための開発と人道的サービス(DHSA)、女性と子どもの法的研究財団(WCLRF)、カンダハールのためのアフガニスタン社会法律組織(ASLO)、バルークのためのアフガン女性社会サービス(SSAWO)、ヘラートのための女性活動&社会サービス協会(WASSA)、アフガン女性リソースセンター(AWRC)です。
7.	パートナーシップと地域化 - 女性が主導する組織との協働

8. CAREの年間支援数-分野別

厳しい状況にもかかわらず、アフガニスタンにおけるCAREの成果は大きく、2021年7月から2022年6月の間に、私たちのプログラムは、366,472人の女性と女子を含む552,847人のアフガニスタン人の生活に目に見える改善をもたらしました。女性・女子へのリーチに関するCAREの成果は、以下の通りです。

8.	CAREの年間支援数-分野別

CAREの質の高いプログラムは、ジェンダー平等、保護、GBV 対応、緊急事態や紛争への配慮を含む平等といった横断的テーマを統合しています。CAREは、すべての技術部門において、ジェンダーと多様性が根底にあります。プログラムは、徹底した迅速なジェンダー分析と社会規範分析に基づいており、緊急時を含め、差別やジェンダー平等・公平の欠如をもたらす根本的な要因を特定し、それに対処しています。


セクターの代表と調整

CAREは、ジェンダー、保健、保護、気候変動、緊急時の教育、水と衛生、啓発などのセクターやワーキンググループで活動しています。CAREの対応は、一貫性と補完性を確保するため、国レベルの人道対応計画、NFI/シェルター、食料安全保障と農業、保護/GBV、セクターおよび現金とバウチャーのワーキンググループの活動と連携しています。


透明性

CAREは、コミュニティからのフィードバックを収集し、プログラム設計に取り入れることで、参加者が自分たちを対象とした支援に対する主体性を高められるようにします。CAREは、関連するステークホルダーや国内外のNGOパートナーをプログラムの企画に参加させ、技術的アプローチ、受益者のターゲティング、モニタリング、評価に関する調整を行っています。CAREにはジェンダーに配慮したスタッフが管理するホットラインとフィードバックメールがあり、すべてのステークホルダーがCAREにフィードバックや苦情を提供できるようになっています。CAREは、プロジェクトの実施を継続するために、情報管理および遠隔モニタリングを行う体制を有しています。必要であれば、CAREはこれらのガイドラインを共有することができます。私たちは、最も脆弱な人々、特に女性や女子へ能力開発、回復力強化、自立支援といったサービス提供のプログラムや研究を基にした、学習と革新を活用しています。


リスクとセキュリティの管理

CAREアフガニスタンは、定期的にリスク評価を実施し、許容できるリスクレベルを確保し、急速に変化する状況の中で必要なリスク軽減策を実施するようにしています。緊急時対応については、コミュニティ、セクター、ドナーの戦略的重点分野に応じて、場所やセクターを最終的に選択し、現行の緊急時対応計画を準備・適応させる予定です。


関連情報

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careintjp.org
ニュース一覧に戻る

最新のニュース

  • 東京レガシーハーフマラソン2024 チャリティに参加します!

    東京レガシーハーフマラソン2024 チャリティに参加します

  • ガザ:戦闘開始から半年、高齢者と子どもたちは病と飢えに苦しみ、死と隣り合わせに

    ガザ:戦闘開始から半年、高齢者と子どもたちは病と飢えに苦しみ、死と隣り合わせに

  • 事業部 東ティモール駐在事業統括者を募集します

    【急募】事業部 東ティモール駐在事業統括者を募集します

  • 4月、株式会社クニエ様のクリック募金「One Click for Smile」にご参加ください

    4月、株式会社クニエ様のクリック募金「One Click for Smile」にご参加ください

  • ガザ情勢:CAREを含む国際NGOは、国連加盟国に国連パレスチナ救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の再開を要請しています

    ガザ情勢:CAREを含む国際NGOは、国連加盟国に国連パレスチナ救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の再開を要請します

あなたのチカラで
女性と女子を支える

最も弱い立場におかれた女性と女子に支援を
届けるために、あなたのサポートが必要です。
月1,000円からのサポーターになりませんか?

寄付について詳しく知る

©︎Juozas Cernius/CARE