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タイ:理数系教育を通じたリーダーシップ育成事業(第2期)報告

2017年4月から2期にわたり、日産自動車(株)のご支援のもと同社工場があるサムットプラカーン県を含む3県において実施してきた本事業が、最終年度を迎えています。タイでは、隣国からの移民が多い地域の子どもたちの学習環境は厳しく、中学・高校を卒業した後の職業選択も極めて限定され、貧困に陥りやすい状況です。

このような中、当財団は、在校生を対象に、課外活動として様々な研修や起業体験活動の機会を提供し、ライフスキルやリーダーシップの育成、また職能訓練を行っています。さらに、現代社会を生き抜くために必要なジェンダー意識や身近な社会課題への理解と対応スキルの習得に向けても、多様な取り組みを行っています。

STEM*キャンプを通じた環境理解学習

複数の学校が合同で参加する形で、タイで深刻な環境問題の1つ「大気汚染」について考える参加型キャンプを開催。地球規模の課題への理解を深める全体セッションを行った後、生徒たちは小グループに分かれて、PM2.5除去を目的とした集塵装置制作のワークショップに参加しました。様々な種類のフィルターを試して最善の素材を選び、実際に簡易的な装置を制作。最後にグループごとに自作装置の集塵機能を試す実験を行いました。
*STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉。

STEM*キャンプを通じた環境理解学習

▲人体に影響を与える確率は?PM2.5粉塵量による様々な影響を算出するための実験中



電気自動車を通じた革新的取り組みを“体験”

昨年11月には、タイ日産が運営する体験施設「Nissan Electrification Experience Center」への訪問が実現。STEMが実社会で活かされている現場を視察しました。社員の皆さまから、同社の環境負荷低減に向けたミッションのほか、石油消費を減らし気候変動や大気汚染問題に対処するカギとなる電気自動車の仕組みや製品開発のお話などを直接うかがう貴重な機会となりました。交通手段としてだけではなく、蓄電池としての利用もでき、家庭での消費電力を賄うと同時に、災害時などライフラインが途絶えた際には電力供給源にもなるという説明を聞き、身近な生活や未来を変える技術の力に、目を輝かせました。

電気自動車を通じた革新的取り組みを“体験”

▲緊張気味にタイ日産社員の方のお話を聞く生徒たち。充電完了後には、電気自動車への試乗体験も!

企業体験活動を支える教師向けに新規研修を実施

本事業の活動の柱は、様々な研修受講後に集大成として行われる職業体験活動です。今年度も15校の生徒たちが、グループごとに商品企画から製造、販売まで一連の活動を実践しています。これらの活動には、CAREからのノウハウや資金的な支援のほか、各校の教師らのサポートが不可欠です。続くコロナ禍で重要性が増すオンラインを活用した商品販促・PRについて習得すべく、今年は教師向け研修としてメディア・プロダクション研修を初開催。3県から35名が参加しました。座学と実践の2日間に及ぶ研修では、タイ日産社員様によるマーケティング研修ほか映像制作についても学び、実際に5つの商品プロモーションビデオの制作を行いました。

企業体験活動を支える教師向けに新規研修を実施

▲実際にマーケットに赴き、土産物の撮影をする教師

関連情報

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careintjp.org
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