CAREのアドボカシー活動
▲C7 政策提言書を山田外務副大臣に手交
ケア・インターナショナル(CARE)の重要な活動のひとつにアドボカシーがあります。アドボカシーとは、国際協力を行うNGOの立場から、社会的弱者の人権保護、ジェンダー平等、地球環境問題、保健医療など広範な分野での課題解決のための政策提言活動を行うことをいいます。
当財団はこれまで、主にCAREの各メンバー国と連携してアドボカシーを行ってきましたが、今号ではそのうち2つの分野での活動をご紹介します。
ひとつは、国連に関連した日本政府に対するアドボカシーです。CAREは国連の様々な組織に対するアドボカシーを行っていますが、日本が2023~2024年の2年にわたり国連安全保障理事会(安保理)の非常任理事国に就任したことから、特に安保理に関わるアドボカシーにおいて当財団が果たす役割に強い期待を寄せています。今年に入り、私たちは、
(1)国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の旧来の条件通りでの1年間延長
(2)トルコ・シリア地震に対する支援金が特にシリア北西部で活動するNGOに届くような追加的資金援助
の2点につき、CAREを含む主要な国際NGOの総意として日本国外務省に対して要望書を提出しました。(1)については、既にこの要望に添う内容での決議が安保理において行われています。
もうひとつは、5月に開催された「G7広島サミット」に対するアドボカシーです。私たちは日本が議長国となるこのサミットが当財団にとり重要なアドボカシーの機会であると考え、CAREのアドボカシーワーキンググループと連携をして取り組みました。G7に対しては、NGOほか多数の市民社会組織により構成されるC7(Civil Society 7)という連合体が中心となって提言が作成されることとなったため、当財団もC7の作業部会に参加しました。そして、様々な分野のうちCAREにとって優先順位が高い「人道支援と紛争」についての提言をC7に提示しました。CAREの主張を含むC7の提言は、「C7コミュニケ」として4月13日に東京で開催されたC7サミットにおいて、山田賢司外務副大臣に手渡されました。
アドボカシー活動が、CAREの目指す包摂的で公正な世界の実現に加え、日本における当財団の認知度を高める上でも重要との認識に立ち、今後とも機会ある毎に意義ある提言を行って参りたいと考えています。
(事務局長 河﨑 卓)
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