CAREは「黒海穀物イニシアティブ」の復活をすべての当事者に要請します
今般、ロシアがウクライナとの「黒海イニシアティブ」の合意の不履行を決定したことを、CAREは非常に憂慮しています。このイニシアティブは、穀物や物資の安全な航路を提供するためのものであり、ウクライナからアフリカの角まで、食糧不安に苦しむ何百万もの人々にとって生命線となってきました。CAREは、すべての当事者に対し、合意を順守し、代替策を見いだし、同イニシアティブの崩壊が及ぼす影響を緩和するために交渉のテーブルにつくことを強く求めます。世界で最も飢えている人々への影響を悪化させないためには、すべての関係者によるリーダーシップと真のコミットメントが不可欠です。
「私たちは黒海取引の停止を深く憂慮しています。この停止は、世界の貧困層、特に女性や家族に多大な悪影響を及ぼし、食糧不安を増大させるでしょう。この合意は、黒海の港からの穀物輸出を可能にし、深刻な世界的食糧危機を緩和してきました。穀物供給の中断は、これらの輸入に依存している中東と北アフリカの経済的に脆弱な国々に衝撃を与え、何百万人もの人々に甚大な影響を与える世界的な食糧価格の不安定化を引き起こすでしょう」と、CARE USAのミシェル・ナン会長は力を込めます。
CARE USAの食糧システム担当の次席であるフアン・エチャノベは、いいます。「特に小麦、トウモロコシ、大麦、ヒマワリ油などの重要品目や、農業生産に不可欠な肥料にとって、ウクライナとロシアは世界有数の穀倉地帯です。この取り決めによって、戦時にもかかわらずウクライナから3,000万トン以上の食糧が出荷されています。困窮している国々の何百万人もの人々、特に難民や超貧困層は、これらの物資に依存しています。この合意がなければ、食糧価格が高騰し、ソマリアやイエメン、レバノンなどで貧困と飢餓が拡大する危険性があります。肥料へのアクセス不足は、アフリカやその他の地域の何百万もの小規模生産者、特に女性農家にも打撃を与え、収穫量に影響を与え、彼ら・彼女らの家族や地域社会を危険にさらすでしょう」
■世界の食糧危機、2008年と2022年の比較:報告書は飢餓と資金調達の格差を明らかに(2023年6月8日)
■ウクライナ産穀物の輸出再開:「黒海イニシアティブ」は世界的な飢餓危機への取り組みの始まりにすぎません(2022年8月3日)
■紛争・自然災害への対応
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