ガザ情勢:衝突激化から100日、暗闇と破壊の日々 ー妊産婦とリプロダクティブ・ヘルスへの取り組みが急務となっています
2023年10月7日の攻撃と、想像を絶する破壊と民間人の犠牲をもたらした壊滅的な紛争から100日が経過し、CAREは、ガザで深刻な飢餓が深刻化し、妊婦、若い母親、新生児が直面している破滅的で生命を脅かす状況を憂慮しています。ガザの病院の60パーセントが機能停止し、残った病院も部分的にしか機能していないため、女性たちは医療支援も受けられず、過密で不衛生な避難所での出産を余儀なくされるケースが増えています。
「陣痛中に女性をサポートする医師、助産師、看護師はいません。女性が出産する際には、鎮痛剤も麻酔も衛生資材もありません」と、CAREの中東・北アフリカ地域副代表代行を務めるヒバ・ティビはいいます。 「出産に耐えられるのだろうか。子どもは助かるのだろうか。他の子どもたちはどうなるのだろうか。これらの問いは、ガザの妊婦や若い母親たちが、この100日間、終わりの見えない現実的な危険に直面していることを示しています」
2024年1月14日は、紛争激化から100日目にあたります。この間、約17,000人の女性が恐ろしい状況で出産しています。女性と子どもが死亡したり、深刻なダメージを受けたりする可能性のある出産や、敗血症、膣裂傷などの事例が報告されるようになっています。出産、外傷、救急医療サービスは非常に限られています。さらに、少なくとも310人の医療スタッフの死亡、医療施設に対する何百回もの攻撃、物資の不足が、すでに不可能な状況をさらに悪化させています。ガザ北部では、未熟児を生かすために必要な保育器がまだ50台しか稼働しておらず、電力不足のため、そのような救命機器の使用も制限されています。
「妊婦たちは、戦争による合併症や栄養失調、病気の流行に怯えているといいます。現在も続くトラウマや愛する人を失ったショックから、陣痛が早まることを恐れているのです。何か問題が起きても助けがないことを知っているのです。何千人もの妊婦が受けている心理的・生理的ストレスは耐え難いものであり、若い母親とその子どもたちの世代全体に影響を与え続けるでしょう」
2023年10月の軍事衝突の開始以降以来、妊産婦と乳幼児の死亡数は更新されていません。その一方で、妊婦の40パーセントがハイリスクであると推定され、36の病院のうち15しかまだ稼働しておらず、定員の250%で埋まっています。
「スタッフやパートナー団体によると、出産を生き延びられない女性がいます。必要な医療支援を受けられないため、未熟児が死亡したり、障がいを抱えたまま生きなければならなくなったりしています。100日間の衝突激化は暗闇と破壊をもたらし、特に母親と子どもたちの苦しみは想像を絶するものです。赤ちゃんを授かるという喜びは、母親と赤ちゃんが直面している多くの危険を考えると、恐怖と絶望に覆われているのです」
栄養失調、寒さ、安全な水の不足、劣悪な衛生状態は、女性と子どもの命にさらなるリスクをもたらしています。彼ら・彼女らは安全ではない水を飲むことを余儀なくされており、特に妊婦や若い母親、小さな子どもといった弱い立場におかれた人々にとって、脱水症状や水に起因する感染症が脅威となっています。
CAREは、4世帯に1世帯が飢餓に直面している状況において、即時停戦、すべての人質の解放、そしてガザのパレスチナ人、特に女性と子どもたちの医療、食糧、水、その他の基本的な生活必需品へのアクセスを確保するための緊急行動を改めて求めます。国際社会は、深刻化する人道的大惨事を回避するために、迅速に行動しなければなりません。
衝突激化して以来、ガザのCAREチームは、91,000人以上の脆弱な避難民に衛生キット、毛布やマットレスなどのシェルター用品、飲料水を配布することができました。CAREはまた、3万人以上の人々に、薬、医療品、一次医療サービスなどの医療支援を行いました。
©︎Juozas Cernius/CARE
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