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「ガザ人道危機緊急支援募金」へのご協力のお願い


CARE「ガザで最も危険にさらされている人々のために5,000万ドルが必要」

2023年10月、中東・パレスチナのガザ地区で激化した紛争は、今、この瞬間にも絶え間なく続いており、2024年8月現在において、推定死者数は4万人を超えたとされています。さらに、ガザ地区の84パーセントに対して避難命令が出されている状況のなか、避難民については170万人に達したと推定されます。この数は、ガザの人口の75パーセントに相当し、その多くは繰り返し頻繁に避難を強いられています。

全県では、推定120万人が過密なキャンプや集団居住センターで暮らし、その数は日々変化しています。合計220万人もの人々が緊急的な人道支援を必要としています。

人道支援局長が見たガザの現状







▲未熟児の三つ子とテントで暮らすヤスミーン・クワイターさん

被害は、女性や子どもたちへと広がっています。紛争下において、新生児と母親ほど脆弱な存在はありません。ガザには推定5万人の妊婦が暮らし、毎日およそ180人が出産。その多くは適切な医療支援や鎮痛剤すらないような原始的な状況下での出産を余儀なくされています。避難先のテントでの緊急出産も報告されています。
紛争が始まって以来、妊婦が流産する確率は3倍まで増加。また、仮に妊娠しても、出産で死亡する確率が3倍になったと報告されています。

度重なる避難、治安の悪化、医療施設への攻撃、安価な交通手段や救急車の不足などにより、出産前の健診や安全な出産は、ますます難しくなっています。総合的な緊急産科・新生児医療は、わずか11の病院と野戦病院でしか受けられず、深刻な燃料不足が保育器やその他の重要な医療機器の機能を妨げています。

また、早産や低体重児の増加が報告されるなか、水不足や妊婦用医薬品不足によって、妊娠中や授乳中の女性は大きな危険にさらされています。そして、絶え間ない食糧危機が、状況を悪化させています。生後6か月から23か月の子どもの96パーセント以上が、推奨される栄養所要量を満たしていません。また、推定30,000人の妊婦が急性レベルの飢餓に直面しており、10,000人以上が飢餓寸前、7,000人近くが飢餓状態にあります。

[1] CARE International U.K. Birth Under Bombs: 9 months of hell in Gaza.2024年7月8日
[2] 国連人道問題調整事務所、人道状況アップデート第191号、ガザ地区。



CAREは安全な分娩室、医薬品、医療スタッフを備えた診療所を設立

私たちCAREは、このような妊産婦と新生児の健康危機に緊急的に対処するため、基礎的保健医療サービスを提供しています。

例えば、2024年7月に開設した診療所の1つには、日々300人以上の患者が訪れています。他にも、移動診療所を通じた支援、妊産婦と新生児のためのキットの配布、必要な医療機器や医薬品の提供などを行い、これまでに18万3,000人以上の人々に対して、医療支援を提供してきました。

しかし、さらに多くの支援が必要です。


慢性的な飢餓に加え、人々は絶え間ない人道的危機に直面


人口移動と移住
推定170万人の人々が避難を余儀なくされ、なかには9回、10回と避難を繰り返している人もいます。避難命令や敵対行為の激化により、2024年7月22日から27日の間だけでも、20万人以上が新たに避難を余儀なくされたと言われています。

保健衛生危機

避難所の深刻な過密状態の中、水や衛生設備へのアクセスが制限されているため、特に子どもたちの間で感染症や皮膚感染症が蔓延し続けています。国連は、およそ100万件の急性呼吸器感染症、57万7,000件の急性水様性下痢症、10万7,000件の急性黄疸症候群、1万2,000件の血性下痢症、数百件の流行性耳下腺炎(おたふく風邪)と髄膜炎の疑い例を記録しています。

また、下水からウイルスが検出されたことから、ポリオの感染流行に対する懸念が高まっています。ガザでのポリオ・ワクチン接種率は99パーセントから86パーセントに低下しており、ポリオ撲滅に向けた世界的な努力が後退する可能性があります。

教育危機
ガザにある学校の校舎の85パーセント近く(564校中477校)が直接攻撃や被害を受けており、再建や大規模な修復が必要となっています。これは、52万5,000人の生徒と1万9,000人以上の教員、つまりガザの全生徒数と教職員のおよそ85パーセントにも影響が及ぶ事態です。安定した教育環境の欠如は、避難やトラウマに直面した子どもたちの精神衛生にも深刻な脅威をもたらすことが懸念されます。

生活の崩壊
農家は、種子、肥料ほか、現金や金融サービスへの安定したアクセスができず、これが地元の食糧生産に壊滅的な打撃を与えています。小規模な園芸を含む農業活動のほとんどが停止し、今なお軍事作戦が続いているため、温室なども損壊され、人々は農場を放置せざるを得なくなっています。多くの農家は次の農繁期を逃し、壊滅的な打撃を受ける恐れがあります。加えて、調理用ガスが不足しているため、避難民の家庭は薪やプラスチックを燃やすことに頼らざるを得ず、適切な調理が妨げられ、健康リスクや環境問題が悪化しています。



極めて危険で困難ななかでも、一筋の希望を信じて支援の手を止めない

ガザでの人道支援活動は、依然として極めて困難で甚大な危険を伴います。現地の援助従事者は、直接攻撃を受ける危険と常に隣り合わせにいます。そして、移動制限と国境閉鎖のために、度々、援助物資は交差点に山積みにされ、燃料不足のために援助車両は運行を停止しせざるを得ない状況です。

それでもなお、ガザにいるCAREのチームは、圧倒的な支援ニーズに対応するため、たゆまぬ努力を続けています。私たちは、ヘルスケア、安全な水と衛生設備、シェルター、社会的弱者の保護といった分野で、これまで66万5,000人以上の人々に必要な支援を提供してきました(2024年8月現在)。


現在の支援活動と進行中の計画は、以下の通りです。

水・衛生設備、衛生
第1段階:
 • ボトル入り飲料水の配布
 • 緊急衛生キットと基本的な日用品等の配布
第2段階:
 • 配水サービス(水上トラック輸送)
 • 貯水用プラスチックタンクを各家庭に提供
 • 固形廃棄物の収集や浄化槽の汚泥除去などの衛生サービス
第3段階:
 • 地下水井戸、ポンプ場、海水淡水化プラントの修復
 • 貯水池、トイレ、入浴施設など、家庭用および共同用の水・衛生設備の復旧
 • 農場内の灌漑ネットワークの修復

シェルターと緊急物資
 • プライバシーのための間仕切りなど、避難所での基本的な安全を確保するための資機材提供
 • テント、仮設シェルター資材、軽微な被害を受けた住宅を密閉するための資材提供
 • ガスコンロ、ソーラーランプ/サーチライト、寝具、台所用品、洗濯セットなどの家庭用品の提供

保健医療
 • 特にリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に重点を置き、緊急用医薬品、消耗品、備品の提供を含む医療施設への支援
 • 現地パートナーによって運営されている6つの移動診療所の運営支援。アウトリーチ・チームは、それぞれ医師、看護師、心のケア支援ワーカーで構成され、基礎的保健医療相談、産前・産後ケア、家族計画などのリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供
 • 子どもたちや保護者向けに作られたヘルス・キット、妊娠中の母親や乳幼児向けの物資、救急箱、子ども向けレクリエーション・セットの配布
 • 感染症や非感染症、母子保健、心のケア支援、応急処置などをテーマとした、地域保健相談員による啓発セッションの開催

保護
 • 女性、女子、高齢者のために特別に用意された、年齢や性別に特化した尊厳キットの配布
 • 性的暴力やジェンダーに基づく暴力の防止などに関する啓発活動
 • 女性、男性、女子、男子の経験を理解し、CAREと人道支援コミュニティが具体的なニーズにどのように対応できるかを特定するための、迅速ジェンダー分析を実施
 • ジェンダーおよび保護に関する現地パートナー職員を対象とした能力開発






あなたからのご寄付は、紛争により家を失った人々への支援に

もともとガザは極端な冬の気候ではないものの、大洪水、高湿度、強風など雨の日が多いことで知られています。これからの冬に向けては、より気温の低い日々が増えるとともに、降雨量もより不規則になることが予想されます。

適切な避難所や仮設住宅を暖めるエネルギーの不足は、今後、多くの世帯が直面するさらなる課題となっていくことは間違いありません。避難所で暮らす世帯は、風雨にさらされても耐えられる装備が圧倒的に不足しており、避難用のテントにおいてはその場しのぎのものが多く、老朽化しており、風雨に耐えられない状態です。先を見据えた対応や準備が、ガザの人々の命を救うためにますます重要になっていきます。

CAREの活動を通じて、紛争のなかで、今を生きることが困難な人々へのご支援を、どうぞよろしくお願いします。

皆さまからのご寄付により、例えば、以下のような形で、家を追われ戦火の中で避難生活を強いられる家族を支援することができます。(1ドル=145円換算)

23,000円          毛布、マットレス、枕、シーツのセット
13,000円          ハサミ、体温計、包帯、消毒液などが入った救急箱

その他、タオル、石けん、シャンプー、歯ブラシ、歯磨き粉、消毒薬、スポンジ、つめ切り、紙おむつ、下着、生理用品、ゴミ袋などを含む衛生キット など



【ご支援方法についてのご案内】

クレジットカードでのご寄付の場合
こちらから「今回の寄付」をご選択の上、寄付の使途は「ガザ人道危機緊急支援事業」をお選びください。各種クレジットカードをご利用いただけます。

郵便局からのご寄付の場合
<口座番号> 00150-4-49006
<加入者名> 公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン

※郵便局窓口にて、振込手数料が無料の口座である旨お申し出ください。
※お振込いただく際は、振込み用紙の通信欄に必ず「ガザ(W)」と明記してください。記載がない場合は一般寄付としてお取り扱いいたします。

寄付金については「寄附金控除」の対象となります。
個人および法人の皆さまからのご寄付は、確定申告の際に、寄付金控除の対象となります。なお、個人の皆さまへの領収書は、ご希望いただいた方にのみ発行させていただきます。必ず通信欄にその旨明記していただくようお願い申し上げます。

領収書発行を希望する皆様へ
寄付金控除のお手続きには領収書が必要となります。領収書の発行については以下をご覧下さい。
・オンライン寄付の場合:「領収書の送付」の項目にチェックを入れて下さい。
・郵便局からのご寄付の場合:振込用紙の通信欄に「領収書要」と明記して下さい。





【ご参考:パレスチナにおけるCAREの活動】

ガザとヨルダン川西岸地区のパレスチナ人コミュニティで75年以上の間活動してきたCAREは、人道支援と長期的な開発支援において、同地域で重要な役割を担ってきました。そして、グローバル基準のアプローチに基づき、現地パートナーとのネットワークを築いてきました。これら現地パートナーとの強力な関係は、現在のガザでの活動にとって極めて重要となっています。信頼できる現地パートナー団体と協力することで、CAREは多くの国際組織がアクセス困難な地域を含む、ガザ全域のコミュニティで支援を提供することができています。

ガザ、エルサレム、ラマラ、ジェニン、ヘブロンに事務所を構えるCAREは、国連機関、非政府組織(NGO)、政府当局、民間セクターと協力しながら、パレスチナ全土の人道戦略を調整する重要な役割を担っています。緊急ジェンダー分析など、CAREの調査・分析手法は、効果的な対応を計画するために、人道部門全体で頼りにされているものです。

CAREは国連機関やNGOの協力的なネットワークの中心にあり、互いに相乗効果を生かし、重複を避けながら、最も必要としている人々に確実に支援を届けていきます。同時に、国際的な連合体としてのCAREの組織構造により、私たちはエジプトやヨルダンなどの当地域の他のCAREチームとも連携して物資を事前に配置し、治安やアクセス状況が許す限り、対応の規模を拡大できるようにしていきます。

【ご参考:パレスチナにおけるCAREの活動】



関連情報

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: bokin@careintjp.org
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