ウクライナ侵攻から半年、懸念されるメンタルヘルスへの深刻な影響
2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻から、今日で半年が経ちました。この戦争によって、1000万人以上の女性と子どもが悪影響を受け、ウクライナ難民の3分の1がうつ病、不安障害、心的外傷後ストレス障害を発症すると予想されており、現在、そして今後数ヶ月、数年に渡って継続的に戦争のトラウマに苦しんでいる人々に支援を提供することが急務だと、CAREは警告を発しています。
「戦争が生み出す恐怖と悲しみは、心に深い傷跡を残します。この恐怖と悲しみをそのままにしておくと、長期的に深刻な悪影響を及ぼし、様々な深刻な精神衛生上の問題や、自殺につながることもあります」と、CARE Internationalの緊急事態におけるグローバルジェンダーコーディネーター、Isadora Quayは述べています。
「私たちは、ポーランド、ウクライナ、ルーマニアの団体を通じて、心理社会福祉士を雇用し、戦争の影響を受けた人々に必要なサポートを提供するとともに、家族や子どものための救済活動や、匿名でのホットラインなど、さらなる助けを求める場所に関する情報を提供しています。また、CAREのパートナー団体は、人々が自分の感情を処理し、有用な対処法を学ぶのに役立つ本を制作しています。中には、メンタルヘルスの専門家と直接話すことに抵抗がある人もいるので、さまざまなニーズに対応できるような活動やアプローチを考案しました」
ケア・インターナショナルの事務局長であるSofia Sprechmann Sineiroは言います。
「メンタルヘルスのニーズが高まる中、被災した女性、男性、子どもたちが心理社会的・精神衛生的サポートを利用しやすくし、身体的ニーズを満たすのと同じ緊急性を持って扱われなければなりません。命と未来はそれにかかっているのです。」
「女性や子どもたちが、精神的苦痛やその合併症に苦しんでいるのを黙って見ているわけにはいきません。彼女たちは、ミサイルがアパートに墜落したこと、街角に死体があることを話してくれました。また、安全な場所を探しても、公共施設が閉鎖されていたり、医療施設が十分に機能していなかったりして、必要な支援を受けられないという話も聞きました。女性や子どもたちが生き延び、癒やされ、未来に立ち向かうために必要なメンタルヘルスや心理社会的支援を受けられるよう、私たちは早急に支援を強化する必要があります」
ーSarah Easter(CAREドイツ、オーストリア 緊急コミュニケーション担当)
「私の患者のほとんどは、過去か未来のどちらかに生きているのです。私は、彼らが今を生きられるように手助けをします。私は通常、患者に恐怖を説明させることから始め、それを絵に描かせることもあります。ほとんどの患者は、ストレスやショックを受けています。私は、彼らの恐怖のレベルを下げるように努めます。今後、心的外傷後ストレス障害の症例が多くなると思います」
ーCAREのパートナーが支援する団体の心理学者、Tamaraさん(60歳)
「リヴネに来た時、私は完全に壊れていました。助けを求め、誰かと話をする必要がありました。心理学者と一緒に、私が一番恐れていることについて話し合いました。ネガティブな思考を制御し、それを止め、ポジティブな思考に変えるために、いくつかの実践的な練習をしました。リブネで初めてサイレンが鳴ったとき、私の中で何かが切り替わったような気がしました。私は圧倒され、感情の渦に飲まれてしまいました。今では上手く対処し、それについて話すこともできるようになりました。サイレンの音もそれほど怖くはありません」
ー12歳の娘と一緒にルハンスクを逃れた、Tetyanaさん(33歳)
今なお、世界中の願いと予想に反して、戦争は長期化し、ウクライナの人々の状況は、深刻さを増しています。物資援助に留まらず、社会心理的なサポートや自立支援など、ウクライナの人々が安心して暮らせる日常を取り戻すには、これからも、皆さまからの継続的なご支援が必要です。
私たちCAREは、緊急支援の段階を経て、終戦後の復興支援に至るまで、現地での支援を継続していく覚悟です。温かいご寄付を、何卒お願いいたします。
クレジットカードでのご寄付の場合:
こちらからお申し込みください。
各種クレジットカードをご利用いただけます。
郵便局からのご寄付の場合:
<口座番号> 00150-4-49006
<加入者名> 公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
※郵便局窓口にて、振込手数料が無料の口座である旨お申し出ください。
※お振込いただく際は、振込み用紙の通信欄に必ず「ウクライナ(W)」と明記してください。記載がない場合は一般寄付としてお取り扱いいたします。
寄付金については「寄附金控除」の対象となります。
個人および法人の皆さまからのご寄付は、確定申告の際に、寄付金控除の対象となります。なお、個人の皆さまへの領収書は、ご希望いただいた方にのみ発行させていただきます。必ず通信欄にその旨明記していただくようお願い申し上げます。
【領収書発行を希望する皆様へ】
寄付金控除のお手続きには領収書が必要となります。領収書の発行については以下をご覧下さい。
・オンライン寄付の場合:「領収書の送付」の項目にチェックを入れて下さい。
・郵便局からのご寄付の場合:振込用紙の通信欄に「領収書要」と明記して下さい。
*当財団は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当面の間、すべての職員に在宅勤務を奨励していることから、領収書の発送が大幅に遅れる可能性がございます。予め、ご了承ください。
■ウクライナ人道危機対応の進捗レポート(6月28日)
■「ウクライナ危機緊急支援」オンライン報告会を開催しました(6月23日)
■「ウクライナ危機緊急支援募金」の経過報告(6月13日)
■最前線からの声をお届けします ~子どもたちのライフラインとなる教育(6月7日)
■緊急ジェンダーレポート公表 ~戦争による女性とマイノリティへの影響が明らかに(5月11日)
■国内に留まり活動を続けるボランティアを支援しています(5月9日)
■【こどもの日】ウクライナの子どもたちの瞳に映る、戦争をご紹介します(5月5日)
■国内に留まる5万人に対して緊急支援を提供しました(4月27日)
■スロベニア赤十字と6台のトラックで水や食糧などを届けました(4月25日)
■精神科医に緊急心理社会的カウンセリング研修を実施しています(4月21日)
■ウクライナ人道危機:お礼と今後の支援について(4月12日)
■必要な物資は日を追うごとに変わっていきます(4月4日)
■ウクライナ国内で支援を行う職員からの最新報告(3月29日)
■ポーランド国境の最前線で情報収集にあたるCARE職員の1日(3月19日)
■【緊急ジェンダーレポート】ジェンダー特有のリスクへの対応の必要性を訴えています(3月17日)
■【動画】ルーマニア国境での支援活動をレポートします(3月16日)
■ルーマニア、モルドバ、ポーランド国境での支援を開始しました(3月14日)
■国際女性デーに寄せて ~ウクライナで高まる女性たちへのリスク(3月8日)
■緊急支援物資が、ウクライナ西部の都市リヴィウに到着しました(3月1日)
■紛争・自然災害への対応
■グローバル緊急ジェンダー分析報告書
財政不安、飢餓、心の健康 –CAREの独自調査により世界の女性が抱える問題が明らかに
©︎Juozas Cernius/CARE
Copyright © CARE International Japan, All rights reserved.