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6/20 世界難民の日:CAREシリア事務局長が見た難民の「リアル」をお伝えします

6月20日は「世界難民の日」。
紛争や迫害により故郷を追われている人は8,000万人を超えています。

2021年4月にシリア北東部の難民キャンプを訪れたジュリエン・ベルデウィックCAREシリア事務局長は、過密な難民キャンプの現実、気温の上昇、そして、新型コロナウイルスの致命的な脅威を目にしました。

過密な住環境、高温、新型コロナウイルスの脅威

シリア北東部では 260万人以上の人々が緊急支援を必要としていますが、難民キャンプにいる人々の状況は特に悲惨です。乾燥した砂漠の中を進むと、テントの海が最初に見えてきます。近づくと、着古した服を着た人々、トラックで運ばれてきた少量の水を貯める容器を持った女性、素足の子どもたち、汚物と石鹸の泡で緑色になった水たまりが見えてきます。訪問時は4月、すでに気温が上がり蒸し暑いです。7月から8月を人々がどのように暑さを乗り切ることができるのか想像がつきません。

難民キャンプで暮らす多くの人々が、10回、時には20回も家を追われた経験を話してくれました。当初、彼らは貯金があったので、家が全焼し、店や生活が破壊されても、家族のために小さなアパートを借りることができました。また、多くの人々が親戚や見知らぬ人たちと一緒に暮らしていました。彼ら自身も貧しく戦争の影響を受けていましたが、自分たちよりもさらに困窮した人々に門戸を開いたのです。


新型コロナウイルスの脅威

しかし昨年の2020年、経済危機と世界的な新型コロナウイルス感染拡大は、何百万人ものシリア人が直面している悲惨な状況をさらに悪化させました。必要不可欠な食糧の値段は、1年間で平均236%上昇し、シリア・ポンドの価値は2021年だけで約40%下落しました。様々な新型コロナウイルス感染拡大にかかる行動制限とロックダウンにより、雇用機会が減少し、人々にさらなる困難が生じています。

ベルデウィック事務局長が話した母親の1人であるアイシャは、20人でテントを共有している様子を教えてくれました。「以前は同居人のことを知りませんでした。私たちにはプライバシーも尊厳ももはやないように感じます」とアイシャはいいます。テントは6人家族のために建てられたものでしたが、キャンプに到着する人はどんどん増えていました。他の女性たちは、手を洗うのに十分な水はもちろんのこと、安全な飲み水を手に入れるのに何日もかかることがあると話しました。

事務局長がシリア北東部にいる間、新型コロナウイルス感染件数は700%増加しました。事務局長の母国であるオランダで行われている検疫や隔離、そして、社会的距離を保つこともこのような環境ではまったく不可能です。人々が最初に恐れるのは確かに戦争であり、子どもたちに食べ物を提供できるのかですが、ウイルスへの恐怖心はますます高まっています。事務局長が話した誰もが、病気にかかっている誰かを知っているか、自分自身も病気だったといいます。

医療もなく医師もおらず、手洗い設備もマスクも十分でないため、難民の人々は絶望的で無力感を感じ、生活の中でさらに戦争とは別の致命的な脅威に直面しています。


CAREシリアの活動

事務局長は、アフガニスタン、南スーダン、イエメンなど、過去数十年にわたり、様々な災害地域で働いてきました。人為的な恐怖や大惨事など、これほど多くの苦しみを見ることに慣れることができるのだろうかと思うことがあります。シリアの難民キャンプを歩いている時、人々がほとんどすべてのものを剥奪されているのを見ると、とても打ちのめされそうになります。同時に、それが事務局長の仕事へのモチベーションの原動力でもあります。家族が必要なサポートを受けられるように、自分にできることは何でもやろうと強く思っています。

CAREシリアのチームは、キャンプの人々に食糧、マットレス、毛布、調理器具、衣類を提供するために、ここ数年懸命に働いてきました。一部のキャンプでは、CAREはコミュニティ・センターも運営しており、レクリエーションや保護活動を提供しています。キャンプでは女性と子どもが特に暴力の危険にさらされることがよくあります。CAREは、現場のチームと協力して、女性や子どもたちが安全だと感じられるようにしています。昨2020年、CAREは、手洗いステーションを設置し、人々に水と衛生設備を提供しました。貧困が蔓延している中でも、このように、シリア人の窮状を軽減するためにできることはたくさんあります。

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