生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。

Sierra Leone

シエラレオネ

支援地域の地図・一覧へ戻る
写真提供:平成17年 ケア/クリスティーナ陳

©2005 CARE/Christina Chan

首都
フリータウン
面積
7万1,740平方キロメートル
人口
約580万人 *1
主要構成民族
メンデ族、テムネ族、クレオール(黒人と白人との混血)ほか
宗教
イスラム教、キリスト教ほか
主要農産物・工業製品
カカオ豆、鉱業(ダイヤモンド、ボーキサイト、金紅石)
成人識字率
男性45.3%、女性22.6% *2
平均寿命
男性40.4歳、女性43.1歳 *3
HIV感染率(15~49歳)
男性1.3%、女性1.8%(日本は男女ともに0.1%以下) *4
乳児死亡率(1000人あたり)
160人(日本は3人) *5
 
*2 2004年Census, Government of Sierra Leone
*3~5 UNFPA(2007年)

シエラレオネ共和国(以下シエラレオネ)は西アフリカに位置する小さな国で、ギニア、リベリアと国境を接します。豊富な鉱産物、肥沃な土地、降水量に恵まれ、GDPの45%を農業(多くが自給農業)、輸出の90%をダイヤモンドなどの鉱産物が占めています。熱帯雨林気候で、高温多湿です。国民性は明るく、イスラム教徒、キリスト教徒、そして土着信仰の人々が平和裏に共存しています。言語は公用語の英語の他に,クレオール語が広く話されているのに加え、主に地方では民族ごとに固有の言語が使用されています。

18世紀末、イギリスなどからの解放奴隷の居住地となり、首都フリータウン(自由の町)が作られました。1961年イギリス連邦の一員として独立、美しい海岸と緑豊かな国土がかつては多くの西洋人観光客を魅了しましたが、1991年に反政府勢力が武装蜂起し、ダイヤモンド鉱山を占領したことが発端となり、内戦が始まりました。内戦終結から6年たった今、いまだに脆弱な政府の統治の下、インフラ(配電・給水施設、道路など)や各種行政サービス(保健・教育など)の整備は発展途上にあり、また、高い失業率や汚職、絶対的貧困、不平等な資源配分など未解決な問題も数多く抱えています。2007年の大統領・議会選挙では、平和で公正な過程で政権交代がなされました。

シエラレオネ内戦の根本的要因

反政府勢力による武装蜂起がシエラレオネ内戦の直接的引き金となったのは確かですが、当初よりそれを後押しする要素がありました。そのうちの一つが、何十年にもわたる非効率で腐敗した中央政府の統治(ガバナンス)です。豊富なダイヤモンドなどの資源は政府と違法な取引業者に利益をもたらす一方、インフラは未整備で食糧は不足するなど市民の生活に恩恵はなく、こういった不平等な資源の配分が政府に対する反発を招く要因となりました。

また、教育を受ける権利、雇用の機会、土地所有権、意思決定に参加する権利などを否定され、社会的・経済的疎外感を募らせていた若者の存在がありました。彼らの多くは、戦闘時の即戦力として動員され、内戦に加担することとなりました。その結果、シエラレオネの若者は今も戦争の傷を背負って生きています。兵士として実際に戦った若者のほか、多くの若者たちが内戦のために家族を失い、教育を受ける機会や生活手段・技能を身につける機会を失ったからです。残念なことに、シエラレオネの内戦を引き起こしたこれらの根本的要因の多くは今も未解決なまま存在しています。

2002年に内戦が終結するまでの11年間、反政府勢力はダイヤモンドを資金源として、多くの残虐行為を行いながら支配地域を拡大していきました。内戦中、反政府勢力は隣国リベリアの武装勢力と手を組み、内戦地域で採掘したダイヤモンドと引き換えに武器調達を行いました。このような不法なダイヤモンドが紛争激化の要因ともなりました。

内戦は死者約7万5千人を生じさせ、200万人以上が難民・国内避難民となったほか、多くが手足を切断するなどの残虐な行為の被害者となりました。家や家畜、インフラなどすべてが破壊され、国連機関やNGOなどの援助機関を中心に平和回復に向けて緊急・復興支援が行われてきました。

シエラレオネの子どもと女性の健康

シエラレオネは国連開発計画(UNDP)の人間開発指標が発表され始めて以来、ずっと最下位もしくは限りなく最下位に近いランクを維持しています。その理由の一つが、シエラレオネの保健指標の悪さにあります。5歳未満児死亡率は1000人あたり270人、3~4人に1人の子どもが5歳の誕生日を迎えるまでに死亡するということになり、この数値は世界最悪で、妊産婦死亡率もアフガニスタンと並んで世界で最も悪い状況です。平均寿命は40歳あまりで、世界中で寿命がとりわけ短い国に属します。また、貧困、内戦終結に伴う人口移動、HIV/エイズに関する知識不足、男女不平等などにより、早急な対応をとらない限り、近い将来、HIV感染率の上昇が予測されます。

シエラレオネで多くの子どもたちが命を落とすのは、主に予防可能そして治療可能な病気であるマラリア、下痢、呼吸器感染症などからです。まん延する栄養失調がこれらの症状を助長しています。妊産婦死亡率もアフリカ諸国の中でも極めて高いですが、妊産婦死亡もまた、早急に適切な処置を受けさえすれば防げるものがほとんどです。にもかかわらず、道路が整備されていない地方では、保健施設へのアクセスが難しく、また保健施設にたどり着いてもスタッフのモラル不足・技術不足、そして、貧困などのために適切な処置が受けられないことが多くあります。さらに、女性の地位の低さから、一般的に女性の教育レベルは低く、意思決定権を持たないため、家計も動かせないことから、そもそも医療を追求するという意思決定自体が遅れることが多いのです。さらに、伝統的習慣(例えば、強制・早期結婚―約60%のシエラレオネ女性が18歳未満で結婚、女性器切除―約80~90%もの女性が女性器の切除を経験)も根強く、妊産婦死亡率を高める原因となっています。

CAREのシエラレオネにおける活動

CAREは、1961年にシエラレオネで活動を開始、当初は学校給食を通じた子どもたちの栄養改善に焦点を当てて活動を行っていました。現在は、ガバナンス、保健、地方での経済活動の活性化、そしてそれらと並行する形で食糧支援などの分野でプロジェクトを実施しています。平和の定着、崩壊した地域コミュニティの復興・再融合のための支援も重点的に行っています。

シエラレオネの政府と人々は、大規模な内戦によって破壊されたコミュニティや公共施設、人々の生活の再建において測りしれないほど大きな難題に直面しています。CAREは、復興のプロセスの中で、人々が自立した発展的な生活を送るための意志、生活手段、能力などを強化していくことができるようサポートするとともに、貧困の原因であり、また内戦の再発にもつながりかねない汚職、ガバナンスの悪さ、社会的疎外といった根本的問題の解決に向けた取り組みを行っています。CAREのガバナンスのプロジェクトでは、市民社会が政府とより建設的で意義ある関係を保ちながら、貧困削減などの開発課題に参加し、影響力を持つことができるよう、キャパシティ強化のためのトレーニングを実施しています。

保健分野では、プライマリー・ヘルスケア、水と衛生、健康、HIV/エイズなどの部分でプロジェクトを展開しています。5歳未満の子どもと出産年齢にある女性の健康状態改善のためのプロジェクトでは、予防接種の普及と栄養失調および流行が深刻な問題となっているマラリアに対する治療を行っています。さらに、保健システムの強化と政策面でのアドボカシー活動などにも徐々に力を入れています。HIV/エイズに対しては、新たな感染を防ぐために、人々がHIV/エイズに関する基礎知識を持ち、また予防策を実現できるよう支援するという観点から、HIV/エイズ教育や若者を対象としたライフスキル(リスクの高い性交渉を求められた時に巧みに「NO」と言える技術など)の促進を行っています。さらに、とりわけ若者や性産業従事者におけるコンドーム使用を促進するとともに、HIV/エイズ感染の危険性が極めて高い人々がヘルス・サービスにアクセスできるよう経済的な支援も行っています。マラリア対策としては、5歳未満の子どもと妊産婦に対して、殺虫剤処理のされた蚊帳の提供、ヘルス・サービスのキャパシティ向上、人々のヘルス・サービスへのアクセス改善などを行っています。また、過去2年間にわたり、政府の関係省およびユニセフと連携して、危険をともなう性的な行動を減らし、女性器切除などの虐待的な慣行を変えていくための対話を通じたアプローチを開発しています。

関連情報

CARE in Africa -Sierra Leone(英語)

ニュースリリース

スペシャル・リポート


支援地域の地図・一覧へ戻る

  • CAREパッケージ
  • CARE支援組織
  • ジェンダーハンドブック
  • フォトギャラリー
  • お名前

    ふりがな(かな)

    登録メールアドレス(半角)

  • accountability2012.jpg