生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。

ベトナム:地域におけるHIV予防および偏見・差別の軽減事業終了報告

事業部 尾立 素子

期間
2008年11月~2009年4月
地域
ベトナム  カントー県カントー市
対象者
カントー橋周辺の地域住民、大学生、工場労働者、娯楽施設の経営者、HIV陽性者
関係者
カントー市エイズ予防センター、地方政府関係者など
ドナー
大成建設・鹿島建設・新日本製鐵の共同企業体
事業規模
US$50,000(1ドル=97円にて約4,850,000円)(6カ月間)
エイズに対する意識向上を目的とした音楽イベント

エイズに対する意識向上を目的とした音楽イベント

ケア・インターナショナルジャパンは、ベトナム政府よりカントー橋の建設を受注した大成・鹿島・新日本製鐵共同企業体(TKN)の支援を受け、2006年から約2年間にわたり、建設労働者を主な対象としたHIV/エイズ予防事業を実施しました。さらに、2008年11月以降、引き続きTKNの支援を受け、今度はコミュニティの人々を主な対象とした「地域におけるHIV予防および偏見・差別の軽減事業」を実施し、2009年4月に終了しました。ここでは、この事業を行うに至った背景と活動の成果について報告いたします。





背景

ベトナムはHIV感染者の増加が著しい国の一つとされています。カントー市でも近年の経済発展と社会環境の変化により人々の移動・移住の機会が増加したため、HIV感染率が増加傾向にあります。

2008年のカントー市のHIV感染率は0.3%ですが、HIV陽性者の半数以上は、20~29歳の若年層、そして男性が3分の2を占めます。これは、カントー市の経済活発化と同時に、労働者数や娯楽施設が増加し、注射器による薬物使用者、性産業従事者、その顧客など、HIV感染リスクの高い行為にかかわる若年層が増加したことに関連します。

さらに、近年はこれらのHIV感染リスクの高いグループのみではなく、HIV陽性の夫から妻、そして母から子どもへというように、家族内のHIV感染の増加も確認されています。

また、ベトナム全体およびカントー市においては、HIV陽性者に対する偏見や差別が強く、そういった社会の否定的な態度により、HIV陽性者や家族が適切な医療や社会サービスを受けられないという状況もあります。HIV陽性者に対するケアの充実は、陽性者の人権保障の観点、そして新たな感染予防の観点からも重要です。そのため、偏見や差別の撤廃を目指す活動もHIV感染予防活動と同時に行っていく必要があります。

活動の成果

このような背景から、ベトナム現地事務所およびカントー市のエイズ予防センターと協力して、HIV感染のリスクと予防に関する地域住民や若者の意識を高めると同時に、HIV陽性者に対する偏見や差別を軽減することを目指して、以下の活動を実施しました。

・ HIV感染予防を促す漫画ブックレットとHIV/エイズ法についてのブックレットを作成。
・ 路上キャンペーンを実施し、地域住民、学生、地方行政官などに6000個のコンドームを配布。
・ 意識向上を目的とした音楽・ドラマ・ファッションショーなどのイベントを4回実施し、1500名以上が参加。
・ 娯楽施設の経営者に対し、HIV予防を促すための研修を2回実施し、40名以上が参加。
・ 工場・建設現場の労働者と喫茶店の客を対象としたHIV予防を促す啓発セミナーを3回実施し、380名が参加。

娯楽施設の経営者に対する研修風景

娯楽施設の経営者に対する研修風景

イベント、研修、セミナーなどに参加した青年、地域住民、娯楽施設の経営者からは、「このようなHIV予防を促すイベントやセミナーの実施はとても重要であり、また参加したい」との声が聞かれました。また、「音楽やファッションショーもイベントに含めることで、堅苦しくない雰囲気の中でHIVについての知識を得られることがとても効果的で楽しいので、またこういったイベントを開催して欲しい」といった要望も出されました。

さらに、「イベントに参加する前は、HIV陽性者の隣に座ったり、握手するのが怖かったし、HIVが感染するのではないかと心配だったが、それが間違いだったと感じる。今は、HIV陽性者と握手するのも怖くないし、同僚として一緒に働くこともできる」といった感想も聞かれ、HIV陽性者への偏見や差別が軽減されてきていることが確認されています。

この事業は、2009年4月末をもって終了しましたが、今後は、地域がHIVについての理解を深め、HIV陽性者に対する偏見や差別のない環境が持続されるよう、現地事務所が中心となって引き続き活動を行っていく予定です。

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