生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。

東ティモール:テトゥン語民話集出版プロジェクト
~失われた文化を自分の言葉でまなぶ~

東ティモールにおいて実施していた現地語、テトゥン語による民話集出版プロジェクトにより、かわいいデザインの民話集が出版されました。以下が、出版された本の写真です。

*このプロジェクトでの活動内容については、以下の写真の下に記載されています。

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期間
2007年1月~4月(4カ月間)
地域
東ティモール全域
対象者
東ティモールの全小学生(257,999人)と教員
配布先は全小学校及び図書館(約2,000箇所)
関係者
教員、コミュニティ、地方教育行政機関
ドナー
協賛企業および一般寄付
※本事業は花王㈱、花王ハートポケット倶楽部、㈱毛利建築設計事務所、ディアシステム㈱、飛島建設㈱、㈱スミロン山本様からの事業協賛を受けました。
事業規模
850千円
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背景

東ティモールは、インドネシアの東に位置する岩手県ほどの大きさの小さな国です。16世紀にポルトガルの植民地となり、450年の統治のあとインドネシアによって27年間統合され、2002年にようやく独立を果たしました。独立前の内乱で多くの人命を失い、インフラや学校・保健施設をはじめとする国の公共サービスが多大な損害を受けました。昨年5月には、ストライキを起こし解雇された元軍人が首都ディリで蜂起したことをきっかけに、失業している若者を中心とする暴動に発展し、ディリの住民のほとんどが郊外に逃れるといった出来事がありました。このように、「世界で若い国」で安定した社会が形成されるまでには、まだ時間を要します。

東ティモールの言語は地域によって多様ですが、その中で最も話されているのはテトゥン語です。インドネシア統治時代にはインドネシア語の使用が強要され、それまで学校で使われてきたポルトガル語も禁止されました。テトゥン語および東ティモール独自の文化を認めることは、ナショナリズムを高揚させ内乱にもつながる可能性があるため、インドネシア政府はこれを抑制してきました。長い植民地化と 抑制が、言語を含む東ティモール住民のアイデンティティの喪失という問題を生みました。

また、国民の多くは貧困レベルにあり、1日1ドル以下で暮らす人の数が約40%と言われています。開発の度合いを測る人間開発指数(国連開発計画、2005年)も世界177カ国中140位(アジアで最下位)で、5歳以下の子どもの47%が発育不全、43%が体重不足、12%が衰弱であるとされています。

問題点

長い植民地経験と高い成人非識字率(40%)により、東ティモール独特の文化を伝える書物の不足は深刻です。また内戦中に、それまで学校の教師の大半を占めていたインドネシア人の小中学校教師のほとんどが離職したため、教員も不足しています。95%の学校を焼失し、多くの学校設備と教材も失いました。独立後は公用語としてまずポルトガル語、のちにローカル言語のテトゥン語が追認されました。現在のところ、ポルトガル語で書かれた教科書が供給されていますが、その数は圧倒的に不足しています。全科目の教科書を一式持っている子どもは全体の10%のみで、半数以上の子どもは一冊も持っていません。テトゥン語の教育に関しては、歴史的・文化的背景からテトゥン語で書かれた書物が教科書を含めほとんどなく、テトゥン語で発信される情報自体が極端に少ない現状があります。一方で、出生率が高いので子どもの数が多く、全人口のうち15歳以下の割合は48%であるため、将来を担う次世代への教育の充実が緊急課題です。

CAREによる教育支援

CARE の東ティモールでの教育プロジェクトにおいて、初のテトゥン語による教育誌、「ラファエック 誌」が2000年に創刊されました。東ティモールの全ての小学校を通じ全生徒へ配布され、CARE の対象地域の識字学校等でも活用されています。出版物が極端に少ない東ティモールで、唯一自分のものとして所有できる本です。隔月で刊行されるラファエック誌は学校の副教材として活用され、教科書・教材不足を補っています。小学校低学年用、高学年用、教師用の3種類があります。国内の郵便制度が未整備なので、CAREの配達スタッフがオートバイで国内全13州の全ての小学校に直接届けており、その際に、学校や生徒からの投書やフィードバックも回収しています。ラファエック誌に投稿することは日頃手紙を書いたり、情報を発信したりする機会が非常に少ない子どもたちにとって、「書くこと」へのモチベーションを高め、コミュニケーション能力を向上させる機会にもなっています。この活動は、教育省からの全面的な支持と協力を得て実施され、また、ラファエックを活用して指導する教員の教育も活動の一環となっています。

主な活動

このプロジェクトは、CAREにより2000年に創刊されたテトゥン語による教育誌ラファエック誌上での公募をもとに実施されました。

1)民話の公募
雑誌で読者(子ども)から、地域に代々語り継がれている民話を公募しました。各家庭で代々語り継がれてきた民話を記録する作業は、子どもたちの作文能力を向上させることにつながりました。

2) 民話本の出版
公募した民話を編集し、 3000冊出版しました。出版された本は、東ティモール史上初のテトゥン語による民話集となります。これにより、東ティモールの独自の文化やアイデンティティの再認識に貢献することが期待されます。

3) 学校・図書館への配布
出版された本は、東ティモールの全ての小学校に3冊ずつ配布し、読物および教材として使用されています。残りの冊数はコミュニティの図書館に配布しました。本を学校や図書館に配布することでテトゥン語の書物を増やし、普段なかなか書物を手にできない子どもたちの読み書きを促進します。また質の高い教材の提供により、教育の質の向上をはかります。

実施プロジェクトを支援する方法

CAREのサポーターになって活動を支えるさまざまな方法があります。

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