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東日本大震災ブログ

漁師さんたちの挑戦、「大槌ホタテ養殖プロジェクト」始動 [木村雅子のブログ]

[ 2012.6.21 ]

陸前高田に次ぎ、岩手県内で2番目に大きな被害を出した大槌町。町の中心部は津波とその後に起きた火災で壊滅的な状態となり、当時の町長さんをはじめ、多くの町役場職員が犠牲になられたため、震災直後は行政機能が麻痺して復興の初動体制の確立も遅れました。
震災から1年3ヵ月。町の中心部ではようやく被災した建物の取り壊しが進み始め、大型のスーパーが再開して、新しい日常生活のサイクルが少しずつ整えられています。
しかし、未だ変わらぬ緊張状態の中、ぎりぎりのところで踏ん張り続けている方々もいらっしゃいます。大槌の海で生きる漁師さんたちも、そうした方々の一人です。

船も、漁具も、自宅も、大切な家族までも海に持って行かれ、生活の基盤全てを無くされた漁師の方々。津波が去った後も、生業の土壌である海は大量の瓦礫で埋まり、大半の漁師さんは陸(おか)に上がるという選択を余儀なくされています。それでも故郷の海に残ろうと、瓦礫処理の作業などで何とか生活を繋ぎながら踏ん張り続けている漁師さんもいらっしゃいます。
しかし大槌町の漁師さんたちに、現実は厳しく容赦なく迫っています。
今年1月に起きた、大槌漁協の予期せぬ経営破綻。新たに立ち上げられた「新おおつち漁協」は、組織の体力と経営基盤の脆弱さに対する危惧から、政府の復興予算付が見送られました。思いがけない誤算のしわ寄せは、漁師個々人に直接的な影響を及ぼしています。補助金の支給を見越して購入した養殖資材の経費は新たな借金となりました。二重、三重の目論見のズレが、生活への打撃となって響いていきます。

こうした背水の陣とも言える厳しい現実を背負いながら、それでも勝負に臨もうと、大槌町でホタテ養殖を営む漁師さんたちが新たな試みを開始しました。それが「大槌ホタテ養殖プロジェクト『漁師魂』」、オーナー制のホタテ養殖です。養殖業の中でも、ホタテの養殖は設備投資がかさみます。個人の力だけで前に進むには限界がある。しかし漁期も生活も待ってはくれず、公的支援が手元に届くのを待ってはいられない。一口一万円でホタテオーナーを募り、その資金を基に養殖施設の整備を行いながら、収獲した新鮮なホタテを出資者に直送する。大槌の漁師さんの新たな挑戦です。
現在、大槌町でホタテの養殖業を続けようとしている漁師さんは8人。プロジェクトはその中の有志が先陣を切ってスタートさせています。漁だけでなく、加工、販売ルートの確立までを目指そうとする試みの後ろでは、元漁師仲間や地元を離れた同級生も、それぞれの場所で、得意分野を持ち寄って応援しています。

被災地では、将来的な継続性を踏まえて集約的かつ強固な産業基盤をデザインすることも一つの在り方です。しかし、個々人の目の前に差し迫る待ったなしの現実もあります。そして何より、故郷の海での生業を守っていきたいという地元の方の想いは何にも代えがたい貴重なものだと思います。
地元の絆と被災者ご自身の頑強な想いを礎とするこの挑戦に、心からの敬意を表しエールを送ります。

(「大槌ホタテ養殖プロジェクト『漁師魂』」の詳細は、プロジェクトのHPをご覧ください。→ http://hotate5.jimdo.com/



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