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モロッコ地震:発生から半年 ―復興への長い道のり

2023年9月8日にモロッコで発生した地震以来、CAREは、この大災害に対する人道的対応を主導し続けているモロッコ政府と緊密に連携しています。政府の対応を支援するため、CAREは最初の地震発生から数日以内に、アル・ハウズ県の脆弱な家庭にキットの配布を開始しました。この対応の第一段階として、CAREは21の村で12,056人に食糧や、衛生・尊厳キットを含む生活必需品を届けました。さらに、初期評価において、一瞬のうちに、多くの人々が家、家族、友人などすべてを失ったため、被災した人々が心のケア支援を必要としていることが明白になりました。過去6か月間、CAREとパートナーである世界の医療団は、4,002人に重要な心のケア支援を提供しました。

未だ存在するシェルター不足に対し、シェルター資材の配布を拡大します

しかし残念ながら、地震から6か月経った今でも、多くの人々がシェルターの不足に苦しんでいます。これに対し、CAREは、食品以外の物資、特に毛布の配布を開始し、5つの村にまたがる3500人近くに届けました。さらに、CAREはすでにテントやその他の一時的なシェルター資材を10の村に配布し、約4000人に支援を届けました。CAREのチームは、地震で被災した家族が生活と生計の再建に取りかかる際の安全と尊厳を確保するため、今後数か月でシェルター資材の配布を拡大することを目指しています。

CAREでは、女性と女子をすべての活動、特に人道的対応の中心にすえています。これまでの経験から、モロッコを襲った地震のような自然災害は、女性や女子に男性や男子とは異なる、そしてしばしばより深刻な影響を与える傾向があることがわかっています。不確実性の上昇、資源の不足、シェルターの不足は、ジェンダーに基づく暴力(GBV)の増加につながる可能性があります。また、女性が世帯主である世帯の既存の脆弱性も、暴行やトラウマのリスクも高まります。CAREとそのパートナーは、こうした懸念を考慮し、女性と女子の健康、安全、尊厳を確保するジェンダーに配慮した人道的対応を主導することに注力しています。CAREはまた、女性、男性、女子、男子への差別化された影響を綿密に監視するためのモニ タリングと評価システムを開発し、衡平でジェンダーに配慮したアプローチを確保するための重要な手段を講じています。CAREモロッコはまた、人道的支援の現地化という革新的なアプローチをとり、既存の開発事業の女性リーダーを人道対応のコミュニティ・リーダーとして活用しています。

次の災害に対するレジリエンスを強化します

2023年12月末に、12,000人への食糧配布という目標を上回る形で配布を終了しましたが、緊急支援に対するニーズはまだかなり残っています。そのため、CAREは、より長期的な復興プログラムへの移行を始めるにあたり、緊急シェルター、衛生用品、その他の食品以外の物資配布、心のケア支援を被災世帯に提供し続ける予定です。そのうえで、できるだけ早く、被災したコミュニティの回復を支援し、将来のショックに対する回復力をつけるための開発事業を再開することを目指しています。それに向けて、モロッコのチームはすでに就学前プログラムを開始しており、この地域の子どもたちが平常心を取り戻すのに大いに役立つと考えます。CAREはまた、女性と女子のための指定された安全な空間を実施しようとしており、1年間、GBVから脆弱なグループの安全と尊厳を確保します。このスペースは、彼女たちが経済活動を再開することも可能にします。さらにCAREは、寄宿学校に通っていた生徒のために「シェルター教室」を設置し、シェルターで行われる授業の中でジェンダーに基づく暴力と闘い、子どもたちの安全を確保するための社会的支援を統合する可能性を調査しています。

サイダさんのお話し

サイダさんのお話し

サイダさんは、アル・ハウズ地方のティグエンツィーヌ・ドゥアルに暮らす2児の母。彼女が初めてCAREを知ったのは3年前、近所で村の貯蓄貸付組合(VSLA)グループを作る女性のエンパワメント事業が始まったときでした。彼女はすぐにVSLAグループに参加し、貯蓄の重要性を学んだだけはでなく、予算のバランスの取り方など、ビジネスに不可欠なスキルも学びました。グループからの融資と、CAREが立ち上げた近隣の女性協同組合の支援を受けて、サイダさんは近所で採れた果物を使ったジャム作りの小さなビジネスを始めました。事業は順調に進んでいましたが、地震が発生し、近所の建物の多くが瞬く間に破壊されました。

サイダさんと彼女のVSLAグループの他の25人の女性たちは、この悲劇を行動の機会に変えようと決めました。仮設シェルターの建設を手伝い、困っている家族にできることを分かち合うために自分たちを動員しました。サイダさんは、自分の村に向かう道で人道支援車列に遭遇し、地元当局、救援団体、地域住民の間の連絡役として、地域の人道対応をボランティアで手伝いました。この困難な時期における彼女の回復力とリーダーシップは、困難が団結と希望の機会へと変えられることを体現しています。

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本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careintjp.org
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