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東日本大震災ブログ

地場産業の未来を担い、宮古から [木村雅子のブログ]

[ 2012.4. 4 ]

少し前のお話になりますが、宮古水産高校へのカッター船・大型実習船用発電機の贈呈式の日に、同校の金野 仁校長先生から印象深いお話を伺いましたので紹介します。

「カッターを漕ぐ生徒たちが非常にいい顔をしていました。それを見て、今回の支援が財産を取り戻したという以上に価値のあるものだったと痛感しました。」
生徒たちによるカッター船デモンストレーション走行の様子を振り返りながら、金野先生は語り始められました。

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宮古水産高校 金野 仁校長

宮古水産高校は、水産を専門とする全国初の中等教育学校として創設され、以来100年を越す歴史をもって、水産業を主とする三陸の沿岸地域に貢献してきた学校です。「地域の産業と共にあってこそ」という指針を掲げ、オリジナルの水産加工品開発や養殖の手法に関わる実験など、地元産業の底上げと発展に役立てられるような実習を考案し行ってきました。地元の人からも、将来の担い手を育成し、地場産業の振興に貢献する学校として親しまれてきました。
しかし今回の震災で、130トン級の大型実習船や小型実習艇、実習施設など、教育実習に必要な設備をことごとく破壊され、自力で通常のカリキュラムをカバーできる力を失っていました。
被害は物的なものだけにとどまりませんでした。生徒の中には、自宅を流され、家業を失い、家族を失った者もあり、また生徒の一部も犠牲になりました。
この学校の教育環境が震災前の状態に近づくことで、生徒達が少しでも活力を取り戻し、それが地域の水産業全体の活性化にもつながっていってくれたら。今回の支援には、そんなCAREの願いがありました。

「船を失い、実習場もとても使い物にならない状態でした。加えて、教室や部活動で一緒にいたはずのクラスメートが突然いなくなったんです。生徒たちはみんな、明るい表情をしていても、心の底では計り知れないものを抱えて頑張っているのだろうと思っていました。しかし今日の表情は本当に良かった。喜びが素直に表に出ていて、見ている私も感動しました。」

カッター船到着1.JPG

早朝の宮古市藤原埠頭。

カッター船到着2.JPG

2艇のカッター船は2日半掛けて
山口県下関市から陸送された

カッター船demoに乗る.JPG

宮古水産高校専攻科のみなさん。

走行.jpg

カッター船デモンストレーション走行の様子。
久々にカッターを漕ぐ。










更に、今回の贈呈式開催を通じて、支援にもう一つの意味が加わったことを校長先生のお話から知りました。
今回の支援はCAREドイツとCAREカナダからの寄付で実現したものです。贈呈式には両国の団体職員も来日し、水産高校の関係者と直接、顔を合わせ交流する機会を持ちましたが、金野先生は、そのことから一つの大切な気付きがあったとおっしゃいました。
「贈呈式でドナーの方と言葉を交わし、改めて今回の支援が世界の繋がりの中でなされたんだと実感しました。私たちのことを心配してくれる諸外国の人たちが居る。それが今回のような支援の形となって我々の元に届き、支援を受けた我々が地域のために頑張ることが、更に日本の復興に繋がっていく。
こうしたグローバルな視点を意識することはとても大切なことだと思います。それが津波からの復興というシチュエイションで提示された。そう考えると凄いことだと思います。
こうしたことが無ければ我々は、もしかすると自分たちの地域、ひいては日本のこと止まりで、グローバルな広がりを持った考えにまで至らなかったかもしれません。今回の支援は、様々な意味で意義深いものだったと感じるんです。」

贈呈式では、宮古水産高校の生徒から支援者に向けたお礼の言葉が述べられましたが、そのスピーチは通訳を介さず、英語で行われました。金野先生はその姿を見て、生徒たちも大切なメッセージを確実に受け止めていると感じ、誇らしく思ったそうです。

カッター船のデモンストレーション走行を終えて海から上がってきた生徒たちは皆、清々しい笑顔を見せてくれました。
「久しぶりにカッターを漕げて気持ち良かったです。皆で団結しているという感覚になりました。将来は船舶関係の職業に就きたいです。」
「津波で、両親が行っているワカメの養殖施設も船も全て流されました。でも少しずつ再開の準備も整ってきています。」(共に、生徒談)
生徒のみなさんの目は、しっかりと未来に向いていました。

カッター船の実習は、水産分野を学ぶ人たちが海に親しみ、協調性を養うための必須基礎科目です。宮古水産高校の生徒のみなさんには、これからも強固なチームワークを育んで、世界の中の自分たちの場所を認識しながら力強く前進していってもらいたいと思います。

贈呈式1.JPG

生徒を代表し、英語で
スピーチする佐々木俊輔さん。

贈呈式2.JPG

支援に携わる各国のCAREスタッフ。

同乗④.JPG

デモンストレーション走行にはCAREのスタッフも同乗。

同乗.JPG

  













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