生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
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┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

■ 今月のPick Up!・・・震災後の心の傷

■ コラム・・・分離か共存か:民族紛争の終結と平和構築

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■□■ 今月のPick Up! ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

震災後の心の傷

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ハイチ、チリ、トルコ・・・今年に入って、世界で巨大地震が次々に起こっ

ています。前回はコラム「震災と支援」において、ハイチ地震でのCAREの緊

急支援に関して、主にご紹介しましたが、今回は「心の傷」という長期的な

視野で支援の必要な分野について取り上げます。

▼心のケアの必要性

心のケアを必要としているのは、大地震で被害にあった発展途上国の人々だ

けではありません。特に、多数の被害者を生むような事件や災害の後には、

多くの人々が心に傷を負います。/p>

事件や災害により、強いストレスが加わると、直後の急性期には強い衝撃と

茫然自失状態、そして不安、恐怖感や大切なものを失った喪失感、無力感な

どが起こります。続いて腹痛や頭痛、食欲減退などの体調不良や、イライラ、

集中力低下、抑うつ状態などの反応が起こりやすくなります。これらの心身

の反応は、非日常的な衝撃を受けた時に起こりうる正常な反応ですが、適切

な対応方法を欠くと、回復が遅れ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になる

こともあります。

▼震災後の心の傷

2008年の5月に起きた四川大地震では、心のケアをどのように行なっていく

かが特に問題になりました。2008年5月30日の新京報では、中国科学心理

研究所の張侃所長は、四川大地震の被災者に対する精神ケアは、少なくとも

20年間は必要との考えを示していることが報告されています。精神ケアスタ

ッフ約2000人が被災地で活動を始めたものの、人数と物資が不足し、ケアが

行き渡らず、四川大地震の被災者の約20%にPTSDがみられました。

1年が過ぎた後も、多くの人が精神的な症状に悩まされていました。最も共

通した症状は、不眠などの睡眠障害、またなにかが起きるかもしれないとい/p>

う絶え間ない不安や恐怖、絶え間ない悲しみ、すぐに泣く、執拗な再体験、

▼CAREの実施した「子どもの心のケアプロジェクト」

こうした震災後の心の傷に対して、CAREも支援活動を行なっています。日本

のCAREが実施する支援プロジェクトとしては、スリランカ南部州ハンバント

タ県における「子どもの心のケアプロジェクト」が挙げられます。

まず、2005年4月から2006年7月にかけて「スマトラ沖津波復興支援 学校

における子どもの心のケアプロジェクト」が実施されました。津波で心理的・

精神的な傷を抱える子ども約5272人と親3430人、先生101人を対象とし、

子どもたちとその保護者への積極的なカウンセリング、及び先生たちや学校

開発担当者にトレーニングとワークショップを開催しました。さらに、先生、

教育関係者、親や子どもたちが共同で各学校での子どもたちの心のケアにつ

ながる活動(学校のインフラ整備や美術コンテストの実施など)を設計して

いきました。先生、親、教育関係者が共同で活動を実施していくことにより

コミュニティ全体の心のケアに働きかけ、自立と活性化の面で良い影響が見

られるようになったと報告されています。

2006年8月から2008年6月にかけては、上記プロジェクトの後続事業とし

て、「スマトラ沖津波復興支援 子どもの心のケアプロジェクト」を実施しま

した。このプロジェクトでは、子どもたちの活動の軸となる子どもクラブの

結成、貧しい家庭に対する生計支援や設備支援など、学校という枠を越えて、

様々な支援活動を展開しました。活動を続けていく中で、当初は活動参加に

消極的だった子どもが徐々に積極的に参加するようになり、多くの子どもた

ちが学校に戻り、就学率も災害直後に比べて上がりました。

災害は多くのものを容赦なく破壊します。インフラを整え、安全な水を供給

し、傷を負った人々を治療することは、もちろんとても大切なことです。け

れど、心理的・精神的な傷を抱える人々をケアすることも同時に、とても大

切なことです。なぜなら、現地の人々の精神面が健康な状態にならなければ、

持続的・発展的に街を復興させていくことができないからです。CAREは、常

に長期的視野に立ち、コミュニティの人々自らが問題を解決していく過程を

支援し、人々の生きる力を引き出し、支えていくということを目指しています。

災害後の支援に関しても同様に、一時的な緊急支援にとどまらず、現地の人

自らが希望を失わずに復興に向けて邁進できる、社会の基盤作りを支援して

いきます。

【参考文献/URL】

CARE「スマトラ沖津波復興支援 学校における子どもの心のケアプロジェクト」

http://www.careintjp.org/careswork/internationaljapan_lk6.html

CARE「スマトラ沖津波復興支援 子どもの心のケアプロジェクト」

http://www.careintjp.org/careswork/internationaljapan_lk8.html

朝日新聞社「きしむ子どもの心、孤児4千人超す 四川大地震」2008年5月23日

http://www.asahi.com/special/08004/TKY200805230154.html

サーチナ「地震被災者の2割に「心の傷」、精神ケア20年間必要」2008年5月30日

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0530&f=national_0530_022.shtml

(担当:kana)

震災後の心の傷にどう対処するかというのは、地震大国日本では、他人事で

はない問題だと思います。そういう意味で、原稿をかきながら、何度も、自

分だったら・・・と考えてしまいました。

■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

分離か共存か:民族紛争の終結と平和構築

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冷戦が終結して以来、大国同士の戦争に代わって、民族紛争が国際社会の注

目を集めるようになりました。今日に至るまで、世界各地で民族紛争が生じ

ています。最近では、スーダンのダルフール紛争において、政府と主要反政

府組織が停戦交渉を開始しました。一方、過去にも民族紛争を経験している

ナイジェリアでは、現在民族対立が再び高まり、政情不安の様相を呈しています。

民族紛争の終結と平和構築を考えるにあたり、大きな論点の一つとして、対

立している民族が共存するべきか、分離して異なる政治的枠組みで暮らすべ

きか、ということがあります。今回のコラムでは、この論点を解説し、民族

紛争の解決の難しさを垣間見ていきます。

▼民族紛争の影響

民族紛争においては、対立民族同士の激しい暴力の応酬がしばしば生じます。

武力を持つ政府組織や民兵組織が抗争する中で、暴力に脆弱な一般市民は疎

開を余儀なくされることがあります。たとえば、A民族に属する民兵が幅を

利かせる地域に、B民族の一般市民がいれば、後者は虐殺等の恐怖のために、

家を離れざるをえないでしょう。こうした問題により、場合によっては何百

万人規模の難民・国内避難民が生じます。

▼分離政策の論点

Kaufmann(1996)は、一度民族紛争による暴力が発生すると、対立する民族

同士に根深い不信感が生まれ、この不信感は紛争が沈静化したあとも消えず、

新たな紛争の火種になると指摘しています。それゆえ分離政策の提唱者は、

対立民族を分離し、別々の政治的枠組み(たとえば新たな独立国家の創設)

を与える政策の必要性を論じています。分離によって民族対立が和らいだ一

つの例としては、キプロスが挙げられます。キプロスでは、ギリシア系とト

ルコ系の紛争に際し、1974年のトルコ軍の介入によって事実上の分離が生じ

て以来、暴力が沈静化しました。

しかしながら、分離政策の問題は、その実現性にあります。Johnson(2008,

pp.165-168)が論じるように、大量の住民移動は武装勢力の格好の標的になり

えますし、そもそも住民が移動に応じるかどうかも分かりません。このよう

に、分離政策はその実行に大きな制限を負っているため、Johnsonはその紛

争鎮静化の有効性を認めつつ、住民移動が安全に行なえうる場合、あるいは

難民の移動で既に対立民族が分かれている場合に限って、選択肢に入れるべ/p>

きだと結論付けています。

援▼共存政策の可能性

果たして、一度民族紛争を経験した対立民族は、共存は不可能なのでしょう

一度民族紛争を経験した対立民族は、再び武力紛争をおこなう傾向があるか

らです。共存の道を選んだ場合、もし民族紛争が再度過熱すれば、隣人同士

が再び対立民族として、お互いの暴力の恐怖に苛まれることになります。

▼議論は続く

以上のように、分離政策も共存政策も、メリット・デメリットを持っていま

す。専門家の間でも、未だ明確な合意点には達していません。民族紛争が注

目され始めて、まだ20年ほど。今後も、平和構築の政策を議論する際、こ

の二つの選択が重要な論点であり続けると考えられます。

【参考文献、参考URL】

Belloni, Roberto. 2005. 'Peacebuilding at the local level: Refugee return to Prijedor.' International Peacekeeping, Vol. 12, No. 3 (Autumn): pp.434-447.

Johnson, Carter. 2008. 'Partitioning to Peace: Sovereignty, Demography, and Ethnic Civil Wars.' International Security, Vol. 32, No. 4 (Spring): pp.140-170.

Kaufmann, Chaim. 1996. 'Possible and Impossible Solutions to Ethnic Wars.' International Security, Vol. 20, No. 4 (Spring): pp. 136-175.

(担当:あっきー)

このトピックは、自分が大学院にいるとき、課題の一つとして研究したもの

です。個人的には、共存の可能性を探っていきたいと思っています。

★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

*社会人になるので、しばらくメルマガ執筆をお休みします。読んで下さっ

た皆様、ありがとうございました。(kana)

*メルマガボランティア、今月で引退いたします。政治学の視点から国際問

題を取り上げながら、かれこれ二年半ぐらい関わりましたでしょうか。ご愛

読、ありがとうございました。(あっきー)

*懐かしい友達と飲む機会が増えました。皆柔らかくなったなぁ。(とも)

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