生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
女性企業家 x CARE事務局長 武田勝彦 リレー対談

第9回対談 西出博美さん NPO法人 ぱぱとままになるまえに 代表

[ 2015.3.23 ]

CAREは「女性と子ども」に焦点をあてた活動を行っています。
社会で活躍されている女性企業家の方から、彼女らが日常どのように国際協力について考え、また実際に関わっておられるのかを探っていきます。

西出博美さんのご紹介

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第8回 西出博美さん NPO法人 ぱぱとままになるまえに 代表

2010年に日本社会事業大学を卒業後、地元産業の活性化を支援する会社などに就職。働きながら、2011年2月に、任意団体「ぱぱとままになるまえに」を発足し、代表に就任。2014年10月に同団体をNPO法人化。自身も、 結婚・妊娠をしていない「ぱぱとままになるまえ世代」の当事者として、これから親になる可能性のある若者が「子どもを産み・育むこと」に価値を見出せる社会環境づくりを行っている。

ぱぱとままになることを夢見る社会を探究する西出博美さん

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「とにかく妊婦さんが好き」という西出さんは、電車の中で妊婦さんを見かけると感動して泣いてしまうような女の子だったそうです。そんな妊婦好きが高じて、今では女性の後ろ姿から妊婦さんかどうかを見分けられるほど。高校で保育を学んだり、福祉系の大学に進学、地元産業をサポートする会社などで働きながら、2011年2月に、結婚・妊娠・出産・子育てをしていない若い世代が、パパとママになることを考えたり、知るためのきっかけをつくる「ぱぱとままになるまえに」の活動を始めました。

活動のビジョンは、「なりたい職業のように"パパとママになること"を、夢見ることができる世の中に」。これから親になる可能性のある若者が「子どもを産み・育むこと」に価値を見出せるよう始めた活動。当初はニーズがなかったといいます。それでも、友人を中心に人を巻き込み、地道に活動を続けたのは、「妊娠している人への社会的サービスは提供されている一方で、妊娠していない人を対象としたサービスは存在していなかったから。そして、妊娠するということはどういうことなのか、パパとママになった人からなっていない人へのバトンパスがうまくできていないのではないかと感じたから」と西出さんはいいます。

誰かが何かをすることで防げる落胆
昔は育児の様子や他の家庭の様子を垣間見ることができました。しかし、現代の社会では、特に、都市部で暮らす若い世代にとって、核家族やひとり暮らしといったライフスタイルが多数を占めるようになり、「他の人の結婚や妊娠の体験談や知識を、気軽に聞いたり、実際に目にする機会が少なくなってきていている」と西出さんはいいます。今の若い世代にとって、結婚・妊娠・出産・育児といったライフイベント全てが「初めて」のこととなり、これらのイベントに対し不安を感じている人も少なくありません。近年、「産後うつ」「産後クライシス」という言葉をよく耳にするようになっています。これらのことは、事前に知っていれば、防げたり、軽減できたことかもしれません。

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西出さんは、「誰かが何かをすることで防げる落胆があるのであれば、それを解決しよう」と思い、「ぱぱとままになるまえに」では、事前に出産施設を知っておく「助産院ツアー」を主催したり、妊娠経験者から話を聞く機会を提供しています。

その他、小学校での啓蒙活動を行ったり、出産施設を探しやすくするためのサイト【ぱぱままっぷ】の作成に取り組んでいます。また、妊娠経験のある社員の協力を得た社内研修の実施などにも活動の範囲を広げていくことを模索しています。

これを受けて、武田事務局長より、CAREがインドで実施している母子保健事業を紹介。2014年11月に現地を訪れた際に目にした、これからパパになる人たちを対象にした研修では、男性たちが赤ちゃんの抱き方や赤ちゃんを布でくるむ方法を学んだり、赤ちゃんのみならずママの栄養や(インドではパパが家計を管理することが多いので)急な通院に備えての貯蓄の重要性についての話を聞いていました。

インドでも、日本でも、世界中どこでも、結婚・妊娠・出産・育児といったライフイベントに備えておくことは大切。それは、男女問わず、誰にとっても同じはず。「いつか子どもが欲しい」と思っている人たちが妊娠前から準備をする風土をつくっている西出さん。産後ケアがより重視される中、なる前のサービスは分かりづらいといわれています。それでも、負けずに、「ぱぱまま」の活動を参加者が伝えて輪が広がっていたように、これからも、西出さんは「直接」会って伝える努力を続けるといいます。CAREも西出さん同様、直接的にあるいは間接的に個人に対して働きかけることにより、家庭、コミュニティにおいて母子保健を改善する行動を促していきたいと思っております。

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西出さんから女性たちへのメッセージ
女性たちが出産について、どうしたいのか立ち止まって考えて欲しいと思っています。
今? 後で? 養子? 出産をしないという選択肢もあります。
社会や周りの人たちに流されないで、自分のしたいこと、自分がどう生きたいのか、集中して考えて、考えるくせがついて欲しいと願っています。
そして、ぜひ「ぱぱとままになるまえに」に参加してください。もし参加できなくても、「ぱぱとままになるまえに」どうしたいのかを考え欲しいと思っています。

お仕事中の西出さん

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イベント参加者たちと

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小学校で講演を行う西出さん

事務局長のコメント

CARE事務局長 武田勝彦

今回対談させてもらった仕事場に驚きました。日本にもこのような自由な職場空間があるとは知りませんでした。そんなクリエイティブな共同スペースで働く西出さんは、とてもポジティブな女性起業家でした。日本はまだまだ固定観念が根付いていて、新しい発想や取り組みが目を出しにくいと思います。西出さんのような存在は日本にはなくてはなりません。また、学生時代から「対処療法ではなく、根源的な問題を解決しないと」と言う姿勢は、我々エイドワーカーと同じで印象的でした。そして、途上国の女性たちへのメッセージでは、「自分がどうしたいかを常に考えるのが大事だぜ」との力強いエールをもらいました。西出さんとその賛同者には、日本中でパパママになりたい人をどんどんと増やしてもらいたいです。

第14回対談 猪熊真理子さん 株式会社OMOYA 代表取締役社長

第13回対談 母里比呂子さん 株式会社hirondelle 代表取締役

第12回対談 駒崎クララさん 株式会社KoLabo代表取締役社長

第11回対談 神宮司希望さん 株式会社eggcellent取締役最高執行責任者(COO)

第10回対談 古橋あや香さん SHY FLOWER PROJECT 代表

第9回対談 西出博美さん NPO法人 ぱぱとままになるまえに 代表

第8回対談 堀江由香里さん NPO法人Arrow Arrow 代表理事

第7回対談 黒田幸さん 株式会社KARAFURU 代表

第6回対談 渡邉さやかさん 一般社団法人 re:terra 代表

第5回対談 林民子さん ダブルツリー株式会社 代表取締役

第4回対談 新舘祐子さん NPO法人「KIDS CHEER プロダクション」理事

第3回対談 山本麻理子さん プライベートフォトスタジオ「HOME」経営者

第2回対談 田中葉月さん 国際教育関連会社 理事

第1回対談 上野沙也加さん 有限会社ロイヤルガーデン代表取締役

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