生きるチカラを信じて支える ケア・インターナショナル ジャパンは、貧困の根源の解決に向け、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子ども」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況になる人々の自立を支援しています。
女性企業家 x CARE事務局長 武田勝彦 リレー対談

第3回対談 山本麻理子さん プライベートフォトスタジオ「HOME」経営者

[ 2012.11.20 ]

CAREは「女性と子ども」に焦点をあてた活動を行っています。
社会で活躍されている女性企業家の方から、彼女らが日常どのように世界で起こっていることや国際協力などについて考えておられるのかを探っていきます。

山本麻理子さんのご紹介

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「思ったらすぐ行動派」
の 1979年生まれ

第3回対談 山本麻理子さん プライベートフォトスタジオ「HOME」経営者

高校卒業後、「周囲の環境に流されているだけ」のような自分自身を見つめ直すため、ロサンゼルスとハワイに留学。そして就職。異国での生活では、日本に無い社会構造や価値観など多くの発見があり、"自然体"という現在の生き方の根幹が形成されたそうです。
帰国後に結婚。2児の出産を経て、それまで全く経験のなかった分野である写真館を開設。4歳と2歳のお子さんの育児をされながら、写真館の経営者兼コーディネーターとして日々活躍していらっしゃいます。

子どもを通じて、自然体に生きる  山本麻理子さん

「こうでなければならない」は無い

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今回の対談は、明るい日差しがあふれる
山本さんのオフィスにお邪魔して行われました。

山本さんが写真館「HOME」を開館されたきっかけは、お子さんのお宮参りの記念写真撮影でした。正装して正面を向き撮影する写真が一般的だけれども、家族の間の空気感や子どもたちの自然な表情、その時にあった時間をそのまま切り取って残せるような記念写真があれば、もっと素敵な家族の歴史が残せるのではないか。しまっておくのではなく、飾っておける写真を増やしたい。その思いを実現するため、ご夫婦で写真館を開館されました。
場所を"鎌倉"に定められたのは、土地のブランド効果もさることながら、豊富な自然が決め手だったそうです。やろうと思ってから行動に移すまでは早かったとおっしゃる山本さん。それまで全く関わったことの無い分野での起業に「冒険ですね」と尋ねると、「不安はありませんでした。"思ったらすぐ行動派"なんです」と、明るい笑顔で返されました。

こうしたしなやかな行動力は、山本さんが海外での生活から体得されたものです。中学、高校と、その時々の流行に乗って過ごしてこられたという山本さんは、「このまま、ただ環境に流されるままの生き方で良いのか」という疑問から、海外留学を思い立たれました。場所を変えながら行き着いた先のハワイには、大自然の中でそれぞれの価値観に従ってゆったり生きる現地の人々の暮らしがあり、気付くとご自身も自然体になっていたそうです。
「"こうでなければならない"というような決まりは無い。自分の感じるまま、自然体で生きていけばいいんだと思えるようになりました。」という山本さん。自然豊かな山手の一軒家を借り、自分たちの手で改装して、大きな関心事で ある"子ども"や"家族"をテーマに、訪れた人たちがゆったり自然体に過ごせるような空間「HOME」を造られました。

"子ども"を通じて感じること

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「HOME」で撮影された子どもたちの写真に囲まれて。

山本さんの視野を更に大きく広げ、意識を明確に方向付けていったのが"子どもの存在"だった、と山本さんは語ってくださいました。
「子どもはとてもシンプルで動物的。お腹が空くと泣き、満たされると眠る。子どもを見てそのエネルギーに触れていると、人間も動物なんだという根源的なことについて考えさせられます」。山本さんは子どもを通じて"人が生きること"や"幸せについて"、そして自分自身の在り方や生き方まで、改めて心底から考えるようになったとおっしゃいます。写真館「HOME」も、山本さんにとってそんな思考の先で形になっているものなのだそうです。

かつて海外で生活していた時、初めて目の当たりにした社会格差や、旅行で行ったタイで見た、きらびやかな繁華街からほんの1本隔てた路地にひしめく物乞いの光景など、「いろんな世界が同時に進んでいる」と感じた記憶が、子どもとの接触を通して、また別の想いを伴って思い起こされてきたとおっしゃいました。

「私たちが一番やらなければならないことは"子どもを健やかに育てる"ということだと思っています。」
そのシンプルで根源的な営みを守れない環境があるという事実に対し、心が痛むと山本さんはおっしゃいます。

"子ども"、"家族"、そして"女性"について

CAREが行っている途上国での活動について話しが及んだ時、「女性や女子への支援を行う際、男性も変わらなければ状況は変化しない」という武田事務局長の一言から、ジェンダー論とワークライフバランスについて話しが展開しました。山本さんのジェンダー観は、「男女はそもそも体の造りが違うものであり、子どもを産めない男性には絶対に解らない感覚もある。違いを尊重した上で役割分担を行い、"共存"していくことが大切なのでは」というものです。

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そして女性について、次のような考えを聞かせてくださいました。
「女性には男性に無い強さと能力があります。出産ができ、母乳を与えて子どもを育てる能力があり、その上、外での仕事もできるんです。女性には守るものがあり、それ故、冷静に判断する力もある。素晴らしいプログラムが備わっていると思います。男性だって女性から産まれてきているんですから、リスペクトされて良い存在ですよね。」

"女性の置かれた環境が変わることで、世界をも変えられる"ということを確信できるような、勇気づけられるお話しでした。


最後に、女性に対するメッセージをお伺いしました。
「女性の皆さんには外の世界を見て視野を広げて、そして是非、自分のアクションを起こしていってもらいたいと思います。」
清々しいエールをありがとうございました。

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スタジオにて。スタッフみんなで改装されたという
スタジオからは、鎌倉の海が見下ろせました。


お仕事中の山本さん



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   「写真は"きっかけ"。『HOME』が訪れる人たちの
   思いを共有できるような場所になり、ここから
   何かしらの社会貢献ができれば嬉しい」と山本さん。


   山本さんプロフィール3.jpg

   撮影現場ではクライアントの意向をはかり
   緊張をほぐすコーディネーターとしても
   活躍されています。

事務局長のコメント

CARE事務局長 武田勝彦

鎌倉のこども写真館「HOME」で対談をさせて頂きましたが、「HOME」自体が山本さんの思いを体現した空間あるいは環境といった印象を持ちました。
山本さんのお話を伺っていると、人間の本来持つもの、例えば動物性、生命力、自然体、素(す)といったものを再認識させられました。そして、それらが最も表に出てくる場所がHOME、家庭かもしれないと感じました。
また、山本さんとの対談では、「男性が女性をリスペクトすると世の中うまく回る」という表現がありました。途上国でのジェンダー問題と日本におけるワークライフバランスの核心を突くお言葉に身震いしてしまいました(心の震えが表に出ないように何とか振る舞いましたが...)。
CAREはジェンダーに配慮した活動をしていますが、最近、力を入れ始めているのが、「男性を如何に取り込むか(Engaging Men)」という活動です。男性が変わると、女性のおかれた環境が飛躍的に改善される。CAREの活動はそのことを実証しています。これからも、手を変え品を変え、この活動を続けていかなければ。

第14回対談 猪熊真理子さん 株式会社OMOYA 代表取締役社長

第13回対談 母里比呂子さん 株式会社hirondelle 代表取締役

第12回対談 駒崎クララさん 株式会社KoLabo代表取締役社長

第11回対談 神宮司希望さん 株式会社eggcellent取締役最高執行責任者(COO)

第10回対談 古橋あや香さん SHY FLOWER PROJECT 代表

第9回対談 西出博美さん NPO法人 ぱぱとままになるまえに 代表

第8回対談 堀江由香里さん NPO法人Arrow Arrow 代表理事

第7回対談 黒田幸さん 株式会社KARAFURU 代表

第6回対談 渡邉さやかさん 一般社団法人 re:terra 代表

第5回対談 林民子さん ダブルツリー株式会社 代表取締役

第4回対談 新舘祐子さん NPO法人「KIDS CHEER プロダクション」理事

第3回対談 山本麻理子さん プライベートフォトスタジオ「HOME」経営者

第2回対談 田中葉月さん 国際教育関連会社 理事

第1回対談 上野沙也加さん 有限会社ロイヤルガーデン代表取締役

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