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持続可能なカカオ栽培のためのコミュニティ強化事業

事業名:持続可能なカカオ栽培のためのコミュニティ強化事業
事業国:コートジボワール
事業期間:2019年10月~2025年9月(6年間)
対象者数: 直接受益者 : 39,276 人(うち女性 28,222 人)
                 間接的受益者: 274,932 人
事業規模:2,793,656ドル
主な支援者:アフリカン ココア ソサエティー、バリーカレボー、ゴディバ ジャパン

プロジェクトの背景

本事業は、コートジボワールのカカオ産業の中核を担うアフリカン ココア ソサエティー (SACO)とCAREコートジボワールによる戦略的パートナーシップにより実施しているものです。

事業目標

持続可能なカカオ栽培およびカカオ生産コミュニティの生活改善のために、カカオ生産者の主導的参画を通じたエンパワメント(能力強化)を目指します。

主な支援活動内容

事業開始当初、コートジボワールにおける89の地域を対象に始まった活動は、現在では、15 のカカオ生産地域における 27 県の合計 235 の地域をカバーするまでに拡大しています。

SACOとの連携のもと、CARE は、次の3つの重点支援領域において支援を行っています。

1. 包括的なガバナンスの強化
カカオ生産コミュニティ全体の活性化に必要不可欠な支援として、新しいポンプ式井戸の設置や修理を行い、人々が飲料水にアクセスできるよう支援します。また、道路の修復を通じて、農産物の輸送を容易にし、周辺地域と商品の取引ができるよう、基本的な社会インフラの整備を行います。

過去4年間の実績
新しい井戸5機を設置し、2機を修理した結果、16,333人の女性と子どもを含む 21,695 人が飲料水にアクセスできるようになりました。また、1,955人が周辺地域と商品を取引できるようになりました。

2. 社会経済的支援
【経済的支援】
女性農民メンバーを中心として構成される村落貯蓄貸付組合(VSLA)を組織し、金融リテラシーを高め、経済的自立を促進していきます。

過去4年間の実績
472のVSLA(村落貯蓄貸付組合)が設立され、女性9,835人を含む12,297人のメンバーが活動に参加しています。これらの VSLAによって358,572 ドルが貯蓄され、融資を必要とするメンバーに対して、2,090件の貸付が実行され、227,314 ドルが収入創出活動(70%)ほか、農業(16%)、健康(5%)、教育(4%)などのために充てられました。

【社会的支援】
VSLAのメンバーを対象に、識字教室を開催して識字力を高めることで、自尊心を育み、ビジネスの発展につなげていきます。また、ジェンダーと夫婦の対話についての研修を行い、ジェンダー概念、ジェンダー平等、ジェンダーに基づく暴力などについての理解を深めます(変化するジェンダー力学において、男性を真のパートナーにするために、女性だけではなく、男性も「男性チャンピオン」として、積極的な活動への参画を促します)。

過去4年間の実績
65のジェンダー委員会が設置され、334人のジェンダー委員会メンバーが、ジェンダーと夫婦の対話についての研修を受けました。また、1,903回にわたり、夫婦の対話セッションが開催されました。この他、44の識字教室を設置し、 730人が識字教室に参加しました。

3.児童保護の促進
児童労働に立ち向かい、児童保護を促進するために、児童保護フォーラムを設立し、子どもたちの現状、ニーズ、権利について認識し、理解を深めるように取り組みます。

過去4年間の実績
 19の子ども向けフォーラムと9つの児童保護委員会を設置し、例えば児童保護に関する啓発アニメーション制作などの様々な取り組みを通じて、児童保護の強化に取り組んでいます。また、児童保護を担う女性・家族・児童省における2つの地域総局の事務所整備支援なども行いました。


事業紹介動画



ウォロウ・アデルさんのストーリー

~さらなる事業拡大に向けて、貯蓄とVSLAの活動に取り組む

ウォロウ・アデルさんは、コフィカンクロ村(コートジボワールの中心、マラウエ地方)にある「ルミエール」という名前のVSLAのメンバーです。VSLA ができる前、アデルさんは、商品を入れたバケツをもって小規模な商売をして、週に8ドルから17ドル稼いでいました。

VSLAに入り、そこで起業家精神や金融教育に基づいた知識を得たアデルさんは、自分で貯蓄を始めました。また、VSLAに出資する資金に加えて、1 日あたり (2.60ドルから3.50ドル)の貯蓄を続けました。そして、VSLAから175ドルの融資をうけ、それに自分で貯蓄してきた資金を加えて、およそ 324.50ドルの資金で、自分の店を構えることができました。

今、アデルはさらに多くの店を持ちたいと考えています。彼女は、農場で働けないほど年をとった祖父のために、次の店舗では何か新しいビジネスを始めたいと考えています。

「さらなる事業拡大に向けて、そして祖父も働けるような商売を始めるために、また、お金を貯めることにしました」と、彼女はいいます。

アデルさんは、妹の学費を負担し、病気の両親の世話もすることができました。現在、アデルさんは、他のコミュニティのすべての人々が、明るい未来のために VSLAを受け入れ、活動に参加することを望んでいます。



コフィ・クアコウ・ジェロームさんのストーリー

~VSLAがもたらした自身とコニュニティの変化

コフィ・コウアコウ・ジェロームさんは、コナンテクロ(コートジボワール中心部マラウエ地方)に住むVSLAグループのプロモーターです。

ジェロームさんは、VSLA設置当初は、女性たちがローンを組むのが難しかったと言います。しかし、女性たちは、徐々に興味を持つようになり、今では、女性たちが簡単に融資を受けて小規模なビジネスを始めるのを見て、嬉しく思っています。この仕組みによって、お金が生まれ、家族を養い、ニーズを満たすことができるようになったのです。

「彼女たちを見ていると、顔に幸せが浮かんでいるのがわかります」と、ジェロームさんはいいます。

そして、この変化は女性たちだけでなく、ジェロームさん自身にも影響を与えました。ジェロームさんは、VSLAの起業家精神に関するトレーニングで学んだことを実践し始めました。荷物や人を運ぶ「バイクタクシー」の事業を始め、1 日あたり8.80ドルから26.30ドルを稼ぐことができるようになり、ジェロームさんは日常の問題のほとんどを解決することができるようになりました。

今、ジェロームさんは、ジェンダー委員会のメンバーでもあります。主に、強制結婚、ジェンダーに基づく暴力、その他多くの社会問題について、男性たちにも理解を促す活動を担っています。それが一部の男性の行動の変化を引き起こし、全員が幸せに。

こうして、VSLAへの参加は、多様なレベルでの変化を生み出し、ジェローム家のコミュニティの生活改善にもつながっていきました。現在、彼は、VSLAがもたらす結束力と男性の関心の高さを見て、誇りに思っています。



コネ・チャタさんのストーリー

~3つのVSLAが連携して、学校建設プロジェクトを始動

コフィカンクロ(コートジボワールの中心、マラウエ地方)在住のコネ・チャタさんは既婚で、7人の子どもたちの母親です。また、チャタさんはVSLA「ベンカディ」の会員で、トレーダーでもあり、自分の店で様々な商品を販売しています。

チャタさんは、VSLAに参加する前、資金不足のため、商品を後払いで調達していました。また、経営がうまくいっていなかったため、自分の商品を掛け売りしてしまい、すぐに資金がショートしていました。そして、通常、週に17.54ドル程度の利益しか上がらず、貯蓄するのは困難でした。

しかし、VSLAのメンバーになることで、毎週1ドルを出資し始めることができるようになりました。当初、チャタさんは不安のあまり、たった1口分しか出資することができずにいましたが、時間をかけて少しずつ出資額を増やしていきました。

「最初は、疑いの気持ちもあり、1ドルしか出資できませんでした」とチャタさんはいいます。

チャタさんは、最初に87.70ドル、次に263.10ドルの融資を受けることができ、このローンで、 現金で商品調達ができるようになりました。「商品を売って、少しでも利益が出たらすぐにVSLAに返済をするようにしています。完済するまで頑張ります」と、チャタさんはいいます。

VSLAからの融資により、今では利益を 2倍にすることができるようになりました。週に少なくとも 35ドルを稼いでいます。

ビジネスを拡大し、より多くの商品を調達するために、チャタさんは、以前は家の隅に置いていた商品を保管するための倉庫を設けました。家庭内では、特に子どもたちの教育費の面で、夫をサポートしています。「今では、子どもたちが学校に行くための朝食代や学費も私の稼ぎで賄えるようになりました」と話します。

さらに、ジェンダー研修に参加した夫の理解とサポートもあり、チャタさんの毎日は、より充実しています。「夫がジェンダー研修に参加した後、彼は、私と子どもたちと一緒に食事をするようになりました。今では、私が彼にアドバイスを求めるだけではなく、時に、彼が私にアドバイスを求めることもあります。彼は、本当に変わりました」

チャタさんは今、さらに大きな夢を持っています。「私は自分のビジネスを前進させるために、あらゆることに挑戦します。そのための方法を知っていますし、それが、私がやりたいことだからです」と、誇らしげに教えてくれました。

そして、チャタさんのVSLAを含む3つのVSLAが連携して、推定31,580ドルの学校建設プロジェクトを立ち上げることが決定しました。まずは、土地の取得に向けた交渉から始まります。


関連情報

お問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careintjp.org

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