9月8日は「国際識字デー」~ 東ティモールの子どもたちに学習雑誌を届けよう!
9月8日は、 UNESCO (国際連合教育科学文化機関)が制定した「国際識字デー」です。
日本では義務教育制度もあり、識字率は99%以上といわれていますが、世界を見渡すと、文字を読み書きできることは当たり前ではありません。
アジア最貧国のひとつとして挙げられる東ティモールでは、教育言語であるポルトガル語の成人識字率は都市部で約40%ある一方、農村部では約18%ととても低い状況です。農村部では、十分な識字能力や計算能力を身に付けることができないため、経済活動や家計の管理に支障をきたし、親の識字能力の低さが子どもの栄養・健康状態、そして就学率にも悪影響を及ぼしています。
CAREは、学習雑誌「ラファエック」を制作・配布する活動を通じて、東ティモールの子どもたちの学び、そして農村地域の人々の自立を長年にわたり支援し続けています。
「ラファエック」には、未就学児~小学校低学年向けの「ラファエック・キーク」、小学校3~6年生向けの「ラファエック・プリマ」、幼稚園と小学校教諭向けの「ラファエック・バ・マノリン」、成人向けの「コミュニティ・ラファエック」の4種類があり、2022年7月1日から12月31日までの6か月間で、東ティモール全世帯の約半数103,965世帯に、619,872部が配布されました。
特に東ティモールの農村部の恵まれない地域に住む生徒の86%が、家庭レベルで利用できる唯一のテトゥン語学習教材として、「ラファエック」を使用しています。
モニタリングの結果、ラファエックを使用している生徒は、使用していない生徒に比べて読解力が5%高いことがわかりました。また、使用していない生徒よりも、7文字多く識別できます。家庭レベルでは、ラファエックを読んでいる人は、そうでない人に比べて13%も貯蓄があることが判明しました。
雑誌に掲載されている内容は、親子の交流の場にもなっています。
あるお母さんはこう話します。「先月、ケーキを作ろうとしたら、子どもが 『待って、ラファエックを持ってくるから、雑誌に載っているものを参考にケーキを作ってみて』といってくれました」
ラファエックを創刊して20年、東ティモールの成人識字率に改善は見られるものの、子どもたちの就学率や退学率においては課題が残り、特に農村地域における状況は深刻です。
親世代の貧困からの脱却も含め、より包括的な支援の継続がこれからも求められています。
例えば、5,000円のご寄付で、約30人の子どもたちに学習雑誌「ラファエック」を届けることができます。
貧困のない未来に向けて、東ティモールの農村部で暮らす人たちに生きるチカラを届ける活動を応援くださいますようお願いいたします。
「ラファエック」を読んでいる生徒が「ヤング・ジャーナリスト」として、地域のリーダーにインタビューする機会を得ることもこの事業の活動のひとつです。
障がいを持つウェルシアナさんとアントニオさんもヤング・ジャーナリストとなり、東ティモール青年国民会議所のマリア・ダディ・ソアレス・マグノ会長に「市民社会組織における女性のリーダーシップと意思決定の促進」について取材し、会長からは「体が不自由だからといって希望を失うことなく、夢と可能性を持って目標に向かって進んでください。私たちは家族、社会、国家の中で皆平等です」というメッセージをいただきました。
この活動は、女性の発言力、リーダーシップ、意思決定、ジェンダー平等などに関連する重要なメッセージを伝えることを目的としています。また、若い生徒たちがジャーナリズムの実践的な経験を積み、自尊心、自信、人前で話す能力を高め、ロールモデルとして他の学生を鼓舞することにつながっています。
東ティモールは、インドネシアの隣に位置し、海に囲まれた島には美しい自然が残されています。また、アジアで一番新しい国で、国民の4割が1日1.25ドル以下で暮らすアジア最貧国のひとつです。
2002年にインドネシアからの独立を勝ち取るまでは、16世紀から続く諸外国からの支配により、子どもたちは自国の文化、歴史、そして地理さえも学ぶことが禁じられていました。
そして、独立をめぐる戦争では、95%もの学校が消失。インドネシア人教師の大半が離職しました。多くの尊い命が失われ、独立後、人口の半数以上が就学年齢の子どもたちとなりました。このような混乱の中、学習雑誌「ラファエック」は生まれ、CAREは約20年にわたって東ティモールで暮らす人々に学びと生きるチカラを届けています。
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