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コロナ禍における世界の学校再開 -アフガニスタン、ハイチ、マダガスカルからの報告

多くの先進国では、学校が再開されましたが、途上国の子どもたちはどうしているのでしょうか。CAREが活動するアフガニスタン、ハイチ、マダガスカルの子どもたちはどのように学校に戻っていくのでしょうか。

2020年度国連報告書によると、新型コロナウイルスは、190か国の160億人の生徒たちの教育に非常に大きい影響を及ぼしています。ヨーロッパや北アメリカの生徒たちは、新学期を楽しみにしていますが、彼らの問題は学校に戻れるのかどうかではなく、コロナ禍において、生徒たちがどのように新たな日常に適応していくのかということです。

災害や紛争下にある貧しい国・地域では、新型コロナウイルス感染拡大のため、子どもたちの教育の機会が失われています。これらの国々では、このウイルスの拡散を抑えたり、人々の命を守ることが最優先で、残念ながら、子どもたちの教育を進めることは後回しになっています。

CAREの人道支援・アドボカシー担当官兼国連代表、デルフィーン・ピーノルトは悲しい事実を語ります。「最も困難な状況にある国に対して、私たちは少しの支援しかできていません。アフガニスタンに対してはたったの28%、ハイチには16%、ベネズエラにはなんと8%しか支援できておらず、また、2つの困難に直面しているイエメンとコンゴ共和国へはそれぞれ、24%と22%しか支援できていない。よって、私たちは支援を進めるために更なる努力をしていかなければなりません。」

アフガニスタンでは

ハリマさん(16歳)はアフガニスタンのコスト郡マンドゼイ地区モクベル村の優秀な生徒の一人

10年以上もの間、世界で最も脆弱な国の一つであるアフガニスタンは、様々な紛争、雪崩、洪水、地滑りなどを懸命に耐え抜いてきています。このウイルスで、この国の920万人の生徒たち(39%は女性)は教育を受けられず、学校にいつ、どのように戻られるのかがわからずにいます。

CAREの教育担当官であるレーチェル・ハートゲンによると、「このように大きな打撃を受け、緊張した状況の中、この子どもたちは、もう二度と学校に戻れなくなるかもしれません。子どもの両親たちは難しい選択を強いられています」

「学校閉鎖が長引くことで、子どもたちの学習の遅れや、児童労働、性的虐待(家庭内暴力や強制結婚など)の危険から守ることができなくなっています」と、CAREのアフガニスタンの教育プログラムのシニア・コーディネーターのワヒデゥラ・ワヒッドはいいます。

CAREがアフガニスタンの教育省と連携し、ラジオやテレビを地方の村へ提供することで、子どもたちはそれらを通じて先生たちと繋がり、授業を受け続けることができています。しかし、本を買ったり、ラジオを配布することなどはできても、子どもたちの精神面への対応は行き届いていません。

「特に年上の女子たちの精神的負担が高まってきているという調査結果が出ています」とワヒッドはいいます。CAREは、現地のパートナーとともに、地元の先生たちに対して、この問題や性的虐待、強制結婚などについて支援を行なっていますが、まだ不十分です。

アフガニスタンでは

ハイチでは

新型コロナウイルスの学校閉鎖により給食がなくなった子どもたちのために食事を提供するCARE ハイチ

世界の反対側にあるハイチも同様の教育問題を抱えていますが、この国の子どもたちは、パンデミックの前からこの問題を抱えていました。

2019年に起きた政治的な紛争で、ハイチの200万人の生徒たちは、教育を受けられなくなりました。学校に行けないハイチの子どもたちにとって、これは、食べ物からの栄養、他の子どもたちとの対話、そして成長をする機会を失うということになります。

CAREハイチの教育コーディネーターのクラウデル・チョイシは、「この国の恒常的な電力不足やWi-Fiへの接続の困難さから、生徒たちはEラーニングで学ぶことができません。よって、私たちは子どもたちを実際に学校に戻すことに最も重点を置いています。また、私たちは栄養不足を補うために食堂を提供し、他の子どもたちと対話できるような課外活動を積極的に進めています」

CAREは、子どもたちがソーシャルディスタンスを保ちながら、学校の活動や栄養豊富な食べ物を得らえるプログラムを進めています。

ハイチでは

マダガスカルでは

CAREマダガスカルのスタッフが地元の災害対策委員会にコロナウイルスの対応について指導しています

洪水、マラリア、コロナウイルスなどの困難と戦ってきたマダガスカルの子どもたちやその親、教師たちは、3月下旬から閉鎖されていた学校の再開を楽しみに待っています。

「それぞれの学校では、災害対策クラブや課外活動を通して、楽しく、生徒同士で学べるやり方で安全や災害対応などを教えていています」とMaevatananaの小学校教師、ラコトンドラバオ・ヌドリアナ・アルバート先生はいいます。

教師らは、学校が再開するときのために、清潔な環境への仕組みづくりをするだけではなく、生徒たちが新しい環境に慣れるようにするためにトレーニングを受けています。CAREは、NGO Humanity and Inclusion マダガスカルとともに、学校再開に向けた過渡期をサポートするプログラムを提供しています。

*この翻訳は、ボランティアの伊藤杏奈様にご協力いただきました。


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〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
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