世界人道デー:バヌアツで人道支援に携わるMarie Totoのストーリー
人道支援従事者らは、人々を助けるために驚くほど多くの犠牲を払っています。8月19日に17回目を迎える「世界人道デー」を踏まえ、そのうちの一人、バヌアツのMarie Totoを紹介します。
太平洋に浮かぶ島国、バヌアツをサイクロン「Pam」が襲った2015年3月、CAREのスタッフであるMarie Totoは家族の消息を知る術をなくしてしまいました。
当時24歳だったMarieは、アンブリム島の出身です。バヌアツの首都ポートビラからおよそ160km離れ、電話もつながらないこの島で彼女は暮らし、働いていました。
「家族がもし戻ってきていたとしても、この島にいては連絡をとることができないので、私は彼らが生きているのかどうかについての情報を全く得ることができませんでした」とMarieは語ります。
確信のないまま、Marieは自分にできることをやり尽くしました。彼女はたった一つのカバンを手に持ち、人々を助けるために出かけて行ったのでした。
Marieは、同僚とともに第一号のチャーター機に乗り込み、エロマンガ島へと向かいました。そこでは、食糧や生活必需品の配布をオーストラリア軍とともに行いました。
この配布は、決して一筋縄ではいきませんでした。多くの道路は遮断され、Marieを含めた人道支援従事者らが最も遠く離れた村へ行くには、ヘリコプターに乗るしか選択肢がありませんでした。
数週間後ようやく、Marieは自身の家族へ、待ちに待った電話をかけることができました。
幸いなことに、家族は皆無事でした。ですがもっと喜ぶべきことに、Marieがその場にいなくとも、彼女の先見の明が家族や隣人を救っていました。
Marieは、「どんな内容であっても、私が、災害対策研修を通じて、コミュニティに情報を伝えれば、その情報は私の家族のためにもなるのです」といいます。
「サイクロンPamの発生時、私は、弟に『サイクロンが今後どれだけ大きくなるかはわからないけれど、準備はしておくべきよ』と伝えました」
Marieのアドバイスの通り、家族たちは食糧や薪を備蓄しました。この後すぐに30人が食糧を必要としたことから、この行動はとても運の良いものになりました。
「私の家の近所の人たちは皆、家が崩壊されて食糧が何もなくなってしまったため、私たちの家に避難しました。彼らは家を建て直している2か月間、私たちの家に滞在しました」
「あの時の、あの言葉のおかげで、私の家族と近所の人々は生き残ることができました」
Marieは、仕事柄、国を跨いで活動をしています。直近では2018年、アンバエ島でマナロ火山が噴火した際には2か月間自宅を離れていました。ただ、彼女の人道支援の根底にあるのは、彼女自身の村のことなのです。
「私たちは人々に思いを寄せることができますよね。情報や援助へのアクセスを十分に持たないような、遠く離れたコミュニティに住む人々に対し、私たちはより多くの機会を与えるべきだと考えます。私たちは最善を尽くします」と、Marieは語ってくれました。
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