
2026年8月6日 CAREウクライナ
オレーナ リトヴィネンコより報告
ウクライナの中心部にあるこの学校は、マリーナさんにとって単なる職場以上の場所です。かつては生徒の一人としてその廊下を歩いた彼女は今、課外活動担当の教頭として同じ廊下を歩き、新たな世代の子どもたちが学び合う姿を見守っています。子どもたちの変化に合わせて、校舎もまた変わらざるを得ませんでした。
1985年に建設されたこの学校は、当初から多様性への配慮がなされた設計ではありませんでした。
「開校当時、障がいのある子どもも含めた教育環境への配慮という考え方は全く考慮されていませんでした」とマリーナさんは語ります。
学校が特別な支援を必要とする子どもたちを受け入れ始めるにつれ、その必要性はますます明らかになっていきました。2019年には、特別な教育ニーズを持つ子どもが1人入学しましたが、現在では、対面で学ぶ約350人の生徒のうち61人がそうした子どもたちです。
この数字は、戦争によって障害を負う子どもが増えたことを示すものではありません。むしろ、障害のある子ども向けの施設や支援体制が整っていることを理由に、この学校をあえて選ぶ家族が増えているという事実を反映しています。今やどのクラスにも、多様な学習ニーズを持つ子どもたちが在籍しています。
「状況は困難でした。障害のある子どもたちを私たちが抱えて移動しなければならず、あるいは介助者が常に付き添って抱えて移動する必要がありました」とマリーナは振り返ります。教室間の移動やトイレの使用といったごく当たり前のことにも、大人の助けが必要でした。子どもたちが自立して行動することは不可能だったのです。
しかし、CAREウクライナとそのパートナー団体である「スタビライゼーション・サポート・サービス(Stabilization Support Services)」の支援により、状況は変わり始めています。
戦争地域で学ぶ、ということ

空襲警報は今や日常の学校生活の一部となっており、地下室も同様です。登校している生徒約350人全員が、1日に数回、時には一日の大半を地下のシェルターへ移動し、そこで学習を続けます。
時が経つにつれ、学校側は地下に「もう一つの学校」とも呼べる空間を築き上げました。そこには、地上にあるものと同様の教室や学習コーナー、各種設備が整えられています。天井が低いため、大人は部屋を移動する際に身をかがめる必要がありますが、空間自体は整然として清潔に保たれており、地上の教室と同様に細部まで丁寧に配慮されています。
CAREウクライナとそのパートナー「スタビライゼーション・サポート・サービス(Stabilization Support Services)」の支援を受け、同校はバリアフリーへの向上にも取り組み始めました。新たに設置された屋外スロープのおかげで、車いすを利用する子どもたちが、建物の反対側から自分たちの力で校内に入れるようになりました。また、1階には、特別な支援を必要とする生徒が使用する教室のすぐ隣に、バリアフリー対応のトイレも整備されました。
多様性への改善
「その違いは大きいです」とマリーナさんは言います。「車いすの子どもたちが、自分たちだけで校内に入れるようになったのです。保護者が学校まで送ってきた後も、子どもたちは以前よりずっとスムーズに移動できます。1階にはバリアフリー対応のトイレが教室のすぐ隣にあるため、子どもたちはプライバシーを保ちながら利用し、すぐに授業に戻ることができます。こうした変化は、子どもたちにとっても、彼らをサポートする人々にとっても、負担を大きく軽減するものとなりました。」
マリーナさんにとって、これらの改善は単なるインフラ整備以上の意味を持っています。それは、子どもたちが自立し、日々の学校生活がより円滑で、より尊厳が守られ、誰もが受け入れてもられる、ということなのです。
みんなのための学校
現在、同校には海外からオンラインで学習を続けている児童を含め、約600名が在籍しており、そのうち約350名が毎日登校して授業を受けています。空襲警報の発令中であっても、シェルター内に設けられた専用の学習スペースで対面授業を継続していることから、同校を選ぶ家庭が増えています。
特別な教育ニーズを持つ児童の受け入れが進む中、マリーナさんはこうした変化を、すべての子どもが学校生活に全面的に参加できるようにするための重要な一歩だと捉えています。
「最初はたった一人の子どもから始まりました」と彼女は語ります。「今では61名になりました。誰もが学べる環境への配慮は、学校としての私たちのあり方に深く根付くものとなりました。新しいスロープやバリアフリー対応のトイレが整備されたことで、子どもたちが日々直面していた障壁が取り除かれました。今や彼らは、クラスメートと共に学ぶという、何よりも大切なことに集中できるようになったのです。」
ウクライナにおけるCAREの活動

支援者の皆様の寛大なご協力のおかげで、CAREとそのパートナーたちは、2022年2月以降、ウクライナ危機の影響を受けた150万人以上の人々に支援を届けてきました。主な活動内容は以下の通りです。
現金支給支援
緊急食料支援
教育支援
安全な水と衛生設備の提供
保健・医療サービス
シェルター(避難所)および宿泊施設の提供
ウクライナ危機の影響を受けた人々への重要な支援を継続するため、今後も支援活動に尽力してまいります。
関連情報
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