【定期通信トピック】学習雑誌『ラファエック』を手にした東ティモールの人々の喜びの声
アジア最貧国のひとつに挙げられる東ティモールでは、教育言語であるポルトガル語の成人識字率は都市部で約40%、農村部では約18%ととても低い状況です。十分な識字能力や計算能力を身に付けることができないため、経済活動や家計の管理に支障をきたし、親の識字能力の低さが子供の栄養・健康状態、そして就学率にも悪影響を及ぼしています。
楽しみながら学べる学習雑誌『ラファエック』は、東ティモールの公用語のひとつ「テトゥン語」で書かれていて、ビンゴや文字ゲームなどで、子どもたちが楽しく学べる教材になっています。また、文字や算数を学べるだけでなく、病気予防やジェンダーに関する知識、栄養や小口融資に関する日常生活で実用的な知識も学べます。識字力が十分でない成人のために視覚に訴える工夫が多くなされています。
14歳のマリアさん
「園芸が好きで、放課後は農作物の水やりや、夕食の準備をしています。学校だけではなく、家に持ち帰っても読むことができる『ラファエック』を通して、どのように水やりをすれば良いかも知ることができました」
プライマリースクールで教えるマリアさん
「以前は、子どもたちに文字を教えてもあまり興味を持ってくれませんでした。絵やイラスト、写真も多く使用されている『ラファエック』があれば、子どもたちの反応も違います。子どもたち用のほかに教師用の『ラファエック』もあり、とっても役に立っています」
4人の子どもがいるアデリーナさん
「自宅で子どもと一緒に『ラファエック』を読みます。「ママ、『ラファエック』は、本当にすごいんだよ」と言って、いろいろな物語を、息子が読み聞かせてくれます」
CAREによるモニタリングの結果、『ラファエック』を読んでいる子どもたちは、読んでいない子どもに比べて読解力が5%高いことが明らかになりました。また、7文字ほど多く、識別できることも分かりました。さらに、家庭レベル(成人)では、『ラファエック』を読んでいる人は、そうでない人に比べて13%も貯蓄があることが判明しました。
『ラファエック』は、東ティモールで暮らす人々に、学びと生きるチカラを届けています。
©︎Juozas Cernius/CARE
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