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スーダン危機:チャドに避難した人々は極度の困難に直面しています

スーダンで紛争が続くなか、CAREは、故郷を追われた数十万人のスーダンの人々、特に女性や子どもたちに与えた影響について深く懸念しています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とチャド政府によると、命を守るためにチャドに逃れてた人々の数は9万人以上に及びます。

避難民の9割が女性と子ども、個人の安全は確保されず

CAREチャドのアマドゥ・ボクーム事務局長は、「避難民の9割が女性と子どもであることに注視しています。到着するまでに、彼ら・彼女らはその道のりだけではなく、故郷の状況からも極度の苦難を強いられています。多くの人が空腹や喉の渇きを抱え、早急な医療処置やその他の基本的な必需品を必要としています」といいます。

 2023年5月22日に発効される予定だった7日間の停戦にもかかわらず、戦闘はまだ続いているとの指摘があります。暴力から逃れる人々の多くは、ほとんど財産を持たずに避難します。国境を越えてチャドに入った後も、国境を越えた避難民への攻撃が報告されており、個人の安全は確保されていません。

 ハオワさんは、紛争が始まって間もなく、夫と4人の子どもたちとともにクーフルーンに避難しました。クーフルンはスーダンの真向かいにあり、国境からわずか1キロメートルしか離れていません。そのため、ハオワさんは、一刻も早く国境から遠く離れたキャンプに移動し、安全を確保することが唯一の解決策だと考えています。ハオワさんは、自分と家族の命が危険にさらされ、次の日を迎えられるかどうか、常に不安を感じながら生活しています。「ここでも、いつ流れ弾が飛んでくるかわからないので、安全とはいえません。2023年5月17日、スーダン側から飛んできた銃弾で10人が死亡し、数人が負傷しました」と彼女はいいます。

病気の蔓延、子どもの5分の1が急性栄養失調

キャンプでの生活は、避難した多くの人にとって容易ではありません。病気の蔓延に加え、UNHCRからの報告によると、キャンプにいる子どもの5分の1が急性栄養失調に陥っているといいます。

一児の母であるギスマさんは、生活環境が厳しいと語ります。人道支援パートナーが設置した移動診療所で診療を待っていますが、残念ながら、増え続ける避難民に迅速にサービスを提供するには十分とはいえません。「子どもは生後6か月ですが、2日前から具合が悪く、ただ泣いているだけで、心穏やかではありません」とギスマさんはいいます。

家族の離散

もう一つの不安は、家族の離散です。ダルフール出身の46歳の母親であるコウブラさんは、家族とはぐれて国境を越え、チャドに入国しました。紛争が始まったとき、コウブラさんは子どもの一人の治療を受けるためにハルツームにいました。彼女は、国境を越えてまだダルフールにいる他の子どもたちと夫のことを常に心配しています。

「紛争が勃発したのは、8歳の末っ子が体調を崩して入院していた時です。私たちはハルツームからスーダンとの国境の町、ティネに避難していました。ダルフールの村にいる他の5人の子どもたちの消息はまったくわかりません。私はいつも子どもたちのことを考えています。国境を越えて、子どもたちがまだそこにいるかどうか確かめたかったのですが、道路は封鎖され、いたるところで銃撃戦があり、昨日は戦闘員が途中の家々に放火しました。この状況は本当に心配です。子どもたちはどんな状態なのだろうといつも考えています」と、彼女はとても心配そうに話します。

CAREチャドの対応

スーダンの紛争が始まって以来、今回の危機以前からスーダンの避難民を支援してきたCAREチャドのチームは、地元や海外のパートナーとともに国境沿いのコミュニティで活動してきました。この活動には、ニーズ調査、能力開発、水と衛生プロジェクト、ジェンダーに基づく暴力への対応が含まれています。  

チャドの避難民が直面している悲惨な状況、そして戦闘が続く中でさらに多くの難民が発生するという見通しを考慮し、ボクームCAREチャド事務局長は、「国際社会から、より多くの資金、より多くの物質的な支援が必要です」と訴えています。


「緊急支援基金」へのご協力のお願い

紛争や災害が発生した際には、初動が非常に重要です。そして、初動活動には、通常の開発事業とは別に、緊急時に直ちに拠出できる資金(プール資金)が必要です。予測が難しい地震、津波、台風、サイクロン、洪水、干ばつ、そして感染症の拡大など、世界各地で多発する自然災害に加えて、長期化する紛争等による難民や避難民の深刻な人道危機などへの迅速かつ効果的な対応にあたり、平時からの資金の確保が不可欠で、円滑な初動活動を行えるよう、「緊急支援基金」へのご支援が必要です。 国内外で今後起こり得る災害等における初動(緊急調査や緊急支援活動等)への活動資金として、有効に活用させていただきます。

CAREのスーダンにおける活動実績と今後の活動

CAREは、1979年からスーダン全土で活動を行っています。2022年7月から12月にかけて、CARE スーダンは、147,000人に切望されていた保健サービスを、15,900人に性・生殖医療支援を、465,400人に水・衛生サービスを提供しました。

CAREはスーダンでの活動を一部中断していましたが、栄養、保健、水、衛生の分野で人道支援活動を継続するため、6つの州で4つの事務所を開設する予定です。

CAREは、すべての当事者に対し、将来の世代のためにスーダンの永続的な平和解決に向けて努力することを求めます。私たちは、女性や女子を含むスーダンの人々とともにあり、紛争が解決した後も、人々の権利と幸福(ウェルビーイング)を訴えていきます。

CAREのスーダンにおける活動実績と今後の活動



関連情報

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careintjp.org
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