世界こどもの日:コロナ禍でも子どもたちの学びを止めない
11月20日は、国連が1954年に子どもたちの相互理解と福祉向上を目的として制定した、世界こどもの日。
2020年度国連報告書によると、新型コロナウイルスは、190か国の160億人の子どもたちの教育に深刻な影響を及ぼしています。
災害や紛争下にある貧しい国・地域では、新型コロナウイルス感染拡大により、子どもたちの教育の機会が失われています。これらの国々では、このウイルスの拡散を抑えたり、人々の命を守ったりすることが最優先で、残念ながら、子どもたちの教育を進めることは後回しになっています。
ハリマさん(16歳)はアフガニスタンのコスト郡マンドゼイ地区モクベル村の優秀な生徒の一人
CAREのピーノルト人道支援・アドボカシー担当官兼国連代表は、「最も困難な状況にある国に対して、私たちは、わずかな支援しかできていません。アフガニスタンに対してはたったの28%、ハイチには16%、ベネズエラにはなんと8%しか支援できておらず、また、2つの困難に直面しているイエメンとコンゴ共和国へはそれぞれ、24%と22%しか支援できていません。よって、私たちは支援を進めるために更なる努力をしていかなければなりません」と悲しい事実を語ります。
それでも、CAREは、アフガニスタンでは、教育省と連携し、ラジオやテレビを地方の村へ提供することで、子どもたちはそれらを通じて先生たちと繋がり、授業を受け続けています。
新型コロナウイルスの学校閉鎖により給食がなくなった子どもたちのために食事を提供するCARE ハイチ
ハイチでは、新型コロナウイルスによる学校閉鎖で給食がなくなった子どもたちのために食事を提供しています。
2019年に起きた政治的な紛争で、ハイチの200万人の生徒たちは、教育を受けられなくなりました。学校に行けないハイチの子どもたちにとって、これは、食べ物からの栄養、他の子どもたちとの対話、そして成長をする機会を失うということになります。
CAREハイチのチョイシ教育コーディネーターは、「この国の恒常的な電力不足やWi-Fiへの接続の困難さから、生徒たちはEラーニングで学ぶことができません。よって、私たちは子どもたちを実際に学校に戻すことに最も重点をおいています。また、私たちは、栄養不足を補うために食堂を提供し、他の子どもたちと対話できるような課外活動を積極的に進めています」といいます。
東ティモールでは、2021年4月に発生した50年度に1度といわれる豪雨災害の際には、過密状態が懸念される避難所に身を寄せる子どもたちに、学習雑誌「ラファエック」を25万冊配布しました。読み聞かせや読書会などを企画して、感染予防のメッセージを伝えるとともに、子どもたちの心のサポートも行いました。
ヴェンセスさん
学校から帰宅後、弟妹と毎日欠かすことなく、ラファエックを読む小学5年生のヴェンセスさん。「数学や文章を読む力を高めてくれるラファエックで勉強できるのは、本当にうれしいです」と目を輝かせます。中でも、太陽系にとても関心が強いヴェンセスさんは、「木星は太陽系最大の惑星で、土星には環があり、海王星は地球から最も遠い惑星です」と自信たっぷりに教えてくれました。ヴェンセスさんの将来の夢は、警察官になることです。
■新型コロナウイルス感染症緊急支援事業
■東ティモール:学習教材「ラファエック」を通じた自立支援事業東ティモール:学習教材「ラファエック」を通じた自立支援事業
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