3月22日「世界水の日」に寄せて
3月22日は「世界水の日」です。
1992年、淡水の保全と持続可能な淡水資源管理の重要性について、世界中の人々の意識を高めることを目的に、国連総会で制定されました。
「水」は私たちの生活に欠かせないものですが、現在でも、世界の4人に1人が、安全に管理されたきれいな水にアクセスできない状態にあります。例えば川や沼、水たまりなど、動物の水飲み場と同じ水を使わなければならず、人々は不衛生な水に起因する病気のリスクにさらされています。
また、生きていくために必要な水を汲むための労働は、主に女性や子どもたち、とくに女の子たちが担うことが多く、彼女たちは、毎日の大切な時間の多くを水汲みに充てなければならず、学校に行く時間や、賃金労働に費やす時間を奪われ、貧困から抜けだす機会を得られないのが現状です。水へのアクセス改善は、生活の質を向上させるための重要なステップなのです。
私たちケア・インターナショナルでは、世界中で水・衛生プロジェクトを展開しています。例えば、中東のイエメン西部に位置するアムランでは、75㎥の水タンクや水配分ポイントのほか、井戸を建設し、太陽光パネルも設置しました。これにより、写真のオラアのように、地元住民は、日中いつでも安全に水を汲むことができるようになりました。
また、自然災害や紛争などにより人道危機に瀕する国や地域においてCAREは、緊急支援の一環として水の配給支援を行っています。自然災害、そして爆撃や空爆を生き延びた人々の多くは、安全でない水を飲まざるを得ません。そして、脱水症や不衛生な水に起因する感染症などの脅威が、特に野外の仮設テント等で生活する人々の間で高まります。
ユニセフによると、ガザでは、避難した子どもたちが毎日利用できる水はわずか 1.5~2リットルで、生存に必要な推奨量をはるかに下回っているとされています。
ガザ緊急支援に従事するCAREスタッフは、次のように語っています。「人々はCAREから水を受け取ってとても喜んでいました。安全な飲料水は人々にとって生命線です。水の心配をしなくて済むようになれば、日々の生活がずっと楽になります。ある父親は、ようやく長くて危険な道を行く必要がなくなり、子どもたちにコップ一杯の水を与えるために命を危険にさらす必要がなくなったと話してくれました。ある母親は、水を汲むために何時間も歩く代わりに、ようやく子どもたちと遊ぶ時間を持てるようになったと話してくれました。人々は、汚染された水から感染する病気を心配する必要がなくなったので、とてもほっとしていました」
水は、まさに人間の生存と尊厳の確保に欠かせないものです。Walk in Her Shoesキャンペーンにご参加いただく皆さまには、世界のどこかで水問題で苦しむ人々、特にその多くが女性や女子である現実を心に留めていただき、キャンペーンに参加いただければと思います。
©︎Juozas Cernius/CARE
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