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9月8日は「国際識字デー」~ 東ティモールの子どもたちに学習雑誌を届けよう!

9月8日は、 UNESCO (国際連合教育科学文化機関)が制定した「国際識字デー」です。

日本では義務教育制度もあり、識字率は99%以上といわれていますが、世界を見渡すと、文字を読み書きできることは当たり前ではありません。

アジア最貧国のひとつとして挙げられる東ティモールも例外ではなく、教育言語であるポルトガル語の成人識字率は都市部で約40%、農村部では約18%ととても低い状況です。農村部では、十分な識字能力や計算能力を身に付けることができないため、経済活動や家計の管理に支障をきたし、親の識字能力の低さが子どもの栄養・健康状態、そして就学率にも悪影響を及ぼしています。

CAREは、学習雑誌「ラファエック」を制作・配布する活動を通じて、東ティモールの子どもたちの学び、そして農村地域の人々の自立を20年以上にわたり支援し続けています。

「ラファエック」の成果

学習雑誌「ラファエック」には全部で5つの種類があります。未就学児~小学校低学年向けの「ラファエック・キーク」、小学校3~6年生向けの「ラファエック・プリマ」、幼稚園と小学校教員を対象とした「ラファエック・バ・マノリン」「リヴル・セマティク・バ・マノリン」、そして成人向けの「ラファエック・コミュニティ」です。

ラファエックは、学校に通う子どもたちや教師、そして特に農村地域の人々にとって欠かせない補助学習教材となっています。2023年には、全国1,645のすべての学校に配布され、授業にラファエックが使用されています。また地域コミュニティでは、東ティモール全世帯の約半数を占める103,000世帯に307,247部が配布されました

「ラファエック」の成果

唯一のテトゥン語の学習雑誌である「ラファエック」は、子どもたちの学習意欲を高め、親たちが家庭で子どもの学習をサポートし生活に必要な情報を得るために欠かせない手段となっています。モニタリングの結果、「ラファエック・プリマ」を受け取った98.62%の生徒が「ラファエックのおかげで学校に通うのが楽しくなった」と回答し、「ラファエック・キーク」を受け取った96.55%の生徒は「家で親と一緒に雑誌を読んだことがある」と答えました。


東ティモールの歴史と「ラファエック」

東ティモールは、インドネシアの隣に位置し、海に囲まれた島には美しい自然が残されています。また、アジアで一番新しい国で、国民の4割が1日1.25ドル以下で暮らすアジアで最も貧しい国のひとつと言われています。

2002年にインドネシアからの独立を勝ち取るまでは、16世紀から続く諸外国からの支配により、子どもたちは自国の文化、歴史、そして地理さえも学ぶことが禁じられていました。

そして、独立をめぐる戦争では、95%もの学校が消失してしまい、インドネシア人教師の大半が離職し、インドネシアに帰国してしまいました。また、多くの尊い命が失われ、独立後、人口の半数以上が就学年齢の子どもたちとなりました。

このような混乱の中で学習雑誌「ラファエック」は生まれ、東ティモールで暮らす人々に学びと生きるチカラを届けてきました。

東ティモールの歴史と「ラファエック」

CAREがラファエックを創刊して20年以上が経ち、東ティモールの成人識字率に少しずつ改善が見られてきましたが、依然として子どもたちの就学率や退学率においては課題が残っており、特に農村地域における状況は深刻です。
親世代の貧困からの脱却も含め、より包括的な支援の継続がこれからも求められています。


「ラファエック」を届ける活動を応援してください!

例えば、5,000円のご寄付で、約30人の子どもたちに学習雑誌「ラファエック」を届けることができます。
貧困のない未来に向けて、東ティモールの農村部で暮らす人たちに生きるチカラを届ける活動を応援くださいますようお願いいたします。


※寄付の使途で「備考欄にご記入ください:上記以外の事業指定の場合」を選択し、
備考欄に「ラファエック事業」とご記入ください。


「ラファエック」を通じたコミュニティへの働きかけ

学習雑誌「ラファエック」を活用し、識字率向上や貧困削減、ジェンダー平等を促進するため、CAREでは、農村部を中心とした地域コミュニティのひとびとにさまざまな働きかけを行っています。

例えば「ラファエック・コミュニティ」には、親子でできる家庭学習方法の紹介や、農業、栄養、妊産婦の健康をテーマとした情報、さらには家庭での男女間の役割分担やジェンダーに基づく暴力の防止に関する内容などジェンダー平等を啓発する内容も掲載されています。

モニタリングの結果では、「ラファエック・コミュニティ」を受け取った83.84%の回答者が、「親が家庭で雑誌を活用して子どもに雑誌を使って教えたり、一緒にゲームしたりする」と答えました。また、ケーキを作る際にラファエックに掲載されているレシピを参考にする親子も。ラファエックは親子に楽しい交流をもたらし、家庭での学習を後押ししています。

「ラファエック」を通じたコミュニティへの働きかけ

また、2023年には全国の 14の地域コミュニティにおいて、住民が参加する対話型のワークショップを開催しました。ワークショップでは、ラファエックチームのメンバーが効果的な栄養の取り方を紹介するため調理実演をしたり、雑誌で取り上げた内容をテーマにして地域住民同士が活発に意見を交換し合いました。

なお、ワークショップには、CAREや関係パートナーの働きかけにより、参加者577人のうち、半数近くの287人の女性が参加することとなりました。CAREはこれまでも、男女間の不公平な家事分担、重要な意思決定プロセスからの女性の排除といった問題に取り組むため、男性を巻き込んださまざまな研修やワークショップ等を実施してきましたが、雑誌のコンテンツやワークショップ等を通じて、女性の発言力、リーダーシップ、意思決定、ジェンダー平等などに関連する重要なメッセージを伝えています。


動画で見る「ラファエック」





※寄付の使途で「備考欄にご記入ください:上記以外の事業指定の場合」を選択し、
備考欄に「ラファエック事業」とご記入ください。


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[本件に関するお問い合わせ先]

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
個人寄付担当   
Tel: 03-5944-9931 Fax: 03-5950-1375 Email: bokin@careintjp.org


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