ガザ:妊娠の喜びから恐怖へ一変
ガザの避難用テントの中で暮らすゼナブさん*。彼女は紛争が始まる3日前に2人目の妊娠を知り、その直後、喜びと興奮が恐怖と死に取って代わられました。
ガザへの攻撃により、彼女は3歳の長女とともに崩壊した家の瓦礫の下から引きずり出され、夫は家族のために食料を探そうとして殺されました。
避難生活を続ける中、2024年6月に帝王切開をすることになり、避難所から16キロ離れた病院に行きました。病院までの道中、爆撃で破壊された家、学校、保健センターを通りすぎ、その光景を目に焼き付けながら、崩壊している現実の中に、新しい命を迎え入れる喜ばしい瞬間のために心の準備をしていました。
「とても怖いし、不安でたまらないし、すごくストレスを感じています。最初の娘を出産する時とは本当に違う気持ちです。夫がそばにいないことがとても辛くて、すごく会いたいです。でも同時に、赤ちゃんを抱ける瞬間が待ち遠しい。この恐怖と美しい気持ちが入り混じっているのが不思議です」と彼女は語りました。
ゼナブさんは無事に女児を出産することができました。適切な設備が不足していたため、医師たちは赤ちゃんに対する通常の検査をすべて行うことができず、6インチの帝王切開の傷を縫合するための専用の糸もありませんでした。
ガザでの暴力が激化してからガザの女性は流産する可能性が3倍、出産時に死亡する可能性も3倍に増加しています。(2024年7月時点)
ゼナブさんは二人の娘とのテント生活が続いています。
インタビューの中でガザの女性や女子たちに代わって、ゼナブさんが世界に伝えたいメッセージを聞きました。
「私は、未亡人、負傷者、拘束された女性たちを支援するすべての団体に対し、私たちを道徳的にも心理的にも支えてくれるよう呼びかけます。私たちがこの人生を乗り越えていけるように。現実として、私たちはいまだにこの悪夢の中に閉じ込められており、抜け出す方法も、逃げ道も見つけられないでいます」
ゼナブさんたちへCAREのスタッフによってベビーキットが届けられました。
ベビーキットには、紙おむつ、シャンプー、粉ミルク、衛生用品、生理用品、授乳パッド、コットン、毛布、石鹸、母親用下着、ベビー服など、緊急に必要なものが含まれています。
*個人情報保護のため名前は変更しています。
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