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ガザ人道危機:停戦により援助機関が大規模な支援を届けられるはずです

CAREは、米国のトランプ大統領が発表したイスラエルとハマス間のガザ停戦合意第一段階を歓迎します。停戦は全ての当事者による誠実な履行が求められ、軍事作戦の完全停止を実現し、ガザのいかなる場所にいる人々の安全と保護を保証すべきです。紛争の再燃は、甚大な苦難を経験し世代を超えたトラウマに直面するガザの200万人の人々にとって壊滅的となるでしょう。

1日最低600台のトラックによる人道支援の促進、ガザの主要な生命線であるラファ検問所の開放、その他の国境検問所の開設への取り組みは歓迎するものの、本合意では、CAREのような国際機関がガザ外で滞留している物資をどのように搬入するのか、また人道支援組織の効果的な活動をさらに妨げている最近導入された国際NGO登録障壁への対応が明確化されていません。

イスラエルは、人道支援物資の供給量を大幅に増やすという約束を果たし、ガザ地区全域で支援を必要とする全てのパレスチナ人に、人道支援活動従事者が完全かつ即時かつ安全にアクセスできるようにしなければなりません。支援物資の配送と分配の調整は、ガザ地区内のどこにいても支援を必要とする人々に大規模な支援を届けられる能力を持ち、人々の安全と尊厳を守ることができる国連やその他の信頼できる国際機関が主導し続ける必要があります。

停戦により、食糧、医薬品、燃料、避難物資、設備がようやくガザに搬入され、パレスチナ人が過去2年間に被った甚大な損失からの復興を始められることを望みます。飢餓に瀕し、医療へのアクセスを阻まれ、多くのものを失った後で生命維持に必要な物資を直ちに必要とする人々を支援するため、人道組織は時間との闘いを強いられています。官僚的な登録障壁の即時撤廃と、原則に基づく人道支援の加速が不可欠です。この過程を通じて、国際社会はガザ地区とヨルダン川西岸地区のパレスチナ人の声、権利、意思が確実に聴取され尊重されるよう保証しなければなりません。

CAREと現地パレスチナ のパートナーは、ガザで人道支援活動を拡大する準備が整っています

私たちは、デイル・アルバハの診療所やパートナーが運営する医療拠点やセンターを通じて救命医療を提供し、ガザ全域で安全な水へのアクセスを回復させる態勢を整えています。
また、追加支援物資の搬入が許可され次第、CAREは住居を失った人々への避難所支援、母子衛生キットや衛生キットの提供に加え、女性や子どもへのその他の重要な保護サービスも提供する準備ができています。

この合意があまりにも遅すぎたすべての人々を改めて思い起こします

この合意により血の流れた争いと苦しみが終焉することを願い、感謝の念をもって受け入れる一方で、今日私たちは、この合意があまりにも遅すぎたすべての人々を改めて思い起こします。家族のもとに帰ることなく悲劇的に命を落とした人質たちの死を悼みます。私たちは、数万人の民間人の殺害、そして予防可能な飢餓や疾病で命を落としたガザの人々を悼みます。子どもを養うために自らを飢えさせたり、絶え間ない強制移住のストレスで流産したりした妊婦たちの痛みを思い起こします。ガザで地域社会に奉仕中に命を落とした500人以上のパレスチナ人支援活動家の家族、そして負傷した多くの方々、特にCAREのパートナー団体のスタッフを含む犠牲者の方々に思いを馳せます。どうか平和が訪れますように。

【ご参考:パレスチナにおけるCAREの活動】

ガザとヨルダン川西岸地区のパレスチナ人コミュニティで77年以上にわたり活動してきたCAREは、人道支援と長期的な開発支援において、同地域で重要な役割を担ってきました。そして、グローバル基準のアプローチに基づき、現地パートナーとのネットワークを築いてきました。これら現地パートナーとの強力な関係は、現在のガザでの活動にとって極めて重要となっています。信頼できる現地パートナー団体と協力することで、CAREは多くの国際組織がアクセス困難な地域を含む、ガザ全域のコミュニティで支援を提供することができています。

ガザ、エルサレム、ラマラ、ジェニン、ヘブロンに事務所を構えるCAREは、国連機関、非政府組織(NGO)、政府当局、民間セクターと協力しながら、パレスチナ全土の人道戦略を調整する重要な役割を担っています。緊急ジェンダー分析など、CAREの調査・分析手法は、効果的な対応を計画するために、人道部門全体で頼りにされているものです。

CAREは国連機関やNGOの協力的なネットワークの中心にあり、互いに相乗効果を生かし、重複を避けながら、最も必要としている人々に確実に支援を届けていきます。同時に、国際的な連合体としてのCAREの組織構造により、私たちはエジプトやヨルダンなどの当地域の他のCAREチームとも連携して物資を事前に配置し、治安やアクセス状況が許す限り、対応の規模を拡大できるようにしていきます。
【ご参考:パレスチナにおけるCAREの活動】



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