世界人道デー:人道支援従事者の危険が年々高まるなか、CAREネパール事務所長はスタッフのメンタルヘルスを重視しています
▲モナ・シェルパ CAREネパール事務所長(中央(青色のシャツ着用))
8月19日は「世界人道デー」。
2003年8月19日、バグダッドの国連事務所本部が爆撃され、22人の人道支援従事者が亡くなりました。以来、毎年8月19日は、困難な現場で人道支援に携わる人々に思いを寄せるための日とされています。
それから21年。人道支援の必要性はますます高まるなか、人道支援従事者の危険も高まっています。昨年2023年、280人の人道支援従事者が意図的な攻撃で死亡。援助労働者安全データベースによると、2023年は人道支援関係者とって史上最も危険な年となりました。そして、このデータベースが1997年に統計を取り始めて以来、2024年はすでに2番目に危険な年となっており、これまでに176人の人道支援関係者が攻撃によって亡くなっています。
「世界人道デー」にあたり、CAREは、人道支援関係者への襲撃をなくすこと、加害者への不処罰をなくすこと、そして、女性主導の組織を含む現地組織や国内組織への支援を強化し、国際的なアクターによってリスクが高すぎると判断されがちな状況下で、人道危機に最初で最後に対応する人道支援関係者らが、安全上のリスクを適切に管理できるようにすることを要求します。
そして、そのような中でも、危機に直面している人々に切実に必要とされている支援を届けている女性リーダーの一人であるモナ・シェルパCAREネパール事務所長にスポットライトを当てたいと思います。シェルパ事務局長をはじめとするCAREの女性リーダーたちは、世界で最も緊急を要する緊急事態の最前線で、たゆまぬ努力で人道支援チームを率いています。
紛争や自然災害の中で働く彼女たちは、危機の中で生きるすべての人々が抱える固有のリスクに直面するだけでなく、女性であるというだけで、さらなるリスクにも直面しています。彼女たちはあらゆる暴力にさらされています。このようなすべての課題を克服する原動力となるのは、より包括的で、公平で、前向きな未来、特に危機の際に最も苦しむ女性と女子の未来を創る手助けをしようというコミットメントです。
人道的対応に、より多くの女性リーダーやチェンジメーカーを参加させることは極めて重要です。シェルパ事務局長らは、すべての人々が、年齢や性別だけではなく、障がいやその他の特性に基づいて、それぞれのニーズにあった支援を受けられるようにします。シェルパ事務所長は、女性人道支援従事者の安全保障を改善する方法と、女性と女子が緊急に必要とする支援を確実に受けるために何を変える必要があるかを語っています。
「人道的緊急事態での活動は、非常にストレスの多いものです。ネパールでは、災害ですべてを失った人々と接し、私たちのスタッフにもしばしば影響が及びます。CAREネパールの事務所長としての私の最大の目標のひとつは、同僚が心の健康について心から安心して話し合える職場環境を作り、頼れるしっかりしたサポート・システムを構築することでした。
私たちは心のケアの専門家と密に連携し、スタッフやその家族が役に立ちそうだと感じたらいつでも誰かに相談できるようにしました。私たちの方針にはメンタルヘルスに重点を置くことが盛り込まれており、すべてのスタッフ・ミーティングでサポートの選択肢について話し、急性期の緊急事態に従事する際には十分な休暇と療養時間が与えられるようにしています。
私たちの仕事の質を高めるためには、誰もがコンセントを抜くことができ、新たなエネルギーと目的意識をもってリフレッシュして戻ってくることがとても重要なのです。 もし私たち自身のメンタルヘルスに気を配らなければ、私たち自身だけでなく、コミュニティをも危険にさらすことになりかねません」
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