ウクライナ危機:ルーマニアとモルドバで子どもの保護にフォーカスして対応しています
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、CAREは、主に欧州のメンバー国が主導する形で、ウクライナ国内およびその周辺国で避難民への対応を行っています。
その中でも、CAREフランスは、ルーマニアとモルドバで対応を行っています。その特徴は、現地事務所を設置することなく、現地のパートナーとともに全面的に活動を展開している点です。
20年来の長年のパートナーであるSERAや65以上の団体が加盟する児童保護NGO連盟(FONPC)を主軸に、ルーマニアでは28団体、モルドバでは3団体の、保護、特に児童保護、ジェンダーに基づく暴力を専門とする現地のパートナーと連携して対応しています。
2023年2月半ばまでに、両国あわせて5,814人(内訳:女性2,392人、男性482人、男子1,025人、女子1,324人)に支援を届けました。それぞれの国における活動内容は以下のとおりです。
シレトとイサクチャの国境では、3つのパートナー団体の職員が常駐し、ルーマニアに入国するウクライナの人々に対し、安全な場所、飲料水、食糧やスナック、食品以外の物資などを提供するとともに、情報の提供や紹介を行いました。また、必要に応じ、緊急的な心のケア支援や、避難民がトランジット(通過)を待つ間の宿泊も提供しています。
すべての子どもたちを登録し、子どもの権利を確保し保護
さらに、トランジットの有無にかかわらず、すべてのウクライナの子どもたちを登録することで、虐待、ネグレクト、人身売買の可能性がある状況を早期に特定し、子どもの権利を確保し保護するために必要なすべての措置を実施しています。
▲登録の目的や情報保護について説明した後、1時間かけて、アンケートに答える形で登録していきます。登録は任意で、未成年の場合は保護者の同意が必要です。
具体的には、政府の児童保護局やユニセフ、SERAと協力し、人の流れを把握するデータベースを整え、その処理を行うボランティアの研修、ボランティアへの手当を支援しました。ボランティアは、ルーマニアで登録された社会福祉士や心理士、あるいは関連する学位を持ち、社会福祉サービスの分野での職務経験のある人たちです。317人のボランティアがルーマニアの41の州とブカレストの6つのセクターに配置されました。各所に配置されたボランティアたちは、47人の郡コーディネーターによって監督され、主に郡内の行政問題に対処し、児童保護局長、郡内の自治体の代表、警察、移民局、救急隊サービス、ユニセフ技術チームとの連絡調整を行っています。
また、上記に加え、6つのパートナー団体が、心のケアの支援、安全にかかる紹介、人身売買のリスクの防止、生計手段へのアクセスといった、避難民の保護に焦点を当てた活動を実施しています。
欧州で最も一人当たりのGDPが低いこの小さな国に、前例のない社会的・経済的影響をもたらしています。同国では、医療へのアクセスがより緊急なニーズであり(56%)、次いで食糧(55%)、経済的支援(52%)となっています。モルドバのパートナーは、ウクライナ避難民に食糧と食品以外ものが入手できるクーポン、医療サービス、保護サービスを提供しています。
▲親たちが集会に参加している間、ウクライナのゲームで遊ぶ子どもたち
また、2つのパートナーが、一般診療や高度医療へのアクセス、心のケアへのアクセス、受け入れ先地域への溶け込みに焦点を当て対応しています。
CAREフランスとSERAはルーマニア赤十字社を通じて、2022年3月から2022年12月までウクライナにて人道支援、食糧、衛生用品を提供しました。国境を越えた活動は、2022年12月31日時点で終了しています。
一方で、CARE全体としては、2022年9月にリヴィウにCAREウクライナ事務所を設立。また、東部のヴィニツィアに出張所、ポーランドのジェシュフに越境拠点をおき各所が連携して活動しています。今後も、ウクライナ国内およびその周辺国において、現地団体と協力して、避難民への支援を継続していきますので、皆さまのご協力をよろしくお願いします。
■【5/28(日)20:00】ウクライナ避難民の現状は? キーウ、ポーランド、日本の今 ー3人のゲストスピーカーによるオンライントーク
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